薬剤師の職能発揮のための薬学的知見に基づく継続的な指導等の方策についての調査研究

文献情報

文献番号
202225004A
報告書区分
総括
研究課題名
薬剤師の職能発揮のための薬学的知見に基づく継続的な指導等の方策についての調査研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
20KC1005
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
益山 光一(東京薬科大学 薬学部)
研究分担者(所属機関)
  • 北垣 邦彦(東京薬科大学 薬学部 社会薬学研究室)
  • 陳 惠一(東京薬科大学薬学部)
  • 山田 哲也(東京薬科大学 薬学部社会薬学教育センター)
  • 川口 崇(東京薬科大学 医療実務薬学教室)
  • 藤宮 龍祥(東京薬科大学 薬学部 医療実務薬学教室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
4,815,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医薬分業の進展、調剤機器の充実、患者の疾患状況や医療環境等の社会的な変化が著しい中で、令和元年12月に公布された薬機法等改正法においても、薬局や薬剤師の役割等についても大きな変革を求めている。本研究では、薬剤師が調剤時のみならず、患者の薬剤の服用期間を通じて実施している服薬状況の把握や薬学的知見に基づく指導など質の高い薬剤師業務について明確化を行うことを目的として研究を実施した。
研究方法
服薬フォローアップの業務を効果的に実施するため、公益社団法人日本薬剤師会では、2020年7月に手引きの公表を行っている。
本年度の研究では、この手引きを基にして、新たなフォローアップ業務の定着を図ることとし、そのような取組みに協調して、今後、患者本位の質の高いフォローアップ業務が、個々の薬剤師の資質に左右されず全国のどの薬局でも等しく実施されるために、実際に実施された好事例を収集・分析し、その好事例となったフォローアップを参考に、実際に実施するための手法等について具体化することに取り組んだ。
併せて、薬局等で実施されている継続的フォローアップの事例収集・分析を実施するとともに、現在の薬局薬剤師業務の実態を把握するため、かかりつけ薬剤師・薬局業務に関するアンケート調査を実施した、
分担研究においては、フォローアップの効果を把握するため小児の坐薬の使用に関する保護者へのアンケート調査、薬薬連携に関するインターネット等調査、さらには、今後の質の高いフォローアップ業務の実現に向け、英国ガイドラインの翻訳や海外調査等を実施した。
 なお、本調査研究は、本研究班の親委員会(日本薬剤師会、日本保険薬局協会、日本チェーンドラッグストア協会、日本病院薬剤師会、帝京平成大学、認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML、東京薬科大学から構成)で検討・確認の上で実施した。
結果と考察
令和4年度は314件の新規事例を収集し分析を行った。また、令和2年度~4年度までに収集したフォローアップの具体的好事例をもとに、日本薬剤師会の策定した「患者フォローアップ手引き」の手法の見直し案を作成した。また、かかりつけ薬剤師・薬局の調査では、2728件の薬局からの回答により、かかりつけ薬剤師のいわゆるKPIについての調査結果を得られた。また、分担研究において、英国NICEのアドヒアランスのガイドラインの和訳を作成し、日本向け留意事項の作成等を行い、今後の我が国の薬剤師がより良いフォローアップの具体的な実施に向けた研究成果が得られたと考えられる。
結論
本研究における課題である「薬学的知見に基づく継続的な指導等の方策」として、令和2年度~4年度まで本研究で収集した具体事例をもとに、日本薬剤師会の策定した「患者フォローアップ手引き」の見直し案を作成するとともに、今後の好事例等収集するためのフォーマットを作成した。
また、分担研究により、アカデミアとの研究の実施方法や海外での参考事例についても取りまとめを行った。
今後、本研究成果を日本薬剤師会等において活用され、今後、薬剤師による質の高い継続フォローアップが実施されることを期待する。

