地域における周産期医療システムの充実と医療資源の適正配置に関する研究

文献情報

文献番号
200923019A
報告書区分
総括
研究課題名
地域における周産期医療システムの充実と医療資源の適正配置に関する研究
課題番号
H21-子ども・一般-002
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
岡村 州博(東北大学 大学院医学系研究科発生・発達医学講座周産期医学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 海野 信也(北里大学医学部産婦人科学)
  • 遠藤 俊子(京都橘大学看護学部)
  • 櫻木 範明(北海道大学大学院医学研究科生殖発達医学)
  • 福嶋 恒太郎(九州大学病院)
  • 村上 節(滋賀医科大学産科学婦人科学講座)
  • 木下 勝之(成城木下病院)
  • 小笠原 敏浩(岩手県立大船渡病院)
  • 上原 茂樹(東北公済病院)
  • 千坂 泰(東北大学病院周産母子センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
21,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ここ数年産科医の減少、女性医師の増加、地域による偏在がますます顕著となり、現在の医療システムの改革なしに我が国の周産期医療、とくにハイリスクを扱う病院の診療を維持できない状態となってきている。地方における病院勤務医はリスクの高い産婦の診療に携わり、労務環境は改善せず離職するという傾向にある。これを打破するための暫定的施策と恒常的な施策を検討提言する事が本研究の目的である。
研究方法
全国で医療システムの構築を行った。特に、産婦人科医の不足、地理的条件が過酷な北海道、岩手県、宮城県北部ではどのようなシステムを提供できるか検討された。都市部においては現在のシステムを改善する試みとして、院内助産システムをどのように組み入れて、満足度が高い周産期医療が展開できるか検討された。地域の産婦人科医の必要性を算出する第一段階として、仙台市における分娩拠点病院に勤務する医師のタイムスタディを行った、この中から分娩に必要とされる医師の拘束時間を把握。妊婦のリスクファクター、助産師の関わり方、医師の熟練度、医療機関の特性等に基づいて分娩を分類し、分娩の種類別に標準必要分娩時間を試算するための資料を作成した。
結果と考察
各地域で独自のシステムを構築しつつある。さらに、緊急搬送などのシステム構築はメデイカルコーデイネーターの配置に見られるように、各地で行われてきた。また、院内助産システムは宮城県、岩手県をはじめ、全国で導入され、地域の周産期医療に大いに貢献している。集約化により、総合・地域母子医療センターなどの中核病院の分娩数は増加した。岩手県においては自治体が参加した周産期医療システム(イーハトーブ)の構築が行われている。しかし、このようなシステム構築は全国に広がっているわけではなく、九州、近畿では病院、診療所などの医療機関の構成が北日本とは異なり、独自のシステムを構築しつつ、住民の理解をえる方策がなされている。地域のおける産科医の必要数算定に関する研究では、種々の項目についてワークフォースの見積もりのために勤務調査票、患者調査票、医師プロフィールを仙台市の分娩拠点病院医師から情報を得た。
結論
産科医の為の労務環境整備は、いろいろなシステム構築の中で行われてきている。特に自治体主導の周産期医療システム構築はわが国の周産期医療の向上の為には必須であり、普及すべきである。

公開日・更新日

公開日
2010-05-25
更新日
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