文献情報
文献番号
202225039A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機関等におけるより高度な医療安全のためのバーコードの活用に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
22KC2002
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
舟越 亮寛(亀田医療大学 総合研究所)
研究分担者(所属機関)
- 池田 和之(奈良県立医科大学附属病院 薬剤部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
5,385,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
令和4年12月に施行された改正薬機法において、医療用医薬品の添付文書の参照閲覧を可能にするために医薬品等の容器にGS1コードの記載が義務化された。
医薬品の分野においてもリアルワールドデータ(RWD)の利活用の推進が国際的に進められているが、わが国では医療情報システムが広く利用されているにも拘わらず、その際必要不可欠となるビッグデータとして集合解析可能な「質の担保された医療情報」に関しては医療機関において整備・管理されていないのが現状である。
従来GS1コードは「物流用コード」の視点で捉えられてきたため、在庫管理や取り違え防止等の目的で一部の医療機関等で活用されているに過ぎない。医薬品の適正使用(副作用の低減)確保等様々な医療の質的向上のために診療情報(病名コード、医薬品、臨床検査項目及び検査値等)を「ビッグデータの解析」の視点で利活用するためにはGS-1コードと既存のコード(HOTコード、YJコード)等を有機的に結びつけ、ビッグデータとして集合解析できる基盤の整備が必要である。
政府としては個人情報保護法の改正や次世代医療基盤法による認定事業者の整備が行われているが、医療情報の源泉である医療機関における医療情報の適切なコードの管理を効率的かつ現場の負担を過度に増加させずに実現することが、医療の適正化・医薬品の適正使用に繋がる長い連鎖の根源的な解決法に繋がるものであると考えられる。
今般の医薬品等の容器へのGS1コードの記載義務化を契機に医療機関における医薬品の適正な管理のみならず、RWDの利活用のための基盤整備を進めることは極めて重要であり、新型コロナウイルス感染症対策においても医薬品の納品と購入・調剤・実際の使用状況が連動するようなデータ基盤が整備されることで政府の安全対策措置がより迅速かつ精度が高くなることが期待されている。その実現には医療機関における医療情報の利活用可能な電子化は喫緊の課題である。
本研究においては法的に記載義務付けられたGS-1コードを、医薬品適正使用確保の視点で利活用するための方策を検討するため、各医療機関における実態調査を行うとともに、「ビックデータ解析」を行うために必要な環境整備、及び臨床の場に存在する薬剤師等に求められる資質等についても検討を行い、提言を行う。
医薬品の分野においてもリアルワールドデータ(RWD)の利活用の推進が国際的に進められているが、わが国では医療情報システムが広く利用されているにも拘わらず、その際必要不可欠となるビッグデータとして集合解析可能な「質の担保された医療情報」に関しては医療機関において整備・管理されていないのが現状である。
従来GS1コードは「物流用コード」の視点で捉えられてきたため、在庫管理や取り違え防止等の目的で一部の医療機関等で活用されているに過ぎない。医薬品の適正使用(副作用の低減)確保等様々な医療の質的向上のために診療情報(病名コード、医薬品、臨床検査項目及び検査値等)を「ビッグデータの解析」の視点で利活用するためにはGS-1コードと既存のコード(HOTコード、YJコード)等を有機的に結びつけ、ビッグデータとして集合解析できる基盤の整備が必要である。
政府としては個人情報保護法の改正や次世代医療基盤法による認定事業者の整備が行われているが、医療情報の源泉である医療機関における医療情報の適切なコードの管理を効率的かつ現場の負担を過度に増加させずに実現することが、医療の適正化・医薬品の適正使用に繋がる長い連鎖の根源的な解決法に繋がるものであると考えられる。
今般の医薬品等の容器へのGS1コードの記載義務化を契機に医療機関における医薬品の適正な管理のみならず、RWDの利活用のための基盤整備を進めることは極めて重要であり、新型コロナウイルス感染症対策においても医薬品の納品と購入・調剤・実際の使用状況が連動するようなデータ基盤が整備されることで政府の安全対策措置がより迅速かつ精度が高くなることが期待されている。その実現には医療機関における医療情報の利活用可能な電子化は喫緊の課題である。
