文献情報
文献番号
202222065A
報告書区分
総括
研究課題名
大規模臨床データベースを活用した地域における治療の実態把握および地域医療提供体制とアウトカム評価に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
22IA2003
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
宮田 裕章(東京大学 医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
- 岩中 督(東京大学 医学部附属病院)
- 瀬戸 泰之(東京大学 医学部附属病院)
- 掛地 吉弘(神戸大学大学院医学研究院 食道胃腸外学)
- 横山 斉(福島県立医科大学 医学部)
- 本村 昇(東京大学医学部心臓外科)
- 神野 浩光(帝京大学 医学部)
- 佐藤 幸夫(筑波大学 医学医療系 呼吸器外科学)
- 岡本 高宏(東京女子医科大学 医学部 内分泌外科)
- 隈丸 拓(東京大学 医学部附属病院)
- 山本 博之(東京大学 医学部附属病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
3,020,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究では、NCDデータの活用によって都道府県および二次医療圏といった地域ごとに医療提供体制の実態を把握し、適切な医療提供が可能となる指標を確立し、地域課題の要因を分析する。また公表されている人口将来推計値を用いて2015年から2045年までの手術症例数の将来推計を算出する。これまで具体的に把握されていなかったこれらの状況を可視化することで、各地域の医療提供体制の過不足を予測し、適切な医療提供体制を検討することが可能となる指標を確立する。
本研究で予定するNCDデータを活用した地域における医療提供体制の可視化によって、現状では具体的に把握されていない地域単位の受入症例数や疾患分布を可視化することが可能となる。このことにより今後の適切な医療の提供に貢献する指標を確立することが可能となる。
2022年度における本研究の役割は、2011年から2021年に行われた手術のNCDデータを活用し、都道府県および二次医療圏単位での手術実施状況を把握することである。さらに各地域の地域医療構想の検討状況を調べ、医療提供体制が変化した場合の影響を調査する。これらのことにより国が進める地域医療構想の実現に向けた参考資料を与える。
本研究で予定するNCDデータを活用した地域における医療提供体制の可視化によって、現状では具体的に把握されていない地域単位の受入症例数や疾患分布を可視化することが可能となる。このことにより今後の適切な医療の提供に貢献する指標を確立することが可能となる。
2022年度における本研究の役割は、2011年から2021年に行われた手術のNCDデータを活用し、都道府県および二次医療圏単位での手術実施状況を把握することである。さらに各地域の地域医療構想の検討状況を調べ、医療提供体制が変化した場合の影響を調査する。これらのことにより国が進める地域医療構想の実現に向けた参考資料を与える。
研究方法
本年度の研究では,2021年の新規登録された手術症例数を含め、2011年から2021年NCDデータの整備および基礎集計(都道府県単位で外科手術数における経年推移等)を行った。NCDデータを使って各地域の一般外科における手術手技別・疾患別の症例数を記述統計・地理情報を用いて可視化した。ただし以下の場合には,分析対象症例から除外した。
・ NCD内で同一症例に対する重複登録の可能性がある症例(NCDに登録された症例のうち,「施設診療科・患者性別・患者生年月日・手術日」が同一の場合)
・患者性別・患者生年月日・手術日のいずれかに欠損がある症例
・ NCDへの登録拒否症例
・ NCD内で同一症例に対する重複登録の可能性がある症例(NCDに登録された症例のうち,「施設診療科・患者性別・患者生年月日・手術日」が同一の場合)
・患者性別・患者生年月日・手術日のいずれかに欠損がある症例
・ NCDへの登録拒否症例
結果と考察
結果
各手術年の症例数は,2021年は1,513,278例であり,昨年度集計した2011年から2021年までの例数と合わせて計15,801,361例であった.(表3)
