文献情報
文献番号
200925001A
報告書区分
総括
研究課題名
がん医療の均てん化に資するがん医療に携わる専門的な知識および技能を有する医療従事者の育成に関する研究
課題番号
H19-がん臨床・一般-001
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
片井 均(国立がんセンター中央病院 総合病棟部)
研究分担者(所属機関)
- 森 文子(国立がんセンター がん対策情報センター)
- 宮下 徹也(国立がんセンター中央病院 麻酔科)
- 大江 裕一郎(国立がんセンター東病院 腫瘍内科)
- 勝俣 範之(国立がんセンター中央病院 臨床試験・治験開発部薬物療法室)
- 篠崎 勝則(県立広島病院 臨床腫瘍科)
- 大山 優(亀田総合病院 腫瘍内科)
- 石黒 洋(京都大学附属病院 探索医療センター検証部)
- 服部 政治(財団法人癌研究所附属有明病院 麻酔科)
- 細川 豊史(京都府立医科大学 麻酔科)
- 下山 恵美(帝京大学ちば総合医療センター 麻酔科)
- 有賀 悦子(帝京大学医学部帝京がんセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
21,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
がん医療の均てん化で、薬物、放射線、緩和療法の医療従事者の育成は急務である。育成プログラムを作成し、コメディカル・スタッフを含むがん診療専門施設での研修を行う。プログラムの効果的かつ効率的な実施方法もあわせて研究する。内容は、関連学会の教育ガイドラインに基づいたものを目指す。放射線療法に関しては、治療品質管理プログラムの整備による治療そのものの均てん化も行う。看護教育においては人材育成E-learningシステムを構築する。育成する指導者を教育するため、米国病院との指導者相互派遣プログラムを構築する。
研究方法
がん専門医育成プログラムを作成し、コメディカル・スタッフを含むがん診療専門施設での短期集中グループ研修システムの構築を行う。さらに、がん看護水準の均てん化を目指した人材育成E-learningプログラムを作成する。がん専門医としてのプロフェッシヨナリズムを獲得するために、米国メイヨー・クリニックとの相互派遣プログラムを構築する。
結果と考察
がん診療連携拠点病院に勤務する、多職種におけるがん研修を行なった。日本臨床腫瘍学会と共催で、教育セミナーを開催し内容を音声付スライドでインターネット上に公開した。腫瘍内科医教育に関するガイドラインを作成し、 日本臨床腫瘍学会専門医会と共同で、「腫瘍内科教育プログラム」の作成にあたっている。緩和部門では「がん診療に携わる若手医師」を対象とした講習会を継続した。がん看護における人材育成の教育モジュールの作成と、がん対策情報センターを中心とした研修・教育実施施設間の連携・支援体制試案の作成に取り組んだ。がん化学療法看護に関する講義を学習用DVD化し、都道府県がん診療連携拠点病院を中心に配布し、内容および活用方法についての意見調査を行なった。がん治療の専門医およびコメディカル・スタッフの育成制度が、全ての分野で開始された。今後の課題は、評価制度の開発である。
結論
がん専門医療従事者の育成制度が確立され、医療従事者を数多く輩出できれば、わが国におけるがん治療の均てん化、ひいては治療成績の向上にも直結できるものと期待される。また、がんに対する薬物療法、放射線治療および終末期緩和医療などを、それぞれを専門とする医師が担当すれば、治療成績の向上およびがん患者のQOLの向上をもたらすのみならず、不適切な医療による医療費の浪費等も減少するものと期待される。
公開日・更新日
公開日
2010-05-24
更新日
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