薬事規制の国際調和における外部ステークホルダーの関与のあり方の研究

文献情報

文献番号
202225033A
報告書区分
総括
研究課題名
薬事規制の国際調和における外部ステークホルダーの関与のあり方の研究
課題番号
21KC2005
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
中村 健一(国立がん研究センター中央病院 国際開発部門)
研究分担者(所属機関)
  • 柴田 大朗(国立研究開発法人 国立がん研究センター 研究支援センター 生物統計部)
  • 後澤 乃扶子(独立行政法人国立病院機構本部総合研究センター治験研究部治験推進室)
  • 沖田 南都子(国立がん研究センター中央病院臨床研究支援部門研究企画推進部)
  • 田代 志門(東北大学 大学院文学研究科)
  • 佐藤 典宏(北海道大学 北海道大学病院臨床研究開発センター)
  • 池田 浩治(東北大学 病院臨床研究推進センター開発推進部門)
  • 布施 望(独立行政法人国立がん研究センター)
  • 花岡 英紀(千葉大学医学部附属病院 臨床試験部)
  • 清水 忍(名古屋大学医学部附属病院 先端医療・臨床研究支援センター)
  • 山本 洋一(大阪大学医学部附属病院)
  • 櫻井 淳(国立大学法人 岡山大学 岡山大学病院 新医療研究開発センター)
  • 戸高 浩司(九州大学病院 ARO次世代医療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
3,847,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医薬品規制調和国際会議(ICH)によって策定されたICH-E6ガイドライン(ICH-GCP)は、医薬品の臨床試験における被験者保護と信頼性の確保のためのグローバルスタンダードとして広く受け入れられている。我が国でも「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」(GCP省令)として採用され、企業治験・医師主導治験の実施のためのルールとして極めて重要なものとなっている。
現在ICH-GCPの大改定がICH-GCPの改定作業に係る作業部会(ICH-E6(R3) WG)によって行われているが、改定にあたっては、医薬品に関わるアカデミアや患者団体など、これまでICH-GCPの策定に関与してこなかった立場の意見を十分に取り入れることとなっている。
日本からのステークホルダーの関与としては、令和2年度に厚生労働科学特別研究事業「ICH-GCP改定における国内ステークホルダーの参画のための研究」班が組織され、同研究班からICH-E6(R3)WGへの意見出しが既に行われている。今後2022年度末までICH-E6(R3)の改訂作業が継続するため、本研究では引き続きICH-E6(R3) WGの要請を踏まえつつ、国内のアカデミアや被験者など様々な立場におけるICH-GCPに対する意見(改善点、要望事項等)を調査し、それらの意見の精査した上で、日本のステークホルダーの意見をICH-GCP改定に反映させることを目指す。
研究方法
ICH-GCPは、principles、Annex 1、Annex 2という3つのパートに分かれている。令和4年度は、Annex 1に関する検討が重点的に実施され、Annex 2に関する検討が開始された。
令和4年度に開催されるAnnex 1に関するstakeholder meetingに際しては、国内ステークホルダーから効率的に意見集約を行うため、規制要件の専門家に加え、各臨床研究中核病院を研究分担者としてアサインし、事前に送られてくるAnnex 1のドラフトを共有した上で、意見を募集し、研究代表者がとりまとめてstakeholder meetingで発言を行った。
結果と考察
【結果】ICH-GCPは、principles、Annex 1、Annex 2という3つのパートに分かれている。令和4年度は、Annex 1に関するが実施された。令和4年5月のICH E6(R3)WGのstakeholder meetingでは、新設されるData Governanceの章に関する重点的な検討が行われた。
また、令和4年7月にはAnnex 1の全体ドラフト案に対するレビュー依頼がICH E6(R3)WGからあったため、研究班に回覧し、とりまとめた上でWGに対して意見具申を行った。具体的には倫理審査委員会のメンバー構成に多様性と流動性を組み入れること、オンライン審査を可能とすることの明確化、pragmatic trialにおけるデータ利用の同意の在り方、小児に対するインフォームドアセントの記載追加、モニタリングに関する記載の修正、データ修正の際の責任の在り方等について意見出しを行った。
令和4年9月にはアムステルダムのEuropean Medicines Agency (EMA)で、stakeholder meetingが行われ、研究代表者が参加して意見を述べるとともに、Annex 2に対する要望を述べた。

【考察】ICH-GCPは医薬品を用いた臨床試験の国際規範であり、今回の改定内容が日本の臨床試験の現場に与える影響は極めて大きい。令和4年度はstakeholder meetingで、日本における臨床現場の実態を伝えるとともに、リモートモニタリングやオンライン治験など、デジタル化が進む臨床試験の実態を踏まえてICH-E6(R3) WGへのインプットを行った。
WGでは企業治験を念頭に議論が進みがちであるため、医師主導治験、pragmatic trial、DCT等を実施する場合に不都合となり得る点について意見を述べると同時に、前述のようにデジタル化が進む現場での新たな課題についてインプットを行った。
結論
日本のアカデミアからの意見を集約し、ICH-E6(R3) WGに対して日本からの提言を行った。ICH-GCP は、医薬品の臨床試験における被験者保護と信頼性の確保のためのグローバルスタンダードであり、日本からの意見を反映させられるよう本研究班の成果の情報発信を行う。

