医師養成課程を通じた偏在対策の効果検証のための研究

文献情報

文献番号
202222048A
報告書区分
総括
研究課題名
医師養成課程を通じた偏在対策の効果検証のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
21IA2005
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
小池 創一(自治医科大学 地域医療学センター地域医療政策部門)
研究分担者(所属機関)
  • 今中 雄一(京都大学 医学研究科)
  • 松本 正俊(広島大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
1,185,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本年度の本研究班では、医師偏在指標とその推移、医師少数区域の医師確保に向けた兼業医師の実態把握と地域・出身大学等との関係の2つの分野について検討を行った。
医師偏在指標とその推移に関する研究では、医師偏在指標に着目し、一定の仮定のもとで、過去にさかのぼって医師偏在指標を試算し、この期間における医師確保・偏在対策が、医師偏在指標にどのような影響を与えるかを確認することを通じ、医師偏在対策の効果検証のための基礎資料を得ることを目的とした。
医師少数区域の医師確保に向けた兼業医師の実態把握と地域・出身大学等との関係に関する研究では、2施設以上で勤務する兼業医師が増加しており、兼業医師が医師少数区域の医療を支えている実態があることを踏まえ、多拠点で勤務する兼業医師の実態を明らかにし、医師少数区域での医療提供体制のあり方を検討することを目的とした。
研究方法
(1) 医師偏在指標とその推移に関する研究
国が新たに開発した医師偏在指標を、一定の仮定を置いた上で、2000年以降の人口・医師数・受療率に適用、試算し、4年間でどの程度医師偏在指標が変化したかを都道府県、二次医療圏ごとに確認することで、医師偏在指標を用いる際の留意点等について検討した。
(2) 医師少数区域の医師確保に向けた兼業医師の実態把握と地域・出身大学等との関係
2004年から2021年の株式会社日本アルトマークのデータを用いて複数施設で勤務する医師(兼業医師)の都道府県別、二次医療圏別の割合および医師少数区域で勤務する兼業医師の年代、診療科、出身大学を検証した。
結果と考察
(1) 医師偏在指標とその推移に関する研究
2000年~2014年を起点とした場合、4年間で、都道府県単位で見ると、医師少数都道府県から2~4都道府県が医師中位都道府県になり、医師中位・医師多数から医師少数になる都道府県はないことを確認した。一方、二次医療圏単位で見た場合、4年間で医師少数区域から、医師中位区域以上に6~39医療圏がなっている一方、医師中位以上の区域から医師少数区域になる二次医療圏も散見(1~18医療圏)されていることが確認された。
また、医師少数都道府県の変化率については、大きな変化が認められないものの、医師少数都道府県の変化率を見ると、2000年代の中盤までは4年間で医師少数区域から医師中位区域以上にとなる二次医療圏は減少傾向にあったが、その後は、医師少数区域から医師中位区域以上になる二次医療圏数は増加傾向を示していたことが確認された。
都道府県単位では大きな傾向を把握することはできなかったが、二次医療圏ごとに見た場合、2000年代の中盤にかけて医師少数区域となる水準を4年間で超えてゆく二次医療圏数が減少していたが、その後増加傾向に転じている点は興味深い。今回の結果から因果関係を直接証明することはできないものの、医師臨床研修の必修化や、妊産婦の医療機関への受入れをめぐる問題がクローズアップされる等、医師不足や偏在に対する社会的関心が高まり、その後の、医師確保や偏在対策への強化につながっていったことを考えると、医師が特に少ない地域における医師確保策がより政策課題として意識されるようになってきたことを反映している可能性がある。
(2) 医師少数区域の医師確保に向けた兼業医師の実態把握と地域・出身大学等との関係
東日本では兼業医師の占める割合が高く、西日本では低い傾向がみられた。また、都道府県内の二次医療圏でも大きなばらつきが確認された。医師少数地域で兼務する医師は、30代から60代まで幅広く、診療科別では内科や外科、整形外科が多かった。出身大学では、自治医科大学、岩手医科大学、獨協医科大学、東北大学が多かった。
兼業医師割合は、西低東高の傾向にあり、東北地方や関東地方等を中心として医師が不足している地域で、兼業医師割合が高い。医師少数区域で勤務する兼業医師の年代に偏りはなく、どの年代でも医師少数区域で働く可能性がある。医師少数区域で働く医師に対する個人的・専門的サポートの体制の強化が求められると考えられた。
結論
医師偏在指標の推移についての研究、医師少数区域の医師確保に向けた兼業医師の実態把握と地域・出身大学等との関係に関する研究を通じ、医師養成課程を通じた偏在対策の効果検証のための基礎資料を得ることができた。

公開日・更新日

公開日
2023-06-19
更新日
2024-07-26

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2023-06-19
更新日
2024-07-26

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202222048Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
1,540,000円
(2)補助金確定額
1,540,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 506,990円
人件費・謝金 363,310円
旅費 95,085円
その他 219,615円
間接経費 355,000円
合計 1,540,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2024-02-28
更新日
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