公開日・更新日

公開日
2023-07-19
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2023-07-19
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202225004B
報告書区分
総合
研究課題名
薬剤師の職能発揮のための薬学的知見に基づく継続的な指導等の方策についての調査研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
20KC1005
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
益山 光一(東京薬科大学 薬学部)
研究分担者(所属機関)
  • 北垣 邦彦(東京薬科大学 薬学部 社会薬学研究室)
  • 陳 惠一(東京薬科大学 薬学部 一般用医薬品学教室)
  • 山田 哲也(東京薬科大学 薬学部社会薬学教育センター)
  • 川口 崇(東京薬科大学 医療実務薬学教室)
  • 藤宮 龍祥(東京薬科大学 薬学部 医療実務薬学教室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、令和元年薬機法改正を踏まえ、薬剤師が調剤時のみならず、患者の薬剤の服 用期間を通じて実施している服薬状況の把握や薬学的知見に基づく指導など質の高い薬剤 師業務について明確化、さらには海外の情報等も踏まえた質の高い薬学的管理内容及びその 指標についてまとめることを目的とした。
研究方法
総括研究として、公益社団法人日本薬剤師会が 2020年7月に発表した「薬剤使用期間中の患者フォローアップの手引き(第 1.0 版)」におけるフォローアップの定義に当てはまる事例について整理するとともに、本手引きをもとに薬局薬剤師がフォローアップ業務を実施する際、患者本位の質の高いフォローアップ業務の実施に向けた研究班案の作成を行った。  
また、全国でもかかりつけ薬剤師・薬局業務に関する実態調査を実施し、薬剤師・薬局の現状について把握、分析を行った。さらに、分担研究においては、フォローアップ業務の有用性の測定等に関する調査研究の着手について検討を行い、今回、小児の坐薬使用後のフォローアップの効果測定の調査を実施した。
また、薬剤師が外来による抗がん剤療法を実施している患者に対してフォローアップ業務を実施する際に必要な情報に関して、病院から薬局に 対する情報の公開・提供の実態並びに薬局におけるそれらの情報の入手・活用の実態について調査を行った。加えて、諸外国での取組を参考にして、本邦の薬剤師による患者フォローアップ業務の実施に伴う成果を国際的な取組みとも整合させ、その成果発表を国内のみならず海外にも発信できるようにすることも視野に入れ、更なる質の高い薬学管理や評価指標についても調査を実施した。
 なお、本調査研究は、本研究班の親委員会(日本薬剤師会、日本保険薬局協会、日本チェーンドラッグストア協会、日本病院薬剤師会、帝京平成大学、認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML、東京薬科大学から構成)で検討・確認の上で実施した。
結果と考察
フォローアップ事例収集については、(1)先行研究・事例調査 フォローアップの定義に当てはまる事例について整理を行った。また、現在実施されているフォローアップの好事例の具体例収集のためのフォーマットを作成し、それにより、令和2年度11件、令和3年度30件、令和4年度314件の計355事例を収集した。この具体的好事例をもとに、フォローアップを実施するための具体的な実践方法や取組方法、評価方法等について具体化し、実際の事例も盛り込みながら、服薬フォローアップの研究班案の作成を行った。 
かかりつけ薬剤師・薬局の調査では、アンケート案の立案、プレ調査を実施し、最終年度に、2728件の薬局からの回答を得ることができ、かかりつけ薬剤師のいわゆるKPIについての調査結果を得られた。、平成29年度の類似した厚生労働省の調査結果と比較した結果、全般的な調査項目で大きく改善されている傾向にあることがわかった。
分担研究において、英国NICEのアドヒアランスのガイドランの和訳を作成し、日本向け留意事項の作成等を行い、今後の我が国の薬剤師がより良いフォローアップの具体的な実施に向けた研究成果が得られたと考えられる。
結論
本研究における課題である「薬学的知見に基づく継続的な指導等の方策」として、令和2年度~4年度まで本研究で収集した具体事例をもとに、日本薬剤師会の策定した「患者フォローアップ手引き」を踏まえ、薬剤使用期間中の患者フォローアップ(研究班版)を作成するとともに、今後の好事例等収集するためのフォーマットを作成した。
また、分担研究により、アカデミアとの研究の実施方法や海外での参考事例についても取りまとめを行った。
今後、本研究成果を薬局薬剤師において活用され、今後、薬剤師による質の高い継続フォローアップが実施につながることを期待する。

公開日・更新日

公開日
2023-07-19
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202225004C

収支報告書

文献番号
202225004Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
5,815,000円
(2)補助金確定額
5,815,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 21,048円
人件費・謝金 1,979,910円
旅費 177,900円
その他 2,637,760円
間接経費 1,000,000円
合計 5,816,618円

備考

備考
5818618円-5815000円=1618円 については、自己資金を計上した。

公開日・更新日

公開日
2023-07-19
更新日
-