がん医療における医療と介護の連携のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
200925011A
報告書区分
総括
研究課題名
がん医療における医療と介護の連携のあり方に関する研究
課題番号
H19-がん臨床・一般-011
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
小松 恒彦(帝京大学 医学部第三内科)
研究分担者(所属機関)
  • 小関 迪(医療法人社団筑波記念会、内科(循環器))
  • 眞鍋 文雄(医療法人社団桐友会まなべクリニック、泌尿器科)
  • 中田 善規(帝京大学医療情報システム研究センター、麻酔科)
  • 堀 光雄(茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンター・臨床検査部、血液内科)
  • 米野 琢哉(独立行政法人国立病院機構水戸医療センター・血液内科)
  • 斉藤 秀之(医療法人筑波記念会筑波記念病院リハビリテーション部)
  • 久保谷 美代子(医療法人筑波記念会つくば訪問看護ステーション)
  • 児玉 有子(東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門)
  • 井上 範江(佐賀大学医学部看護学科)
  • 鞍馬 正江(医療法人筑波記念会筑波記念病院つくば血液センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
12,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
がん医療における医療と介護の連携を推進し、高齢がん患者と家族の生活の質を向上させる事が求められている。そのため現実的な対処として「医療職・介護職の負担増を伴わずに医療と介護の連携を強化しサービスの質を向上させる」ことが第一の目標であると考えられ「地域多施設連携・がん医療介護地域連携電子システム」を構築する事が必要である。
研究方法
1.がん患者の診療所におけるケアの研究 2.医療と介護の連携に関わる情報管理の研究 3.がん患者における地域医療連携の研究 4.がん患者の理学療法に関わる研究 5.がん在宅医療/介護の研究 6.がん患者看護における地域医療の研究 7.がん患者の看護介護連携の研究 8.医療介護連携システムに搭載するロードマップ等に関する研究 9.がん患者における介護予防運動
結果と考察
医療/介護にも安定した共通のシステムを導入する事が現時点では1つの解決策となると考えられる。本来、医療/介護は定まった制度のもと、共通の運用が為されるべきである。しかし実際は、都道府県や市町村による違い、各医療/介護施設による違い、が極めて大きく共通のシステムで運用されているとは言い難い。そこで、地域に共通した医療/介護連携電子システムを導入しネットワーク化することでそれらの労力を大幅に減らす事ができると思われる。今回はがん医療における医療/介護/地域連携電子システムの概要の設計を行った。その結果、患者と家族、および関係する医療職と介護職の負担が軽減し、がん患者がQOLを保って住み慣れた自宅で過ごすことが容易になることに繋がると考えられた。
結論
がん医療に携わる医療職および介護職の負担増加を伴わずに、相互の連携が向上することが必要である。がん医療/介護に携わる職種を明確にし、互いの業務や日程を可視化し異なる職種間でも容易にコミュニケーションをとり得る等の機能を有する、がん医療/介護/地域連携電子システムの開発と導入が必要でありそのシステムに必要な要件を抽出し、それを満たしたシステムの概要の設計を行った。