本研究においては法的に記載義務付けられたGS-1コードを、医薬品適正使用確保の視点で利活用するための方策を検討するため、各医療機関における実態調査を行うとともに、「ビックデータ解析」を行うために必要な環境整備、及び臨床の場に存在する薬剤師等に求められる資質等についても検討を行い、提言を行う。
研究方法
課題1)医療機関等でのGS1コードの活用のありかた及び製品面で検討すべき点を整理し政策提言
・研究協力者である団体と意見交換と課題の抽出を行った。
・医療機関、薬局等への実地調査視察を行った。
課題2)各医療機関等の実情に応じた、ビッグデータの基盤となるGS1コードを活用した医療情報(特に医薬品)のコードの整備の実現(社会実装等)
・バーコードを活用した安全対策の分析評価の実例を調査した。
・コード整備に向けた各研究協力団体と意見交換を行った。
・研究協力者である団体と意見交換と課題の抽出を行った。
・医療機関、薬局等への実地調査視察を行った。
課題2)各医療機関等の実情に応じた、ビッグデータの基盤となるGS1コードを活用した医療情報(特に医薬品)のコードの整備の実現(社会実装等)
・バーコードを活用した安全対策の分析評価の実例を調査した。
・コード整備に向けた各研究協力団体と意見交換を行った。
結果と考察
課題1)医療機関等でのGS1コードの活用のありかた及び製品面で検討すべき点を整理し政策提言
日本製薬団体連合会、GS1 japan、日本病院薬剤師会と意見交換をWEBで開催した。GS1 japanには諸外国の近況のとりまとめ、経時的情報提供を依頼し、年度内報告とした。日本病院薬剤師会で経時調査しているバーコード利活用については令和4年12月以降のアンケート調査を令和5年度に協力団体として実施することで合意が得られた。
また、GS1コードの活用現状について医療機関3箇所、薬局2箇所を視察すると共に関係者と意見交換をした。その結果現状においては流通面での利用のみではなく医療安全対策に活用し、一定の安全管理(誤調剤防止)に効果を出しているが、利用は単なる照合型チェックに使用されており、どの患者にどのLot番号・有効期限の製品が交付されたかという品質保証に関するデータ保存されていないことが明らかになった。この種の情報を記録できるよう次年度以降課題2とあわせて試行的な開発を行った。
課題2)各医療機関等の実情に応じた、ビッグデータの基盤となるGS1コードを活用した医療情報(特に医薬品)のコードの整備の実現(社会実装等)
第1回「医療DX令和ビジョン2030」厚生労働省推進チーム資料からも医療情報のあり方整備が急速に動いているため、コードの整備については令和5-6年度計画とする予定であるが、課題1で明らかになったGS1コードを活用した安全対策のデータ保存が実装できるように開発を行った。
日本製薬団体連合会、GS1 japan、日本病院薬剤師会と意見交換をWEBで開催した。GS1 japanには諸外国の近況のとりまとめ、経時的情報提供を依頼し、年度内報告とした。日本病院薬剤師会で経時調査しているバーコード利活用については令和4年12月以降のアンケート調査を令和5年度に協力団体として実施することで合意が得られた。
また、GS1コードの活用現状について医療機関3箇所、薬局2箇所を視察すると共に関係者と意見交換をした。その結果現状においては流通面での利用のみではなく医療安全対策に活用し、一定の安全管理(誤調剤防止)に効果を出しているが、利用は単なる照合型チェックに使用されており、どの患者にどのLot番号・有効期限の製品が交付されたかという品質保証に関するデータ保存されていないことが明らかになった。この種の情報を記録できるよう次年度以降課題2とあわせて試行的な開発を行った。
課題2)各医療機関等の実情に応じた、ビッグデータの基盤となるGS1コードを活用した医療情報(特に医薬品)のコードの整備の実現(社会実装等)
第1回「医療DX令和ビジョン2030」厚生労働省推進チーム資料からも医療情報のあり方整備が急速に動いているため、コードの整備については令和5-6年度計画とする予定であるが、課題1で明らかになったGS1コードを活用した安全対策のデータ保存が実装できるように開発を行った。
結論
医療機関等でのGS1コードの活用のありかた及び製品面で検討すべき点を整理することを目的とした、適正使用調査、諸外国を調査、製品について調査を行ったことで、トレーサビリティ確立として特定の医薬品の交付を受けた患者までを特定するための課題、製品でのデータマトリックスの早期導入の検討など流通の視点においても複数課題が明らかになった。
公開日・更新日
公開日
2023-07-28
更新日
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