文献情報
文献番号
202222062A
報告書区分
総括
研究課題名
歯科技工業務に関する調査研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
21IA2019
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
馬場 一美(昭和大学 歯学部 歯科補綴学講座)
研究分担者(所属機関)
- 志賀 博(日本歯科大学 生命歯学部 歯科補綴学第1講座)
- 横山 敦郎(北海道大学 大学院歯学研究科 )
- 赤川 安正(昭和大学 学長室)
- 大島 克郎(日本歯科大学東京短期大学)
- 高橋 英和(東京医科歯科大学 歯学部)
- 田地 豪(広島大学大学院 医系科学研究科 口腔生物工学研究室)
- 野崎 一徳(大阪大学 歯学部附属病院)
- 北村 知昭(九州歯科大学 歯学部)
- 安部 友佳(昭和大学 歯学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
2,167,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究では、 (1) 歯科技工士が診療室のチェアサイドおよび訪問歯科診療先で実施することが望まれる業務内容(現行の歯科技工士法で実施できない又は実施可能であるが広くは実施されていない行為)とその課題、(2) (1)の業務を行う上で必要な教育内容、(3) 歯科技工に関連するCAD/CAM等のデジタルデータ処理業務を適正に実施するための整備方策等について、より具体的な検討を進めるために、歯科医師や歯科技工士等を対象としてアンケート調査やヒアリングを実施する。そして、これらに関する現状と課題の整理を行い、歯科医師と歯科技工士の協同による質の高い歯科医療の提供に向けて必要な歯科技工業務について提言をまとめることを目的とする。
研究方法
前年度と同様、業務・教育内容検討WG、医療情報整備検討WGの2つのワーキンググループを設定し、調査を進めた。
業務・教育内容検討WG:歯科技工士が診療室のチェアサイド等で実施することが望まれる業務内容として、前年度に選定した17の行為から医療安全を考慮して11の『候補となる行為』を選定した。次に、これら11の『候補となる行為』を歯科技工士が行うと仮定した場合の現状の教育内容の評価、それに必要な教育資源、問題点の抽出を行い、課題と解決策をまとめるため、歯科技工士養成施設11校を対象に、教育の現状、必要な教育内容を教育するための解決策についてヒアリング調査(書面に加えて対面もしくはオンライン)を実施した。ヒアリング調査結果は調査項目別に集計を行った。最後に、11の『候補となる行為』に関するヒアリング調査結果から、歯科技工士が診療室のチェアサイド、歯科訪問診療等で実施することが望まれる業務内容や、それに伴い拡大が必要と考えられる教育内容と教育資源、その対応策について協議を行った。
医療情報整備検討WG:前年度に実施した、歯科技工に関連するCAD/CAM等のデジタルデータ処理業務を適正に実施するための整備方策についての検討を踏まえ、歯科技工所におけるデジタルデータ処理業務の具体的な状況を明らかにするため、歯科技工所19箇所を対象としてヒアリング調査を実施した。調査にあたっては、ヒアリング調査票を新たに作成し、対面によるヒアリングを実施した。調査項目は、歯科技工指示書と歯科技工録の保管方法、デジタル化の現状、CAD/CAM装置に係るデジタルデータの受け渡し方法、CAD/CAM等の機器の共同利用、歯科技工のリモートワーク、オンラインでの医療情報の授受、有床義歯製作に対するCAD/CAM技術の応用とした。回答は調査項目別に単純集計した。これらの結果をもとに協議を行った。