公開日・更新日

公開日
2023-06-08
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2023-06-08
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202225033B
報告書区分
総合
研究課題名
薬事規制の国際調和における外部ステークホルダーの関与のあり方の研究
課題番号
21KC2005
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
中村 健一(国立がん研究センター中央病院 国際開発部門)
研究分担者(所属機関)
  • 柴田 大朗(国立研究開発法人 国立がん研究センター 研究支援センター 生物統計部)
  • 後澤 乃扶子(独立行政法人国立病院機構本部総合研究センター治験研究部治験推進室)
  • 沖田 南都子(国立がん研究センター中央病院臨床研究支援部門研究企画推進部)
  • 田代 志門(東北大学 大学院文学研究科)
  • 佐藤 典宏(北海道大学 北海道大学病院臨床研究開発センター)
  • 池田 浩治(東北大学 病院臨床研究推進センター開発推進部門)
  • 布施 望(独立行政法人国立がん研究センター)
  • 花岡 英紀(千葉大学医学部附属病院 臨床試験部)
  • 清水 忍(名古屋大学医学部附属病院 先端医療・臨床研究支援センター)
  • 山本 洋一(大阪大学医学部附属病院)
  • 櫻井 淳(国立大学法人 岡山大学 岡山大学病院 新医療研究開発センター)
  • 戸高 浩司(九州大学病院 ARO次世代医療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医薬品規制調和国際会議(ICH)によって策定されたICH-E6ガイドライン(ICH-GCP)は、医薬品の臨床試験における被験者保護と信頼性の確保のためのグローバルスタンダードとして広く受け入れられている。我が国でも「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」(GCP省令)として採用され、企業治験・医師主導治験の実施のためのルールとして極めて重要なものとなっている。
現在ICH-GCPの大改定がICH-GCPの改定作業に係る作業部会(ICH-E6(R3) WG)によって行われているが、改定にあたっては、医薬品に関わるアカデミアや患者団体など、これまでICH-GCPの策定に関与してこなかった立場の意見を十分に取り入れることとなっている。
日本からのステークホルダーの関与としては、令和2年度に厚生労働科学特別研究事業「ICH-GCP改定における国内ステークホルダーの参画のための研究」班が組織され、同研究班からICH-E6(R3)WGへの意見出しが既に行われている。令和3年度、4年度もICH-E6(R3)の改訂作業が継続したため、本研究ではICH-E6(R3) WGの要請を踏まえつつ、国内のアカデミアや被験者など様々な立場におけるICH-GCPに対する意見(改善点、要望事項等)を調査し、それらの意見の精査した上で、日本のステークホルダーの意見をICH-GCP改定に反映させることを目的として実施した。
研究方法
ICH-GCPは、principles、Annex 1、Annex 2という3つのパートに分かれている。令和3年度はAnnex 1に関する検討が行われ、令和4年度は、Annex 1およびAnnex 2の一部に関する検討が行われた。
両年度に開催されたstakeholder meetingに際しては、国内ステークホルダーから効率的に意見集約を行うため、規制要件の専門家に加え、各臨床研究中核病院を研究分担者としてアサインし、事前に送られてくるドラフトを共有した上で、意見を募集し、研究代表者がとりまとめてstakeholder meetingで発言を行った。
結果と考察
【結果】
ICH-GCPは、principles、Annex 1、Annex 2という3つのパートに分かれている。令和3年度、4年度は、Annex 1に関する検討が行われた。従来のICH-GCPがデジタル化やpragmatic trialへの応用を念頭に改定され、また、新設されたData Governanceの章についても重点的な検討が行われた。
ICH-GCPの各章に対する逐次検討に加え、令和4年7月にはAnnex 1の全体ドラフト案に対するレビュー依頼がICH E6(R3)WGからあったため、研究班に回覧し、とりまとめ結果をWGに対して提出した。具体的には倫理審査委員会のメンバー構成に多様性と流動性を組み入れること、オンライン審査を可能とすることの明確化、pragmatic trialにおけるデータ利用の同意の在り方、小児に対するインフォームドアセントの記載追加、モニタリングに関する記載の修正、データ修正の際の責任の在り方等について意見出しを行った。
令和4年9月にはアムステルダムのEuropean Medicines Agency (EMA)で、stakeholder meetingが行われ、研究代表者が参加して意見を述べるとともに、Annex 2に対する要望を述べた。
【考察】
ICH-GCPは医薬品を用いた臨床試験の国際規範であり、今回の改定内容が日本の臨床試験の現場に与える影響は極めて大きい。令和3年度、4年度はstakeholder meetingで、日本における臨床現場の実態を伝えるとともに、リモートモニタリングやオンライン治験など、デジタル化が進む臨床試験の実態を踏まえてICH-E6(R3) WGへのインプットを行った。
WGでは企業治験を念頭に議論が進みがちであるため、医師主導治験、pragmatic trial、DCT等を実施する場合に不都合となり得る点について意見を述べると同時に、前述のようにデジタル化が進む現場での新たな課題についてインプットを行った。
結論
日本のアカデミアからの意見を集約し、ICH-E6(R3) WGに対して日本からの提言を行った。ICH-GCP は、医薬品の臨床試験における被験者保護と信頼性の確保のためのグローバルスタンダードであり、日本からの意見を反映させられるよう本研究班の成果の情報発信を行う。

公開日・更新日

公開日
2023-06-08
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2023-06-08
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202225033C

収支報告書

文献番号
202225033Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
5,000,000円
(2)補助金確定額
5,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 0円
人件費・謝金 2,704,790円
旅費 1,091,070円
その他 52,925円
間接経費 1,153,000円
合計 5,001,785円

備考

備考
1785円は自己負担

公開日・更新日

公開日
2023-06-08
更新日
-