国内医療機器産業の業界支援に関する研究

文献情報

文献番号
202222059A
報告書区分
総括
研究課題名
国内医療機器産業の業界支援に関する研究
課題番号
21IA2016
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
中野 壮陛(公益財団法人医療機器センター)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
2,480,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成26年に「国民が受ける医療の質の向上のための医療機器の研究開発及び普及の促進に関する法律」が制定された。平成28年5月に「国民が受ける医療の質の向上のための医療機器の研究開発及び普及の促進に関する基本計画」(第一期基本計画)が医療機器政策に特化した政府の初めての基本計画として閣議決定され、その後、令和4年5月にはプログラム医療機器の研究開発の促進や医療機器の安定供給といった新たな論点を取り入れ、第一期基本計画を改定した第二期基本計画を閣議決定されている。こうした背景を踏まえ、本研究では日本から画期的な医療機器が数多く実用化されるための環境のあり方をテーマとし、基本計画において対応すべき施策について提言を行う。
研究方法
第二期基本計画を推進するにあたって必要となるKPIを検討するにあたって、まずはじめに、薬事工業生産動態統計、医療機器産業実態調査(売上高、利益率、研究開発費等)、薬事承認情報、日本医療研究開発機構(AMED)研究開発支援情報、国際関係として、PubMed、特許出願動向調査(特許庁)、海外マーケットレポートなどを用いて医療機器産業に関する最新動向を把握した。
それらを踏まえ、次に、第二期基本計画に記されている「総合的かつ計画的に実施すべき施策」を踏まえ、KPI案及び測定方法を検討した。検討にあたっては日本医療機器産業連合会(医機連)等の産業戦略委員会関係者、厚生労働省、経済産業省、文部科学省、AMEDなど行政関係者にもオブザーバとして参加頂きながら、基本計画の進捗評価のあり方に関する議論を行った。
結果と考察
医療機器産業に関する最新動向を把握するため、市場概況、イノベーションの源泉(研究開発投資、論文動向、特許動向、ベンチャー動向、従業者数と部門別内訳等)、イノベーションの開発成果(承認件数推移等)、開発成果の事業化(内資系企業の売上高推移、海外売上推移、生産金額推移、輸出金額推移等)の視点で分析し、研究開発等の動向を把握するとともに、第二期基本計画を推進するにあたってのKPI候補を検討した。第二期基本計画の各ゴールに対して、それぞれ11のKPI案を検討し、直接的に測定可能なKPIについては、測定方法に関する検討まで行い、直接的に測定可能なKPI以外については、当該事業のフォローアップ報告を当該事業の実施主体が行うこととした。直接的に測定可能なKPIについては、測定方法に関する検討結果に従い、本年度に試行的に測定まで実施した。
これらの分析・検討の結果、「基本計画に基づいて実施される各施策」と「KPIで計測される値」の間には時間軸の乖離が生じるが、この点をどのように考えるべきかについては、実績を見つつ、引き続き検討が必要となると考えられた。
また、本来KPIは、目標値としてのKPIが先に設定されて、それに対して現在の進捗はどうなっているかを見定めるためのものであり、事前にKPIの値を決めておくことが必要となるが、基本計画においてはこれまでKPIの設定が行われていなかったため、まずはKPIとして定めるべきものは何かを検討、議論し、実際に計測することを数年程度繰り返しながら、その後に実際のKPIを設定することが妥当かと考えられる。
従って、引き続き研究開発等の動向を把握するとともに、第二期基本計画を推進するにあたってのKPI候補を検討していくが、第二期基本計画にて定めることとされているKPI(Key Performance Indicator;重要業績評価指標)と同時にKGI(Key Goal Indicator;重要目標達成指標)を設定することが、基本計画に基づくわが国の取組状況を評価するためには必要ではないかと考えられた。KGIはいわば最終ゴールとしての達成目標であり、そのKGIに到達するために、その中間点となるKPI指標をどのように設定するのかという構造化された指標設定とそれらに基づく施策評価が計画的になされることで、第二期基本計画が着実すすめられると考えられ、また、令和9年度を目途に行われる第三期基本計画策定についても有意義な議論が行われるものと考えられた。
結論
本研究においては、第二期基本計画において対応すべき施策について、諸外国の研究開発等の動向を把握するとともに、KPI候補を検討し、それらを通して日本から画期的な医療機器が数多く実用化されるための環境のあり方を検討した。

公開日・更新日

公開日
2023-06-01
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2023-06-19
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202222059Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
3,223,000円
(2)補助金確定額
3,223,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,560,302円
人件費・謝金 200,983円
旅費 89,880円
その他 628,835円
間接経費 743,000円
合計 3,223,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2024-01-09
更新日
-