薬害C型肝炎患者救済の実態把握のための調査研究

文献情報

文献番号
202225045A
報告書区分
総括
研究課題名
薬害C型肝炎患者救済の実態把握のための調査研究
課題番号
22KC2008
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
山口 照英(金沢工業大学 加齢医工学先端技術研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 八橋 弘(独立行政法人国立病院機構長崎医療センター)
  • 正木 尚彦(国立療養所多磨全生園)
  • 岡田 義昭(埼玉医科大学 医学部)
  • 田中 純子(広島大学 大学院医系科学研究科 疫学・疾病制御学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
フィブリノゲン製品のHCV感染について、先行研究ではHCV陽性患者の感染成立との関係からどの時期の製剤の感染リスクが高いのかの推定をおこなってきた。
 特定製剤の納入先医療機関のうち、厚生労働省の委託事業により、カルテ調査事業が実施されていることから、本研究班では、上記カルテ調査事業が実施された医療機関のうち、研究協力について許可が得られた医療機関から得られた情報について解析をおこない、調査したカルテの量、投与判明者の特定数、救済につながった人数、等につきデータを整理し、投与判明者の背景等について解析することを目的とした。
研究方法
1. カルテ調査研究計画書を作成し、研究班員施設及び調査協力施設での倫理審査委員会での承認をえる。
2.委託業者によるカルテ調査より得られた情報をまとめる。
3.上記調査の付随情報の解析をおこなう。
結果と考察
 カルテ調査事業が終了した医療機関に中で協力が得られた5医療機関において、フィブリノゲン製剤・血液凝固因子製剤投与された334名の背景因子の特徴は、令和3年度報告-病院調査群と比較して10歳、令和3年度報告-原告団調査群と比較すると20歳ほど高齢であった。性別に関しては、(令和4年度報告-5病院調査群)と(令和3年度報告-病院調査群)の2つの病院群では、ともに男性の比率は約60%と高いも、(令和3年度報告-原告団調査群)での男性の頻度は約30%であり、病院調査群と原告団調査群では性差が認められた。製剤の投与年には3群間で大きな差はみられなかった。診療科と原疾患に関しては、(令和3年度報告-原告団調査群)では診療科では産婦人科、原疾患では出産時出血例が多いも、(令和3年度報告-病院調査群)と(令和4年度報告-5病院調査群)の2つの病院調査群は外科疾患が多くを占めていた。製剤の投与量、製剤の使用方法などは3群間ともに診療科や原疾患に関連していたことなどが明らかになった。今回の調査(令和4年度報告-5病院調査群)で初めて明らかとなったことは、投与判明者と通知に関して、患者及び家族への通知の有無と有りの場合の通知方法についてである。約半数の47.3%の対象者において患者及び家族への通知がおこなわれていた点、通知の方法として郵送が86.7%と多数を占めていた点、カルテ開示請求の頻度として9.3%であった点に留意すべきと考えられた。
結論
 平成4年度の委託事業によって得られたカルテ調査から、令和3年度の調査や原告団から頂いた情報と年齢構成などにおいて差異はあるものの、原疾患等について大きな差異は認められなかった。一方半数のカルテ判明者の半数に通知が行われていた点などが注目すべきと考えられた。

公開日・更新日

公開日
2024-03-07
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2024-03-07
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202225045Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
8,000,000円
(2)補助金確定額
8,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,036,473円
人件費・謝金 2,227,902円
旅費 1,001,570円
その他 2,734,055円
間接経費 0円
合計 8,000,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2024-03-07
更新日
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