国際的な防爆規制に対する整合性確保のための調査研究

文献情報

文献番号
202223002A
報告書区分
総括
研究課題名
国際的な防爆規制に対する整合性確保のための調査研究
課題番号
20JA1002
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
大塚 輝人(独立行政法人労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所 化学安全研究グループ)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
6,924,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
製造現場に最新の無線LANカメラ、ネットワークカメラ、無線通信機器などの IoT 機器が導入できるように、労働安全衛生法に基づく防爆規制において国際標準を取り入れることが求められている現状にある。研究担当者等は、これまで危険箇所の判定についての調査研究を行っており、その知見に基づき、新たな手法を導入することによって防爆性能を確保する方法について、防爆構造規格、防爆規制に関わる通達への適用可能性に係る次事項に関して提言をまとめる。
研究方法
1. ガス検知機とインターロックの利用による EPL(防爆性能)評価・運用方法
・諸外国の防爆規制の状況を踏まえて、ガス検知機とインターロックの併用による機能安全の考え方の適用方法についての検討を行う。機能安全の考え方に立脚したリスク低減等を考慮した運用の評価について、事例の収集と整理をおこなう。
2. IECEx スキームにおける認証の信頼性確保方法
・国際規格に基づく認証制度(IECExスキーム)を取り入れて独自の検定制度を持たない国(オーストラリアなど)や、今後防爆機器認証制度を導入しようとしている国(マレーシアなど)で実施や検討がなされている、検定制度によらない安全確保の方策についての調査を行う。それらの調査を踏まえた上で、安全性確保と新技術導入に関連する事例の収集と分析をEU、米国等の独自の検定制度を運用している国についても調査し、その良い点と課題について明確にする。
3. 検定制度によらない安全確保措置と我が国での適用可能性に係る提言
・2.で調査した結果を踏まえて、検定制度によらない安全性確保措置を我が国の検定制度に適用する可能性について提言を行う。
4. 新たな手法による防爆性能の評価方法と提言
・IECでの規定があるものの国内未導入の規格、例えば砂詰め防爆等についての問題点や、除電器等高電圧を利用するため一般的な防爆試験になじまない機器に関しての防爆試験法を検討する。
結果と考察
令和4年度は、研究項目4点についての検討結果踏まえて委員会形式で提言をまとめた。
また、
(1) 炭鉱におけるインターロック利用
(2) Portable/Personal Electronic Products
(3) 高高度落下試験
(4) リスクアセスメント結果の保全
を追加の情報としてとりまとめた。
結論
(1)ガス検知機とインターロックの利用による EPL(防爆性能)評価・運用方法
 インターロックについては、リスクアセスメントに基づいて利用可能とする。EPLについては、IECの元々の運用に基づき、リスクアセスメントの結果として自由な選択を可能とする。
(2)IECExスキームにおける認証の信頼性確保方法
 ISO/IEC17025、17065の取得機関のExTRは、国内検定試験結果として扱えるものとする。
(3)検定制度によらない安全確保措置と我が国での適用可能性に係る提言
 IEC TS 60079-48の正式発効まで保留とする。ただし、大前提として防爆機器として機能が存在しない場合に限る。
(4)新たな手法による防爆性能の評価方法と提言
 粒体充填防爆を、国内でも利用可能とする。

公開日・更新日

公開日
2023-06-08
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202223002B
報告書区分
総合
研究課題名
国際的な防爆規制に対する整合性確保のための調査研究
課題番号
20JA1002
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
大塚 輝人(独立行政法人労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所 化学安全研究グループ)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
製造現場に最新の無線LANカメラ、ネットワークカメラ、無線通信機器などの IoT 機器が導入できるように、労働安全衛生法に基づく防爆規制において国際標準を取り入れることが求められている現状にある。研究担当者等は、これまで危険箇所の判定についての調査研究を行っており、その知見に基づき、新たな手法を導入することによって防爆性能を確保する方法について、防爆構造規格、防爆規制に関わる通達への適用可能性に係る次事項に関わる提言をまとめる。
研究方法
1. ガス検知機とインターロックの利用による EPL(防爆性能)評価・運用方法
・諸外国の防爆規制の状況を踏まえて、ガス検知機とインターロックの併用による機能安全の考え方の適用方法についての検討を行う。機能安全の考え方に立脚したリスク低減等を考慮した運用の評価について、事例の収集と整理をおこなう。
2. IECEx スキームにおける認証の信頼性確保方法
・国際規格に基づく認証制度(IECExスキーム)を取り入れて独自の検定制度を持たない国(オーストラリアなど)や、今後防爆機器認証制度を導入しようとしている国(マレーシアなど)で実施や検討がなされている、検定制度によらない安全確保の方策についての調査を行う。それらの調査を踏まえた上で、安全性確保と新技術導入に関連する事例の収集と分析をEU、米国等の独自の検定制度を運用している国についても調査し、その良い点と課題について明確にする。
3. 検定制度によらない安全確保措置と我が国での適用可能性に係る提言
・2.で調査した結果を踏まえて、検定制度によらない安全性確保措置を我が国の検定制度に適用する可能性について提言を行う。
4. 新たな手法による防爆性能の評価方法と提言
・IECでの規定があるものの国内未導入の規格、例えば砂詰め防爆等についての問題点や、除電器等高電圧を利用するため一般的な防爆試験になじまない機器に関しての防爆試験法を検討する。
結果と考察
4項目について、以下のとおりの提言案を取りまとめた。
(1)ガス検知機とインターロックの利用による EPL(防爆性能)評価・運用方法
 インターロックについては、リスクアセスメントに基づいて利用可能とする。EPLについては、IECの元々の運用に基づき、リスクアセスメントの結果として自由な選択を可能とする。
(2)IECExスキームにおける認証の信頼性確保方法
 ISO/IEC17025、17065の取得機関のExTRは、国内検定試験結果として扱えるものとする。
(3)検定制度によらない安全確保措置と我が国での適用可能性に係る提言
 IEC TS 60079-48の正式発効まで保留とする。ただし、大前提として防爆機器として機能が存在しない場合に限る。
(4)新たな手法による防爆性能の評価方法と提言
 粒体充填防爆を、国内でも利用可能とする。

結論
当初海外調査を主として計画を立てたが、COVID19により渡航、現地調査の制限がかかったため、調査方法が限定されており、また、IECの会議も開催を見送られるなどがあった。インターロックについてはは国内コンサルタントとの協力により、機能安全の考え方に立脚した安全確保法を例示することができ、現在の危険箇所判定と同等の安全性を担保することでインターロック利用が可能であることを示した。また、EPLについてはIECの理念に基づき、リスクアセスメントの一部として組み込むことを提言した。ExTRについては、IECExでの信頼性向上の手続きを踏まえて、ISO/IEC17025,17065の利用を提言した。粒体充填防爆を検定機関と協力して実施し、国内での需要があること、我が国でも利用が可能であることを示した。

公開日・更新日

公開日
2023-12-01
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202223002C

収支報告書

文献番号
202223002Z