経口曝露後のナノリスク解析に資するナノマテリアルの内分泌代謝への影響解析

文献情報

文献番号
202224046A
報告書区分
総括
研究課題名
経口曝露後のナノリスク解析に資するナノマテリアルの内分泌代謝への影響解析
課題番号
21KA3005
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
東阪 和馬(大阪大学 高等共創研究院)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
1,947,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、食品用途に使用される種々物性のナノマテリアルについて、その経口曝露後の動態情報を考慮しつつ、(1)内分泌代謝機能に対するハザード解析と共に、(2)エネルギー代謝制御に着目した、生体応答メカニズムの解明を試みる。そのうえで、(3)ナノマテリアルの物性-動態-ハザードの連関解明・閾値追究を図り、統合的に評価することで、ナノマテリアルのリスク解析に資する安全性情報の集積を目指す。
研究方法
2022年度研究では、既に数多くの食品等に実用化されている非晶質ナノシリカを用い、粒子径の違いを考慮しつつ、非晶質ナノシリカ曝露による内分泌代謝機能におよぼす影響を評価した。
結果と考察
雌性6週齢のICRマウスに粒子径30 nmの非晶質ナノシリカ(nSP30)、あるいは、粒子径100 nmの非晶質ナノシリカ(nSP100)を連日経口投与した際には、対照群であるPBS投与群と比較し、投与開始から1週間での体重の推移、マウス1匹あたりの平均1日摂餌量、最終投与後の臓器(肝臓、腎臓、脾臓)重量に有意な変化は認められなかった。また、各非晶質ナノシリカの最終投与後に、16時間の絶食下においてブドウ糖溶液を経口投与し、投与前(0分)、投与後15分、45分、120分に採血し、血糖値を測定した。その結果、nSP30投与群において、対照群と比較して、経口ブドウ糖負荷試験後の血糖値の低下傾向、また、血中インスリン濃度の減少傾向を示す可能性が示唆された。一方で、本結果は統計学的な有意な差は認められず、今後、n数を増やした検討を実施する必要があるだけではなく、非晶質ナノシリカの投与量依存性についても精査していくことが不可欠と考えている。
結論
本研究の成果は、ナノマテリアル曝露と内分泌代謝機能に関する科学的根拠の収集と分子メカニズムの解明につながる点で、今後のリスク解析の是非を議論するうえで重要な知見となり得る、ハザード情報の集積、およびその理解に直結するものである。また、本研究の成果ならびに関連する研究の成果については、国内外の論文や学会で発表することで、成果公開や情報発信を積極的に進めており、他の研究者との意見交換を図るなど、当初計画通り進めている。

公開日・更新日

公開日
2023-06-29
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2023-06-29
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202224046Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
2,531,000円
(2)補助金確定額
2,531,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,105,855円
人件費・謝金 0円
旅費 576,958円
その他 264,187円
間接経費 584,000円
合計 2,531,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2023-11-10
更新日
-