がん医療の均てん化に資するがん診療連携拠点病院の機能強化に関する研究

文献情報

文献番号
200925003A
報告書区分
総括
研究課題名
がん医療の均てん化に資するがん診療連携拠点病院の機能強化に関する研究
課題番号
H19-がん臨床・一般-003
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
石倉 聡(国立がんセンター がん対策情報センター)
研究分担者(所属機関)
  • 根本 建二(山形大学 医学部)
  • 鹿間 直人(聖路加国際病院)
  • 内田 伸恵(島根大学 医学部)
  • 中山 優子(神奈川県立がんセンター)
  • 辻野 佳世子(兵庫県立がんセンター)
  • 幡野 和男(千葉県がんセンター)
  • 石川 正純(北海道大学大学院)
  • 西村 哲夫(静岡県立静岡がんセンター)
  • 戸板 孝文(琉球大学 医学部)
  • 加藤 健(国立がんセンター 中央病院)
  • 田原 信(国立がんセンター 東病院)
  • 福村 明史(独立行政法人放射線医学総合研究所)
  • 峯村 俊行(国立がんセンター がん対策情報センター)
  • 三原 華子(国立がんセンター がん対策情報センター)
  • 佐貫 直子(国立がんセンター がん対策情報センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
13,875,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
がん患者がその居住地域によらず等しく適切ながん医療を受けられるよう、施設間差の目立つ診療分野を中心に、拠点病院の診療機能を支援・強化し、がん医療の均てん化を推進する医療体制を整備するための方法を検討し確立すること。
研究方法
本年度は、がん対策基本法及び同基本計画の重点課題でもある放射線治療の推進、均てん化に向けてさらに必要となる方策として、
(1) 放射線治療の推進に必要な拠点病院の機能について、
(2) 地域連携ネットワークの推進による拠点病院の機能強化ならびに人材育成について、
(3) 放射線治療モダリティ(強度変調放射線治療、小線源治療、化学放射線療法)別の拠点病院支援プログラムについて、
(4) 放射線治療の品質管理・機能の第三者評価及び情報公開について
をとりあげて検討を行った。
結果と考察
拠点病院の機能強化ならびに人材育成に関して、効率的かつ実効性のある対策の立案、実施が可能になった。今後の課題として、(1)については、1)専門スタッフ、放射線治療機器等リソース不足の解消、2)高度放射線治療のガイドライン、研修機会の確保、3)集学的治療における他診療科との連携体制の確立、4)不採算となっている小線源治療の維持、5)地域連携システムの構築、6)患者数に応じた適正治療装置数、スタッフ数の確保、7)高度放射線治療のセンター化、8)実施すべき放射線治療の規定(都道府県/地域拠点別)、9)専従・専任放射線治療医の資格要件の明示、10)監査を含めて、質の評価の実施等について検討を進めていくことが求められており、(2)については、より多くの地域においてネットワークの確立を図ることが必要である。また、(3)については、都道府県拠点病院で開催する出張研修会をより多くの地域で実施すること、(4)については、安全管理体制の充実を図るための有効なツールと、国際標準に準じた第三者評価プログラムの開発と提供が必要である。
結論
放射線治療の質の向上と推進、がん医療の均てん化を図るため、引き続き(1)放射線治療の推進に必要な拠点病院の機能強化に必要な対策を提言すること、(2)地域連携ネットワークの推進による拠点病院の機能強化ならびに人材育成を図ること、(3)放射線治療モダリティ別の拠点病院支援プログラムにより治療技術の標準化を図ること、(4)放射線治療の品質管理・第三者評価により国際標準の品質管理を確立することが必要である。

