文献情報
文献番号
200924047A
報告書区分
総括
研究課題名
レトロウイルス技術と高集積がん組織アレイを利用した癌抗原同定とがんの早期診断治療への応用
課題番号
H21-3次がん・一般-008
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
北村 俊雄(東京大学 医科学研究所)
研究分担者(所属機関)
- 野阪 哲哉(三重大学大学院 医学系研究科 )
- 福岡 順也(富山大学附属病院 外科病理学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
26,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究においては研究代表者の北村は、シグナルシークエンストラップ法SST-REX法
を利用して各種癌抗原に対するモノクローナル抗体を網羅的に作製し、これらの抗体
の染色特異性、がん細胞株に対する増殖抑制効果を調べる。研究分担者の福岡は患者
がん細胞高集積アレイを作製し、上記のモノクローナル抗体の各種癌に対する染色性
と予後との関連を解析する。
を利用して各種癌抗原に対するモノクローナル抗体を網羅的に作製し、これらの抗体
の染色特異性、がん細胞株に対する増殖抑制効果を調べる。研究分担者の福岡は患者
がん細胞高集積アレイを作製し、上記のモノクローナル抗体の各種癌に対する染色性
と予後との関連を解析する。
研究方法
研究代表者の北村は、樹立した抗体のがん細胞株に対する反応性および増殖抑制効
果を調べた。作製した51種類の抗体のうち新規に前立腺がん細胞株、グリオーマ細胞
株、膵臓癌細胞株、胃がん細胞株において、in vitroで増殖を抑制する抗体がのべ32
種類存在した。研究分担者の福岡は5種の抗体において、ホルマリン固定、パラフィン
包埋組織での免疫染色への染色性を検討し、染色の観察された1つの抗体において、
14の主な癌腫における発現の観察を行った。一方、以前にオーガナイズされてカバー
されていない組織型のがん(食道がん、グリオーマを中心とする脳腫瘍)における組織
アレイ作製のため、病理アーカイブ、臨床アーカイブを検索し、臨床情報の収集、ブ
ロック、スライドの評価を行った。研究分担者の野阪はユーイング肉腫のマーカー候
補遺伝子を同定し解析を行った。
果を調べた。作製した51種類の抗体のうち新規に前立腺がん細胞株、グリオーマ細胞
株、膵臓癌細胞株、胃がん細胞株において、in vitroで増殖を抑制する抗体がのべ32
種類存在した。研究分担者の福岡は5種の抗体において、ホルマリン固定、パラフィン
包埋組織での免疫染色への染色性を検討し、染色の観察された1つの抗体において、
14の主な癌腫における発現の観察を行った。一方、以前にオーガナイズされてカバー
されていない組織型のがん(食道がん、グリオーマを中心とする脳腫瘍)における組織
アレイ作製のため、病理アーカイブ、臨床アーカイブを検索し、臨床情報の収集、ブ
ロック、スライドの評価を行った。研究分担者の野阪はユーイング肉腫のマーカー候
補遺伝子を同定し解析を行った。
結果と考察
SST-REX法によってがん細胞由来の分泌蛋白質、膜蛋白質を効率良く同定し、さらに
実験の途中で得られる細胞を免疫することによって効率良く機能抗体(がん細胞を認識
する抗体、がん細胞の増殖を抑制する抗体)を取得できることが再確認された。しかし
ながら、in vitroにおいて腫瘍増殖抑制活性を示した抗体について、担がんモデルマ
ウスにおけるin vivo抗腫瘍効果は確認されなかった。今年度は12モデルにおける抗腫
瘍効果を調べたが、今後担がんモデルマウスの種類を増やし、未検の抗体の解析を進
める。ユーイング肉腫についてはADAMTS4が腫瘍マーカーとなりうることを見いだした。
今年度解析した抗体5種はいずれも分担研究者の福岡が作成した高集積マイクロアレイ
で患者腫瘍サンプルを特異的に染色することができなかった。
実験の途中で得られる細胞を免疫することによって効率良く機能抗体(がん細胞を認識
する抗体、がん細胞の増殖を抑制する抗体)を取得できることが再確認された。しかし
ながら、in vitroにおいて腫瘍増殖抑制活性を示した抗体について、担がんモデルマ
ウスにおけるin vivo抗腫瘍効果は確認されなかった。今年度は12モデルにおける抗腫
瘍効果を調べたが、今後担がんモデルマウスの種類を増やし、未検の抗体の解析を進
める。ユーイング肉腫についてはADAMTS4が腫瘍マーカーとなりうることを見いだした。
今年度解析した抗体5種はいずれも分担研究者の福岡が作成した高集積マイクロアレイ
で患者腫瘍サンプルを特異的に染色することができなかった。
結論
今後より多くの抗体を高集積マイクロアレイで解析すると同時に、免疫源とする細胞をマイクロアレイと同
様の固定法で固定してから免疫して抗体を作製することによって高集積マイクロアレイに使用可能な抗体を作成する。
様の固定法で固定してから免疫して抗体を作製することによって高集積マイクロアレイに使用可能な抗体を作成する。
公開日・更新日
公開日
2010-07-05
更新日
-