輸血医療の安全性向上のためのデータ構築研究

文献情報

文献番号
202225043A
報告書区分
総括
研究課題名
輸血医療の安全性向上のためのデータ構築研究
課題番号
22KC2006
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
松岡 佐保子(国立感染症研究所 次世代生物学的製剤研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 加藤 栄史(愛知医科大学病院 輸血部)
  • 田中 朝志(東京医科大学八王子医療センター 臨床検査医学分野)
  • 米村 雄士(熊本大学医学部附属病院)
  • 上野 志貴子(熊本大学病院 輸血・細胞治療部)
  • 紀野 修一(日本赤十字社 北海道ブロック血液センター)
  • 岡崎 仁(東京大学輸血部)
  • 日野 郁生(日本赤十字社 血液事業本部 )
  • 後藤 直子(日本赤十字社 血液事業本部 技術部 安全管理課)
  • 北澤 淳一(福島県立医科大学医学部)
  • 大谷 慎一(北里大学 医学部 輸血・細胞移植学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
輸血の安全性向上には、献血における採血から医療施設における輸血実施までのtransfusion chain全体をカバーする一連の安全監視(ヘモビジランス)が求められる。日本ではtransfusion chain前半の日本赤十字社の情報とransfusion chain後半の医療機関の情報が恒常的に結び付けられていない。本研究では、全国の輸血を実施している医療施設と日本赤十字社から日本で実施されている全ての輸血情報を結びつけてトレース可能な情報として定期的に収集・解析評価するシステムを構築し、そのシステムを用いて日本の輸血副反応情報を収集・解析し輸血のさらなる安全性向上と適正使用を目指す。
研究方法
トレーサビリティの確保された輸血情報収集システムの構築のために、これまでの研究で、医療機関と日本赤十字社の情報管理端末から正確な輸血情報を可能な限り簡易に抽出できる仕組みを確立した。本年度は、新規構築したトレーサビリティが確保された輸血情報収集システム(J-HeST: Japanese hemovigilance scheme with secured tracability)を稼働した。医療機関の登録を推進するために、普及活動を実施するとともに、情報提供を困難としている原因について改善するべく検討した。小規模医療機関では別途に収集システムの構築を進めた。医療機関からの標準化された輸血情報の提供を目標として医療機関における輸血副反応の安全監視体制(ヘモビジランス)向上に向けての実態調査を実施した。
結果と考察
 トレーサビリティが確保された輸血情報収集システム(J-HeST: Japanese hemovigilance scheme with secured tracability)による情報収集を開始した。全国の輸血を実施している全医療機関の登録を目指し、日本輸血・細胞治療学会や大学輸血部会議の場で、システムについての説明を繰り返し実施した。医療機関の登録については、カルテからの情報抽出が容易ではないことや、倫理審査が必要なことなどから情報提供が難しく、未だ充分に登録が進んでいない状況である。医療機関におけるヘモビジランス体制の向上と輸血情報の標準化のため、医療機関における輸血副反応の安全監視体制(ヘモビジランス)向上に向けての実態調査を、輸血を実施している病床数200床以上の医療機関を対象に実施した。医療機関においては輸血副反応評価の標準化や電子カルテシステムへの反映が未だ充分に進められてるとはいえないと考えられた。
小規模医療機関や在宅医療現場などにおいて実施される輸血情報の収集は困難であるため、別途小規模医療機関に特化した輸血情報収集システムの構築を進めている。
結論
トレーサビリティが確保された輸血情報収集システム(J-HeST: Japanese hemovigilance scheme with secured tracability)を稼働した。医療機関における輸血情報の標準化の推進や簡易な情報提供がシステムによる情報収集の課題と考えられた。

公開日・更新日

公開日
2024-04-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2024-04-11
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202225043Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
8,000,000円
(2)補助金確定額
7,905,000円
差引額 [(1)-(2)]
95,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 3,833,539円
人件費・謝金 162,507円
旅費 504,841円
その他 3,405,078円
間接経費 0円
合計 7,905,965円

備考

備考
自己資金 95,614円

公開日・更新日

公開日
2024-04-11
更新日
-