公開日・更新日

公開日
2010-05-24
更新日
-

文献情報

文献番号
200925003B
報告書区分
総合
研究課題名
がん医療の均てん化に資するがん診療連携拠点病院の機能強化に関する研究
課題番号
H19-がん臨床・一般-003
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
石倉 聡(国立がんセンター がん対策情報センター)
研究分担者(所属機関)
  • 加藤 抱一(国立がんセンター がん対策情報センター)
  • 女屋 博昭(国立がんセンター がん対策情報センター)
  • 高橋 正秀(国立がんセンター 中央病院)
  • 小野 裕之(静岡県立静岡がんセンター)
  • 山城 勝重(北海道がんセンター)
  • 蔦 幸治(国立がんセンター 中央病院)
  • 池田 恢(国立がんセンター 中央病院)
  • 荻野 尚(国立がんセンター 東病院)
  • 島田 安博(国立がんセンター 中央病院)
  • 山本 信之(静岡県立静岡がんセンター)
  • 清水 千佳子(国立がんセンター 中央病院)
  • 福田 治彦(国立がんセンター がん対策情報センター)
  • 門田 和気(国立がんセンター 中央病院)
  • 佐伯 俊成(広島大学大学院)
  • 大松 重宏(国立がんセンター がん対策情報センター)
  • 三原 華子(国立がんセンター がん対策情報センター)
  • 松野 吉宏(北海道大学病院)
  • 加藤 健(国立がんセンター 中央病院)
  • 鈴木 健司(順天堂大学 医学部)
  • 山本 聖一郎(国立がんセンター 中央病院)
  • 辻野 佳世子(兵庫県立がんセンター)
  • 中山 優子(神奈川県立がんセンター)
  • 根本 建二(山形大学 医学部)
  • 内田 伸恵(島根大学 医学部)
  • 鹿間 直人(聖路加国際病院)
  • 幡野 和男(千葉県がんセンター)
  • 石川 正純(北海道大学大学院)
  • 西村 哲夫(静岡県立静岡がんセンター)
  • 戸板 孝文(琉球大学 医学部)
  • 田原 信(国立がんセンター 東病院)
  • 福村 明史(独立行政法人放射線医学総合研究所)
  • 峯村 俊行(国立がんセンター がん対策情報センター)
  • 佐貫 直子(国立がんセンター がん対策情報センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
がん患者がその居住地域によらず等しく適切ながん医療を受けられるよう、施設間差の目立つ診療分野を中心に、拠点病院の診療機能を支援・強化し、がん医療の均てん化を推進する医療体制を整備するための方法を検討し確立すること。
研究方法
平成19年度は、標準化の必要性が高い診療分野として病理診断、放射線画像診断、Interventional Radiology (IVR)、消化管内視鏡診断・治療、放射線治療、抗がん剤治療、緩和ケア、臨床試験、相談支援センター機能を取り上げ、拠点病院の整備指針を米国外科学会の「Commission on Cancer(CoC)」のがんプログラム認定規準と対比し、整備指針に対する改善案を検討し提言した。平成20年度は平成20年度に改訂された新指針についての検討を行った。平成21年度は放射線治療の推進、均てん化にさらに必要となる方策の検討を行った。
結果と考察
拠点病院の整備指針の改善案を提言し、平成20年度の改定に反映することができた。今後、拠点病院の現況調査の集計結果等を踏まえて更なる改善を検討していく必要がある。また放射線治療に関する機能強化並びに人材育成に関して、効率的かつ実効性のある対策を立案した。今後、1)専門スタッフ、放射線治療機器等リソース不足の解消、2)高度放射線治療のガイドライン、研修機会の確保、3)集学的治療における他診療科との連携体制の確立、4)不採算となっている小線源治療の維持、5)地域連携システムの構築、6)患者数に応じた適正治療装置数、スタッフ数の確保、7)高度放射線治療のセンター化、8)実施すべき放射線治療の規定(都道府県/地域拠点別)、9)専従・専任放射線治療医の資格要件の明示、10)監査を含めて質の評価の実施、11)人材育成ネットワークの確立、12)都道府県拠点病院で開催する出張研修会の実施、13)国際標準に準じた第三者評価プログラムの開発と提供、等が課題である。
結論
平成19年度は拠点病院整備指針への改善案が新指針へと反映された。平成20年度および今後の検討が生かされ、さらなる改善が必要である。放射線治療では引き続き(1)放射線治療の推進に必要な拠点病院の機能強化に必要な対策の提言、(2)地域連携ネットワークの推進による拠点病院の機能強化ならびに人材育成、(3)放射線治療モダリティ別の拠点病院支援プログラムによる治療技術の標準化、(4)放射線治療の品質管理・第三者評価による国際標準の品質管理の確立が必要である。

公開日・更新日

公開日
2010-05-24
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200925003C

成果

専門的・学術的観点からの成果
がん医療の均てん化に必要ながん診療連携拠点病院の機能強化を図るために、病理診断、放射線画像診断、Interventional Radiology (IVR)、消化管内視鏡診断・治療、放射線治療、抗がん剤治療、外科手術、緩和ケア、臨床試験、相談支援センター機能など、専門分野毎に検討を行い、拠点病院の整備指針の改善に必要な提言を行った。
臨床的観点からの成果
がん診療連携拠点病院の機能強化ならびに人材育成によるがん医療の均てん化により、標準治療の普及、質の向上が図られ、治療成績の向上につながることが期待される。
ガイドライン等の開発
本研究期間中のガイドラインの開発はない。
その他行政的観点からの成果
がん対策基本計画に従ってがん医療の均てん化、特に、がん患者がその居住する地域にかかわらず等しく適切な専門的ながん医療を受けることができるような医療体制の整備を図るため、拠点病院の整備指針の改善項目をがん対策推進室に提言した。また欧米先進国に比し遅れている放射線治療の推進に必要な課題についての検討を開始し、平成22年度以降も研究が継続されることとなった。
その他のインパクト
平成21年度に実施した放射線治療の推進に必要な拠点病院の機能に係る検討において、子宮頸がんにおいては標準治療である腔内照射の地域間格差が著明であること、専門医不足ならびに診療報酬の低さに伴う不採算性から今後更に格差が拡大する懸念があり対策が急務であることを報告したが、このことがH22年3月4日朝日新聞朝刊で報じられた。

発表件数

原著論文(和文)
1件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
31件
その他論文(英文等)
8件
学会発表(国内学会)
30件
学会発表(国際学会等)
7件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
1件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
池田恢、荻野尚、他
放射線治療からみたがん診療連携拠点病院-JASTROデータベースによる分析-
日本放射線腫瘍学会誌 , 20 (1) , 13-22  (2008)

公開日・更新日

公開日
2015-10-01
更新日
-