食品含有・残留化学物質のがん悪性転化毒性評価法の開発

文献情報

文献番号
202224055A
報告書区分
総括
研究課題名
食品含有・残留化学物質のがん悪性転化毒性評価法の開発
課題番号
22KA3006
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
芳賀 優弥(大阪大学 大学院薬学研究科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
2,022,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
一般に多段階発がん説は、①Initiation→②Promotion→③Progression→④Malignant change(悪性転化)という過程を辿る。食品・農薬に含まれる「食品含有・残留化学物質」の安全性評価に際しては、①~③を中心として評価されている一方で、抗がん剤耐性・転移能などがんによる死亡原因の殆どを占める④悪性転化に与える影響は、十分に理解されておらず、評価法確立は遅々として進んでいない。そこで本研究では、食品含有・残留化学物質によるがん悪性転化機序の解明に基づく、「がん悪性転化毒性評価法」の確立を目指す。
研究方法
本年度は、モデル食品含有・残留化学物質としてビスフェノールAとベンゾピレンを選択し、がん悪性転化に与える影響評価と、次年度に先駆けてがん悪性転化を反映するレポーター細胞の樹立に取り組んだ。
結果と考察
乳がん細胞に各化学物質を曝露させた際のがん悪性転化関連分子の発現を評価すると共に、がん悪性転化の表現系についてその影響評価を実施した。その結果、上皮間葉転換(EMT)関連分子の変動や、薬剤治療における標的分子の変動が認められた。また、転移に働くEMTの主要なマーカーであるVimentinに焦点を当て、レポーター細胞の樹立を開始した。その結果、HEK293T細胞を用いたレポーター細胞の樹立に成功し、乳がん細胞でのレポーター細胞樹立に向けた準備を進めた。
結論
本研究は、食品含有・残留化学物質によるがん悪性転化機序の解明に基づく、「がん悪性転化毒性評価法」の確立を目指している。本年度得られた知見は、低濃度かつ短期間の曝露によっても分子変動や表現系に微細な変化をもたらすことを示唆するものである。一方、細胞株の種類や化学物質の種類などを増やした検討が必須であり、今回の結果だけでは議論の余地がある。今後、さらに網羅的な分子変動や化学物質を検討することで、食品含有化学物質のリスク管理に資する知⾒の提供を目指す。

公開日・更新日

公開日
2024-01-19
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2024-01-19
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202224055Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
2,628,000円
(2)補助金確定額
2,628,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,728,816円
人件費・謝金 0円
旅費 0円
その他 293,184円
間接経費 606,000円
合計 2,628,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2023-11-10
更新日
-