新規手法による食鳥肉におけるカンピロバクター汚染状況の調査に関する研究

文献情報

文献番号
202224039A
報告書区分
総括
研究課題名
新規手法による食鳥肉におけるカンピロバクター汚染状況の調査に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
20KA3003
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
岡田 彩加(岐阜大学 応用生物科学部)
研究分担者(所属機関)
  • 松原 達也(岐阜大学 応用生物科学部)
  • 猪島 康雄(岐阜大学 応用生物科学部共同獣医学科食品環境衛生学研究室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
2,430,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
現在、カンピロバクターによる食鳥肉の汚染状況は分離培養により調査されている。しかし、カンピロバクターは化学的、物理的ストレスにより、通常条件では培養できない損傷菌や、生物学的ストレスにより、生きているが培養できないVariable but nonculturable(VBNC)状態になることが知られる。本研究では新規手法により、食鳥肉のカンピロバクター汚染状況を正確に把握することで、本食中毒低減策の作製に寄与することを目的とする。
研究方法
昨年度までにVBNC状態の菌を含めた生きたカンピロバクターを検出する手法として食鳥肉からPMA-qPCRによるカンピロバクターDNAの検出法を確立した。確立した手法を用いて食鳥処理場及び市販鶏肉における疫学調査を実施することで、真のカンピロバクター汚染状況を明らかにすることが可能となる。令和4年度は令和3年度に引き続き、実際に食鳥処理場で採材したサンプルや市販鶏肉におけるカンピロバクター汚染状況の調査を実施した。また、培養法とPMA-qPCR法の感度の比較が必要であったため部位別の感度について検証し、疫学調査の結果の解釈に用いた。
結果と考察
令和3年度に引き続き疫学調査を実施し、1年を通しての調査結果を得ることができた。また疫学調査の結果解釈のために実験的に培養法とPMA-qPCR法の感度を比較したところ、部位ごとに感度が異なることがわかった。培養法とPMA-qPCR法にはそれぞれの利点があるため、目的により使い分けること、また正確な調査のためには両者を併用することが必要であることがわかった。
結論
今回確立した手法により、培養では検出できいカンピロバクターを実際に検出できることが証明できた。消毒効果の検証や疫学調査は培養法と本手法を併用することで食鳥肉のカンピロバクター汚染状況を正確に把握することが可能となり、本食中毒低減策の作製に寄与することが可能となる。

公開日・更新日

公開日
2023-08-31
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202224039B
報告書区分
総合
研究課題名
新規手法による食鳥肉におけるカンピロバクター汚染状況の調査に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
20KA3003
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
岡田 彩加(岐阜大学 応用生物科学部)
研究分担者(所属機関)
  • 松原 達也(岐阜大学 応用生物科学部)
  • 猪島 康雄(岐阜大学 応用生物科学部共同獣医学科食品環境衛生学研究室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
現在、カンピロバクターによる食鳥肉の汚染状況は分離培養により調査されている。しかし、カンピロバクターは化学的、物理的ストレスにより、通常条件では培養できない損傷菌や、生物学的ストレスにより、生きているが培養できないVariable but nonculturable(VBNC)状態になることが知られる。本研究では新規手法により、食鳥肉のカンピロバクター汚染状況を正確に把握することで、本食中毒低減策の作製に寄与することを目的とする。
研究方法
本研究ではPCR阻害物質が多く含まれる食品サンプルから効率的にDNAを検出するための手法を検証し、VBNC状態の菌を含めた生きたカンピロバクターを検出する手法として食鳥肉からPMA-qPCRによるカンピロバクターDNAの検出法を確立した。確立した手法を用いて食鳥処理場及び市販鶏肉における疫学調査を実施することで、真のカンピロバクター汚染状況を明らかにすることが可能となる。実際に食鳥処理場で採材したサンプルや市販鶏肉におけるカンピロバクター汚染状況の調査を実施した。また、培養法とPMA-qPCR法の感度の比較が必要であったため部位別の感度について検証し、疫学調査の結果の解釈に用いた。
結果と考察
PMA-qPCRでは死菌の検出を抑制し、生菌のみを検出することが可能であるが、完全ではなく、死菌においてもDNAの増幅が認められることがある。DNA抽出方法、グラム陰性菌の死菌の誤判定低減が可能であるPMAエンハンサーの必要性、PMA濃度、PMA処理回数を検証し、完全に死菌の核酸増幅を抑制できる条件を確立することができた。確立した手法を用いて予備試験を実施したところ、培養では検出できないカンピロバクターを検出することが可能となった。年間を通してのPMA-qPCR法を用いたカンピロバクター検出調査結果を得ることができた。また疫学調査の結果解釈のために実験的に培養法とPMA-qPCR法の感度を比較したところ、部位ごとに感度が異なることがわかった。培養法とPMA-qPCR法にはそれぞれの利点があるため、目的により使い分けること、また正確な調査のためには両者を併用することが必要であることがわかった。
結論
今回確立した手法により、培養では検出できいカンピロバクターを実際に検出できることが証明できた。消毒効果の検証や疫学調査は培養法と本手法を併用することで食鳥肉のカンピロバクター汚染状況を正確に把握することが可能となり、本食中毒低減策の作製に寄与することが可能となる。

公開日・更新日

公開日
2023-08-31
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202224039C

収支報告書

文献番号
202224039Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
2,430,000円
(2)補助金確定額
2,430,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,036,319円
人件費・謝金 0円
旅費 17,790円
その他 375,891円
間接経費 0円
合計 2,430,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2023-11-14
更新日
-