文献情報
文献番号
200924036A
報告書区分
総括
研究課題名
その他、がんの実態把握とがん情報の発信等に関する特に重要な研究
課題番号
H19-3次がん・一般-037
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
黒川 清(特定非営利活動法人 日本医療政策機構)
研究分担者(所属機関)
- 近藤 正晃ジェームス(特定非営利活動法人 日本医療政策機構 )
- 高山 智子(国立がんセンター がん対策情報センター)
- 渡辺 浩子(特定非営利活動法人 日本医療政策機構 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
22,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は、全国で数、機能、影響力が増しているがん関連の患者団体に蓄積されている、個別性の高い、体験に根ざした定性的情報を社会資源として広く国民と共有する仕組みを作る事にある。患者団体の社会資源化と情報発信体制のあり方について検討し、関連する内外要因を明らかにし、提言としてまとめる。
研究方法
(1)患者がもとめる情報の体系化、情報ニ-ズに関連する役割分担の仮説策定
患者団体経由で抽出した患者情報ニーズと、医療機関を中心とした情報ニーズに関する先行研究の比較分析を行い、患者が求める情報の全体像の体系化を行い、情報ニーズに関連する役割分担の仮説を策定した。
(2)患者リーダーを対象としたインデプス・インタビュー
患者団体運営者を中心に、インデプス・インタビューを実施し、患者団体が果たすべき社会的役割に関する意識の顕在化を行い、患者団体の社会資源化と情報発信体制のあり方について論点抽出を行った。
患者団体経由で抽出した患者情報ニーズと、医療機関を中心とした情報ニーズに関する先行研究の比較分析を行い、患者が求める情報の全体像の体系化を行い、情報ニーズに関連する役割分担の仮説を策定した。
(2)患者リーダーを対象としたインデプス・インタビュー
患者団体運営者を中心に、インデプス・インタビューを実施し、患者団体が果たすべき社会的役割に関する意識の顕在化を行い、患者団体の社会資源化と情報発信体制のあり方について論点抽出を行った。
結果と考察
平成19年度に当研究班が患者団体に協力を依頼し実施した調査研究と医療機関を中心に実施された先行研究を比較解析した結果、がん患者が「がん告知」を受け治療を開始する初期の段階で、患者団体が社会資源として心理・社会的情報を提供することが効果的な情報提供体制の構築に有用であることが導き出され、治療機関等で患者会や患者支援団体に関する情報提供が求められることが分かった。
患者リーダーを対象としたインデプス・インタビューの結果、日本において情報提供体制の整備が進んでいない理由について、8項目の論点が抽出され、今後取り組むべき8つの論点を以下のとおりまとめた。1.患者会・患者支援団体の評価体制、質を担保する体制の構築、2.医療提供者、患者会双方の意識の改革、3.医療機関側の患者会を含めた運営体制の構築、4.医療機関・患者会・行政機関の相互信頼関係のさらなる構築、5.相談支援センターの拡充と医療機関内での認知度の向上、新たな役割の検討、6.患者団体同士の円滑な連携の強化、7.がんに関するスティグマの解除、8.医学教育への患者参画について促進
患者リーダーを対象としたインデプス・インタビューの結果、日本において情報提供体制の整備が進んでいない理由について、8項目の論点が抽出され、今後取り組むべき8つの論点を以下のとおりまとめた。1.患者会・患者支援団体の評価体制、質を担保する体制の構築、2.医療提供者、患者会双方の意識の改革、3.医療機関側の患者会を含めた運営体制の構築、4.医療機関・患者会・行政機関の相互信頼関係のさらなる構築、5.相談支援センターの拡充と医療機関内での認知度の向上、新たな役割の検討、6.患者団体同士の円滑な連携の強化、7.がんに関するスティグマの解除、8.医学教育への患者参画について促進
結論
3年計画の最終年にあたる本年度は、当事者による意見出しのプロセスを行い、8つの論点をまとめ、患者団体の社会資源化と情報発信体制のあり方に関連する政策提言とした。今後、研究結果を情報発信体制の一環として構築したウェブサイトで広く発信することで、さらなる社会的浸透を図る予定である。
公開日・更新日
公開日
2010-05-31
更新日
-