文献情報
文献番号
202225040A
報告書区分
総括
研究課題名
医薬品、医療機器等の回収に関する研究
課題番号
22KC2003
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
廣瀬 誠(明治薬科大学 薬学部 社会薬学研究室)
研究分担者(所属機関)
- 前田 英紀(明治薬科大学 レギュラトリーサイエンス研究室)
- 青木 郁香(中村 郁香)(公益財団法人医療機器センター 医療機器産業研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
3,080,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
近年、後発医薬品製造業者の不適切な製造行為に端を発した行政処分の影響による回収が増加し、その後、後発医薬品の供給不足が問題となり、安定供給の観点から回収の実施が困難な事例も発生している。また、近年、直ちに健康被害を生じない微量発がん性物質が検出されたことによる医薬品の回収や、使用患者が特定できる埋込型の医療機器の回収など、リスクの評価や回収の実施方法などに検討が必要な新しい回収事例が増加している。
これらの製品回収の要否やクラス分類など、回収に係る各種ルールについては、平成26年11月21日付け厚生労働省医薬食品局長通知「医薬品・医療機器等の回収について」において定められているが、当該通知は発出以降大きな改訂は行われていないため、回収制度の運用等の点検や見直しなどが必要と考えられる。
令和4年度は、関連する情報の収集や分析の実施、課題や問題点を検討し、現行の回収制度の運用見直しが必要と考えられる項目の整理を行うことを目的としている。
これらの製品回収の要否やクラス分類など、回収に係る各種ルールについては、平成26年11月21日付け厚生労働省医薬食品局長通知「医薬品・医療機器等の回収について」において定められているが、当該通知は発出以降大きな改訂は行われていないため、回収制度の運用等の点検や見直しなどが必要と考えられる。
令和4年度は、関連する情報の収集や分析の実施、課題や問題点を検討し、現行の回収制度の運用見直しが必要と考えられる項目の整理を行うことを目的としている。
研究方法
医薬品や医療機器業界の回収担当者をメンバーとする検討会を立ち上げ、東京都及び大阪府で監視・指導を行っている担当者にも研究協力者として参画いただき、回収制度の運用等の点検や見直しに関する検討を進める。
検討会での検討と並行して、研究代表者、研究分担者において、我が国の医薬品等の回収の実態、回収に関する欧米の規制状況等の調査を進める。
検討会での検討と並行して、研究代表者、研究分担者において、我が国の医薬品等の回収の実態、回収に関する欧米の規制状況等の調査を進める。
結果と考察
医薬品の日本及び欧米における回収に関する規制と運用状況について調査し比較検討を行った。回収の定義やカテゴリーに関してはほぼ同様であり、各局にそれぞれガイドラインが存在した。企業、行政主導の回収に関しては日本・欧米のどちらも存在するが、内容に関して今後精査が必要だと考えられた。
一方、英国MHRAの指針の様にクラス4の医薬品通報のような仕組みがあることも明らかとなった。我が国においても、回収の枠組みの外側に位置付けている対応として、現品交換などの仕組みがあり、制度の検討に当たっては、これらの関係を精査しながら慎重に検討を進めていく必要があると考える。我が国の回収制度では、承認内容と齟齬があった場合には製品回収の対象となるが、諸外国ではリスクを考慮しつつ、厳密な承認内容との一致を求めていない可能性もあり、製品リスクを考慮して回収の要否を判断するようなリスク分析の考え方についての検討の必要性が示唆された。
一方、英国MHRAの指針の様にクラス4の医薬品通報のような仕組みがあることも明らかとなった。我が国においても、回収の枠組みの外側に位置付けている対応として、現品交換などの仕組みがあり、制度の検討に当たっては、これらの関係を精査しながら慎重に検討を進めていく必要があると考える。我が国の回収制度では、承認内容と齟齬があった場合には製品回収の対象となるが、諸外国ではリスクを考慮しつつ、厳密な承認内容との一致を求めていない可能性もあり、製品リスクを考慮して回収の要否を判断するようなリスク分析の考え方についての検討の必要性が示唆された。
結論
研究班による回収制度に関する調査や、検討会における医薬品や医療機器業界からの回収制度に関する要望についての検討を踏まえ、回収制度の運用見直しが必要な項目の整理を進めた。次年度以降、クラス分類の見直しや承認内容と齟齬のあった場合に一律の回収ではなく製品リスクを考慮した要否の判断などの考え方、その他の事項について検討が必要であると考えられる。
公開日・更新日
公開日
2023-09-26
更新日
-