公開日・更新日

公開日
2010-05-26
更新日
-

文献情報

文献番号
200925011B
報告書区分
総合
研究課題名
がん医療における医療と介護の連携のあり方に関する研究
課題番号
H19-がん臨床・一般-011
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
小松 恒彦(帝京大学 医学部第三内科)
研究分担者(所属機関)
  • 小関 迪(医療法人社団筑波記念会、内科(循環器))
  • 眞鍋 文雄(医療法人社団桐友会まなべクリニック、泌尿器科)
  • 中田 善規(帝京大学医療情報システム研究センター、麻酔科)
  • 堀 光雄(茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンター・臨床検査部、血液内科)
  • 米野 琢哉(独立行政法人国立病院機構水戸医療センター・血液内科)
  • 斉藤 秀之(医療法人筑波記念会筑波記念病院リハビリテーション部)
  • 久保谷 美代子(医療法人筑波記念会つくば訪問看護ステーション)
  • 児玉 有子(東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門)
  • 井上 範江(佐賀大学医学部看護学科)
  • 鞍馬 正江(医療法人筑波記念会筑波記念病院つくば血液センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
がん医療における医療と介護の連携を推進し、高齢がん患者と家族の生活の質を向上させる事が求められている。本研究では、手術、放射線治療、強度の高い抗がん剤治療など患者の集約化が必要な医療と、日常生活の中で行われる外来化学療法と内服薬による化学療法、個々の高齢がん患者に応じた生活設計に基づく介護プランを提示し円滑に運用することにより、適切な医療・介護の提供と不安や苦痛の少ない生活を過ごす事を可能とし、高齢者ががんに罹患しても安寧な日々を送ることができる社会を目指す。
研究方法
1)クリティカルパス等の作成
2)海外の高齢者がん医療の調査
3)訪問看護ステーションを介した地域における高齢者がん医療の実態調査
4)介護老人施設への聞き取り調査
5)がん患者における医療施設間の動態と地域医師の意識調査
6)患者参画型医療構築への試み
7)高齢者に負担の少ないがん医療の実践および地域密着型がん医療への試み
8)高齢がん患者における理学療法確立への試み:がんリハビリテーションにおける客観的指標の確立と、高齢がん患者に
  おける「Wii」を用いたリハビリテーション法確立
9)日本国内における地域に密着した介護予防運動活動への取り組みへの試み
10)医療・介護施設経営者としての医療経営の研究
11)がん医療・介護に関わる元気高齢者または特定高齢者に対する介護予防運動の取り組み
12)がん医療・介護のロードマップとクリティカルパスに関する試案
  
結果と考察
研究第1年目である平成19年度においては、がん医療・介護に関わる幅広い領域に関する調査・研究に着手した.
研究2年目である平成20年度は、主に高齢がん患者や家族が真に必要としている、または望んでいる医療と介護を提供するために必要な社会的背景や基盤、患者ニーズの網羅的収集を行い、それらの結果を解析し、最終年度に提示する「がんの医療・介護におけるロードマップ&クリティカルパス」に示されるべき内容と体裁の検討に費やされた。
研究3年目である平成21年度は本来、医療/介護は定まった制度のもと、共通の運用が為されるべきであるが今回はそこまで踏み込まず、実現可能性を考えて、がん医療における医療/介護/地域連携電子システムの設計と概要の製作を行った。
結論
がん医療における医療と介護の連携を高めるには、多面的なアプローチが必要である。それら多様な研究結果を踏まえる事により、真に有用な医療・介護連携パス、病院・地域連携パスが作成されることにより高齢がん医療・介護向上に寄与し得る。 

公開日・更新日

公開日
2010-05-31
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200925011C

成果

専門的・学術的観点からの成果
がん医療における、医療/介護/地域連携における問題点の抽出と、それらの解決法の一案が示された。共通システムを通じて、がん医療に携わる全ての医療職/介護職が負担増を伴うことなくよりよい医療と介護の連携が可能となると考えられる。
臨床的観点からの成果
該当無し。
ガイドライン等の開発
該当無し。
その他行政的観点からの成果
地域を基盤とし、がん患者が住み慣れた自宅・地域でより安心して過ごすための医療/介護連携システムを構築するための、具体的な電子システムの概要が提示された。
その他のインパクト
小松班ホームページ (http://cpath.umin.jp/index.html) 、がん医療におけるクリティカルパス集、クリーンルームでの生活のしおり(冊子)、化学療法を受ける患者様へ(冊子)介護予防運動啓発パンフレット、からだを積極的に動かしましょう(DVD、冊子)。秋田県内の数カ所における市民公開講座「がんってなに?」の開催。

発表件数

原著論文(和文)
2件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
4件
学会発表(国内学会)
7件
学会発表(国際学会等)
1件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
9件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
小松恒彦
DPC対応クリティカルパスとITを用いたがん医療におけるチーム医療と患者教育の実践
メディカル・クオール  (2008)
原著論文2
小松恒彦ら
血液がん化学療法における  クリティカルパスを用いた医業収益シミュ  レーション
医療マネジメント学会雑誌  (2009)

公開日・更新日

公開日
2015-10-01
更新日
2018-05-22