医療専門職の実態把握に関する研究

文献情報

文献番号
202222051A
報告書区分
総括
研究課題名
医療専門職の実態把握に関する研究
課題番号
21IA2008
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
小野 孝二(東京医療保健大学 看護学部 大学院看護学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 今村 知明(公立大学法人奈良県立医科大学 医学部 公衆衛生学講座)
  • 岡本 左和子(公立大学法人奈良県立医科大学  医学部 教育開発センター)
  • 西岡 祐一(奈良県立医科大学 公衆衛生学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
1,350,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、一定の仮定のもと、医療施設に限定した入院・外来検査件数から医療関係職種(診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士、視能訓練士、言語聴覚士)の需給推計を算出しており、他の分野における需要や検査以外の業務は一切考慮されていないことから、後述する本研究結果をこれら職種の本質的な需給推計として扱うことには限界があることに十分留意が必要である。
本研究の目的は、すでに基礎資料がある医師・薬剤師・看護師・理学療法士・作業療法士以外の医療職種について、働き方改革を推進する上で、医師からのタスク・シフト/シェアの推進に資する基礎資料としての実働人数の現在と将来の需給関係の推計とその推計式の構築である。この目的のために、医療機関における①実働人数などの把握、②医療機関での需給推計による今後の見通しを提示することである。
研究方法
初年度は、需要については厚生労働省のレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB:National Database)オープンデータを用いて、将来の業務予測を行う推計式を構築し、各医療職の推計を実施した。診療放射線技師については5つのモダリティ別に分類し係数を設けて加重平均を求めた。供給については、職能団体からの情報提供資料等をもとに会員数や資格試験の合格者数、就業率に人口動態統計における性年齢別死亡率を掛け合わせることで、職種毎に医療機関(健診を除く)に従事している人数を推計するモデルを開発し、各職種とも増加傾向を示した。今年度は、これらの結果を踏まえ、現状認識と将来のタスク・シフト/シェアも見据え、各職能団体の意向に基づき将来の需給バランスの想定シナリオを作成した。
結果と考察
需給バランスの作成において、昨年度の診療放射線技師についてモダリティ別の重み付けあり・なしの分析結果をもとに、各職能団体との協議の上でモダリティ別の重み付けは需要推計には考慮しないことを決定した。その上で、需給バランスについて、職能団体との協議の結果、いくつかのシナリオを想定した。その結果、 社会情勢や働き方改革の進捗にも依るが、各職種ともにおよそ15年から20年後は労働力不足という事態というよりは供給過多の時代を迎えていると推察された。本研究の手法は、現状に対する現場の評価を反映した上で将来の需給バランスを考察できる利点がある。本研究の結果から、医療需要への迅速な対応、人材活用の方法や選択肢を拡げるなど様々な状況を検討するには、基本となる情報となり得る。さらに、妥当性のある需給推計にするためには継続的に医療現場の職能団体のタスク・シフト/シェアの進捗状況も把握しながら研究する必要がある。
結論
医療需要(検査件数)については、各医療職ともに現在より2030年頃までは増加し、それ以降は減少に転ずると推察された。医療供給については、各医療職ともに増加傾向と推察された。およそ15年は労働力不足という事態というよりは供給過多の時代を迎えている可能性も示唆された。よって、医師の働き方改革におけるタスクシフトの業務拡大は可能と考える。

公開日・更新日

公開日
2023-05-25
更新日
2023-09-14

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2023-09-14
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202222051Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
1,620,000円
(2)補助金確定額
1,620,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 522,417円
人件費・謝金 424,757円
旅費 259,165円
その他 143,661円
間接経費 270,000円
合計 1,620,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2023-06-01
更新日
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