業務・教育内容検討WG:歯科技工士が診療室のチェアサイド等で実施することが望まれる業務内容として、前年度に選定した17の行為から医療安全を考慮して11の『候補となる行為』を選定した。次に、これら11の『候補となる行為』を歯科技工士が行うと仮定した場合の現状の教育内容の評価、それに必要な教育資源、問題点の抽出を行い、課題と解決策をまとめるため、歯科技工士養成施設11校を対象に、教育の現状、必要な教育内容を教育するための解決策についてヒアリング調査(書面に加えて対面もしくはオンライン)を実施した。ヒアリング調査結果は調査項目別に集計を行った。最後に、11の『候補となる行為』に関するヒアリング調査結果から、歯科技工士が診療室のチェアサイド、歯科訪問診療等で実施することが望まれる業務内容や、それに伴い拡大が必要と考えられる教育内容と教育資源、その対応策について協議を行った。
医療情報整備検討WG:前年度に実施した、歯科技工に関連するCAD/CAM等のデジタルデータ処理業務を適正に実施するための整備方策についての検討を踏まえ、歯科技工所におけるデジタルデータ処理業務の具体的な状況を明らかにするため、歯科技工所19箇所を対象としてヒアリング調査を実施した。調査にあたっては、ヒアリング調査票を新たに作成し、対面によるヒアリングを実施した。調査項目は、歯科技工指示書と歯科技工録の保管方法、デジタル化の現状、CAD/CAM装置に係るデジタルデータの受け渡し方法、CAD/CAM等の機器の共同利用、歯科技工のリモートワーク、オンラインでの医療情報の授受、有床義歯製作に対するCAD/CAM技術の応用とした。回答は調査項目別に単純集計した。これらの結果をもとに協議を行った。
結果と考察
業務・教育内容検討WG:歯科技工士業務を検討する場合に必要な教育について、研究班では、11項目の『候補となる行為』(①患者と接する行為(総論)、②色調選択(歯冠修復治療)、③歯冠修復物の研磨(歯冠修復治療)、④人工歯選択(全部床義歯治療)、⑤チェアサイド・訪問診療先での義歯の修理(全部床義歯治療)、⑥人工歯選択(部分床義歯治療)、⑦チェアサイド・訪問診療先での義歯の修理(部分床義歯治療)、⑧口腔内スキャナを用いる光学印象(低侵襲治療)、⑨口腔内写真の撮影(低侵襲治療)、⑩咀嚼能力検査(グミゼリー)(低侵襲治療)、⑪義歯を口腔内から取り外す(低侵襲治療))を抽出した。教育の現状として、『候補となる行為』を卒前教育に取り入れる場合には時間的余裕が無く、現行の教育内容の一部を削減する必要があり、一部の項目では講義や実習室での実習でチェアサイドでの行為としても教育として十分と考えられていること、機器・材料の整備、学外実習の場を設けるなどの解決策が求められることが明らかとなった。
医療情報整備検討WG:患者情報のデジタル化の遅れ、不十分な管理体制など、改善すべき点が認められた。歯科補てつ物等の作成管理、品質管理の観点から、歯科技工指示書に基づいて歯科技工録を作成すべきであり、既存の記載項目に加えるべき項目について実態を踏まえた更なる検討が必要と考えられた。リモートワークを実施する場合、作業日時や内容の管理としてセキュリティ対策を講じる必要性が示された。デジタル情報管理体制の整備に向け、研修マニュアルの作成や研修会開催の推進、業務規程の改正や守秘義務契約の締結など、対応法を策定する必要性が改めて示された。
医療情報整備検討WG:患者情報のデジタル化の遅れ、不十分な管理体制など、改善すべき点が認められた。歯科補てつ物等の作成管理、品質管理の観点から、歯科技工指示書に基づいて歯科技工録を作成すべきであり、既存の記載項目に加えるべき項目について実態を踏まえた更なる検討が必要と考えられた。リモートワークを実施する場合、作業日時や内容の管理としてセキュリティ対策を講じる必要性が示された。デジタル情報管理体制の整備に向け、研修マニュアルの作成や研修会開催の推進、業務規程の改正や守秘義務契約の締結など、対応法を策定する必要性が改めて示された。
結論
歯科技工業務の拡大を目指すのであれば、『候補となる行為』について、到達目標を明確に設定し、そのために必要な教育内容、教育資源、教育の場を具体的に整備することが可能かどうかについての検討した後、必要に応じて法令等の整備についての検討が行われるべきであると考えられる。また、デジタル情報管理においては歯科技工指示書と歯科技工録の適切な管理が特に重要であると考えられる。
公開日・更新日
公開日
2023-07-07
更新日
2024-10-29