その他、年別救急搬送の有無別性別手術数を表4に,年別緊急手術別性別手術数は表5,年別麻酔科医の関与別性別手術数は表6,都道府県別年別性別手術数は表7に示した.緊急手術別性別手術数に関して、緊急性なし手術件数は2020年と同様、2021年も2019年の手術件数を下回った。新型コロナ流行下の手術提供体制の変化や患者側の医療消費意向の変化の影響も考えられるため、手術件数の将来推計等、今後の解析にあたっては精査が必要となる。
考察
これまでNCDに蓄積された2011年から2021年の約1,580万症例という大規模な臨床データを活用することが可能となった.年間約150万症例以上の悉皆性の高い臨床データを有する例は国内外でも他にない。NCDデータを活用することで日本の実態を表すことが可能となるものであると考える。特に本年度は2021年の臨床データ追加により、2020年以降の新型コロナ流行による手術症例数への影響を定量化することが一定程度可能と考えられる。解析においては工夫が必要になるものの、マクロ環境の変化や症例数増減トレンドの変化を把握する上で、悉皆性の高いNCDの活用は有用であると考えられる。
技術集積と転帰の関係については、長年にわたる医療技術の進歩にも関わらず依然として,症例数と死亡率の間に強固な負の相関がみられている。しかしながら、疾患特性や手術の技術的難易度によって技術集積と転帰の関係性も違いがあると考えられる。医療の質はこれまでには専門医数やカンファレンスの開催によって治療成績への影響について研究が行われている-17が、ストラクチャー指標やプロセス指標を元にした評価と比べてNCD上のアウトカム指標を用いた解析は客観性の観点で有用であると考えられるため、次年度に追加解析を行えるよう、解析手法を検討している。
各手術年の症例数は,2021年は1,513,278例であり,昨年度集計した2011年から2021年までの例数と合わせて計15,801,361例であった.(表3)
その他、年別救急搬送の有無別性別手術数を表4に,年別緊急手術別性別手術数は表5,年別麻酔科医の関与別性別手術数は表6,都道府県別年別性別手術数は表7に示した.緊急手術別性別手術数に関して、緊急性なし手術件数は2020年と同様、2021年も2019年の手術件数を下回った。新型コロナ流行下の手術提供体制の変化や患者側の医療消費意向の変化の影響も考えられるため、手術件数の将来推計等、今後の解析にあたっては精査が必要となる。
考察
これまでNCDに蓄積された2011年から2021年の約1,580万症例という大規模な臨床データを活用することが可能となった.年間約150万症例以上の悉皆性の高い臨床データを有する例は国内外でも他にない。NCDデータを活用することで日本の実態を表すことが可能となるものであると考える。特に本年度は2021年の臨床データ追加により、2020年以降の新型コロナ流行による手術症例数への影響を定量化することが一定程度可能と考えられる。解析においては工夫が必要になるものの、マクロ環境の変化や症例数増減トレンドの変化を把握する上で、悉皆性の高いNCDの活用は有用であると考えられる。
技術集積と転帰の関係については、長年にわたる医療技術の進歩にも関わらず依然として,症例数と死亡率の間に強固な負の相関がみられている。しかしながら、疾患特性や手術の技術的難易度によって技術集積と転帰の関係性も違いがあると考えられる。医療の質はこれまでには専門医数やカンファレンスの開催によって治療成績への影響について研究が行われている-17が、ストラクチャー指標やプロセス指標を元にした評価と比べてNCD上のアウトカム指標を用いた解析は客観性の観点で有用であると考えられるため、次年度に追加解析を行えるよう、解析手法を検討している。
結論
本研究により,NCDデータを活用することで,都道府県や二次医療圏など地域における手術実績および治療成績の実態把握が可能となる。将来的に患者数が減少する中で,地域における医療の質担保のためには機能集約や再編統合が必須となる。しかしながら、全国一律の集約か施策ではなく、地域特性や治療方法など実態を十分に考慮し,地域の医療需給に応じた検討が必要である。
2ヵ年の研究期間のうち1年度目である今年度は解析の基礎となるデータ整備および基礎集計が完了した。次年度は、直近のマクロ環境の変化をふまえた症例数の将来推計や、疾患特性や技術的難易度に応じた、症例集約度とアウトカムの関係性の解析、患者移動距離とアウトカムの関係性などの解析を実施していく。
2ヵ年の研究期間のうち1年度目である今年度は解析の基礎となるデータ整備および基礎集計が完了した。次年度は、直近のマクロ環境の変化をふまえた症例数の将来推計や、疾患特性や技術的難易度に応じた、症例集約度とアウトカムの関係性の解析、患者移動距離とアウトカムの関係性などの解析を実施していく。
公開日・更新日
公開日
2024-06-19
更新日
-