文献情報
文献番号
202225017A
報告書区分
総括
研究課題名
プログラムの医療機器該当性に関するガイドライン改定に向けた研究
課題番号
22KC1006
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
鈴木 孝司(公益財団法人医療機器センター 認証事業部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
2,308,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
プログラムが医薬品医療機器等法に定める医療機器の定義に該当するか否かは、薬食監麻発1114第5号通知「プログラムの医療機器への該当性に関する基本的な考え方について」(平成26年11月14日)において基本的な判断の考え方が示された後、様々な製品の研究開発の進展や令和2年度規制改革推進会議での議論を経て、薬生機審発0331第1号薬生監麻発0331第15号通知「プログラムの医療機器該当性に関するガイドライン」(令和3年3月31日、以下「ガイドライン」)が策定され、さらなる明確化が行われた。また、令和3年度厚生労働科学特別研究事業「国際整合性を踏まえたプログラムの医療機器該当性に係る論点抽出のための研究(21CA2022)」では、医療機器該当性について医療機器製造販売業者が判断に迷うであろう点を抽出し、一定の範囲で整理した。
本研究においては、令和3年度研究班において抽出された論点のうち、より詳細な議論が必要な点について議論し、その結果をガイドライン改定に繋げることを目的とする。
具体的には、アルゴリズムの医学薬学上の公知性や、公知情報を多段階に組み合わせた場合の情報の信頼性、提示する情報の時間軸(現時点での診療に関する情報か、未来に予想される疾患名・疾患リスクの提示か)を中心に議論する。それらの論点については、諸外国でも現時点で明確な整理は行われておらず、諸外国で発出される最新のガイダンスや承認される製品等を調査し、それらを踏まえた議論を行う。
本研究においては、令和3年度研究班において抽出された論点のうち、より詳細な議論が必要な点について議論し、その結果をガイドライン改定に繋げることを目的とする。
具体的には、アルゴリズムの医学薬学上の公知性や、公知情報を多段階に組み合わせた場合の情報の信頼性、提示する情報の時間軸(現時点での診療に関する情報か、未来に予想される疾患名・疾患リスクの提示か)を中心に議論する。それらの論点については、諸外国でも現時点で明確な整理は行われておらず、諸外国で発出される最新のガイダンスや承認される製品等を調査し、それらを踏まえた議論を行う。
研究方法
引き続き議論が必要な点として、アルゴリズムの内容(「医学薬学上公知」な情報の具体的事例、公知情報を多段階に組み合わせた情報の信頼性、等)、提示する情報の時間軸(どこまでが現時点での疾病の診療に関する情報か、どこからが将来的に予測される疾病名・疾病リスクか)、等の論点は抽出されたものの、結論は出ていない状況である。
そこで研究全体として、
① 諸外国(EU、米、中、韓、日、等)のプログラムの規制の調査と比較検討 (令和3年度研究班以後の最新情報のアップデート)
② 令和3年度研究班から継続検討及び追加検討すべき事項)に関する個別議論
③ 国内外のプログラム事例の収集と詳細調査を進め、標榜内容に応じた該当・非該当の整理についてプログラム事例の調査と該当性判断の整理を継続
④ ガイドライン改定に向けた追記修正事項の草案作成と、業界団体や想定される使用者層へのヒアリング
を行った。
そこで研究全体として、
① 諸外国(EU、米、中、韓、日、等)のプログラムの規制の調査と比較検討 (令和3年度研究班以後の最新情報のアップデート)
② 令和3年度研究班から継続検討及び追加検討すべき事項)に関する個別議論
③ 国内外のプログラム事例の収集と詳細調査を進め、標榜内容に応じた該当・非該当の整理についてプログラム事例の調査と該当性判断の整理を継続
④ ガイドライン改定に向けた追記修正事項の草案作成と、業界団体や想定される使用者層へのヒアリング
を行った。
結果と考察
①では米国FDAのCDSガイダンスの調査をした結果、CDSが非該当となる4つの条件は、医療機器により得られた情報を処理・解析するものではなく、また医療従事者に代わって判断などをするのではなく、あくまで情報提供に留めるものであることを求めていた。この点は現行のガイドライン・パブコメ案において非該当となる情報提供のみを行うものと同じ位置づけであり、国際整合が取れていることが確認できた。今後、医師の働き方改革などに資する可能性のある重要な取組分野であると考えられた。
②では、医学薬学栄養学上公知であるという概念の整理、公知情報を組み合わせた場合の公知性、現在あるいは将来に関わらず、個々人の診断に関する情報を提示するものは該当であり、統計学的な参考情報を示すにすぎないものは非該当であるという考え方の整理を行った。医療機器プログラム事例データベースに掲載されている相談事例を見ても、これらに関連するものは多いと考えられ、一定の考え方を示すことができたと思われる。
③では、米国、ドイツ、日本における製品の事例を収集し、現行ガイドラインおよびパブコメ案の観点で見たときにどのように整理が可能か検討を行った。調査及び検討の結果、事例についても現行ガイドラインおよびパブコメ案において整理が可能であり、国際整合が取れている状況にあると考えられた。
④は当初令和5年度の実施項目としていたが部分的に着手することができた。研究班内での議論を通じて、該当性に関する考え方や用語を厳密に定義していくことを進めたとしても、該当と非該当を完全に峻別するルールを書き出すことは困難であり、それを追求するよりはむしろ、法規制の考え方の根底にある思想などをわかりやすく事業者に示すことのほうが、理解が深まるのではないかという感触を得た。
②では、医学薬学栄養学上公知であるという概念の整理、公知情報を組み合わせた場合の公知性、現在あるいは将来に関わらず、個々人の診断に関する情報を提示するものは該当であり、統計学的な参考情報を示すにすぎないものは非該当であるという考え方の整理を行った。医療機器プログラム事例データベースに掲載されている相談事例を見ても、これらに関連するものは多いと考えられ、一定の考え方を示すことができたと思われる。
③では、米国、ドイツ、日本における製品の事例を収集し、現行ガイドラインおよびパブコメ案の観点で見たときにどのように整理が可能か検討を行った。調査及び検討の結果、事例についても現行ガイドラインおよびパブコメ案において整理が可能であり、国際整合が取れている状況にあると考えられた。
④は当初令和5年度の実施項目としていたが部分的に着手することができた。研究班内での議論を通じて、該当性に関する考え方や用語を厳密に定義していくことを進めたとしても、該当と非該当を完全に峻別するルールを書き出すことは困難であり、それを追求するよりはむしろ、法規制の考え方の根底にある思想などをわかりやすく事業者に示すことのほうが、理解が深まるのではないかという感触を得た。
結論
本邦の現行のガイドラインおよびパブコメ案は、諸外国との国際整合が取れた内容であることが示され、また明確に整理されていなかった、医学薬学栄養学上の公知などいくつかの考え方についての方向性を示すことができた。
令和5年度には、医療機器の法規制に慣れない新規参入事業者などを想定し、ガイドラインの解説や、相談様式への補足情報などを充実させる方向性で研究を進める必要性があることも明らかになった。
令和5年度には、医療機器の法規制に慣れない新規参入事業者などを想定し、ガイドラインの解説や、相談様式への補足情報などを充実させる方向性で研究を進める必要性があることも明らかになった。
公開日・更新日
公開日
2023-06-14
更新日
-