子どもの心の診療に関する診療体制確保、専門的人材育成に関する研究

文献情報

文献番号
200923013A
報告書区分
総括
研究課題名
子どもの心の診療に関する診療体制確保、専門的人材育成に関する研究
課題番号
H20-子ども・一般-006
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
奥山 眞紀子(国立成育医療センター こころの診療部)
研究分担者(所属機関)
  • 柳川 敏彦(和歌山県立医科大学 保健看護学部)
  • 山田 不二子(特定非営利活動法人子ども虐待ネグレクト防止ネットワーク)
  • 市川 宏伸(東京都立梅ヶ丘病院)
  • 田中 康雄(北海道大学大学院教育学研究院附属子ども発達臨床研究センター)
  • 北山 真次(神戸大学医学部附属病院 親と子の心療部)
  • 齊藤 万比古(国立国際医療センター 国府台病院 )
  • 宮本 信也(筑波大学大学院人間総合科学研究科)
  • 庄司 順一(日本子ども家庭総合研究所)
  • 杉山 登志郎(あいち小児保健医療総合センター)
  • 亀岡 智美(大阪教育大学学校危機メンタルサポートセンター)
  • 田中 英高(大阪医科大学)
  • 齊藤 卓弥(日本医科大学 精神医学教室)
  • 青木 豊(あつぎ心療クリニック附属相州乳幼児家族心療センター)
  • 原田 謙(信州大学医学部附属病院 子どものこころ診療部)
  • 本村 陽一(独立行政法人産業技術総合研究所 サービス工学研究センター)
  • 藤原 武男(国立保健医療科学院 生涯保健部 行動科学室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
子どもの心の診療への社会的ニーズの増加に答えて、質の良い診療を全国に提供するには、効率よい対応システムが不可欠であり、厚生労働省でも「子どもの心の診療拠点病院機構推進事業」が実施されている。本研究は、その事業を支えよりよい医療を提供する目的である。
研究方法
全国16か所の専門医療機関受診患者対象に受診経路等の実態調査4323件を分析。虐待連携に関し開業医への意識調査、県型保健所の虐待予防調査、院内システムの詳細調査、モデル連携の実施。医療機関用虐待対応マニュアル素案を作成。地域虐待対応のステークホルダー分析。医療側の学校連携実態質問紙調査。CAFを基礎に連携ツールを開発し、試行。災害後データから親子各々のトラウマの相関を分析。専門医を目指す医師対象の3日間研修実施と効果判定。専門性維持向上のe-learning設置。Child Life Specialistへの他職種からの評価を分析。虐待診療の実態調査を基礎に対応手引き原案を作成。子どものトラウマ診療ガイドライン素案作成し研修受講者に講義して有用性判定。専門医向け心身症診療ガイドライン作成し専門医からの意見収集。18歳未満の自殺未遂者の分析、気分障害診療アルゴリズムとせん妄評価チェックリスト作成。文献研究で有用と考えられたチェックリスト使用して妥当性検討。行為障害へのペアレントトレーニングプログラムを開発して施行。
結果と考察
症状に気付いても受診先に困った人が68%、他の相談機関等を経由した87%中、紹介ありはその半数に過ぎない。問題に適切な医療機関にアクセスするためのシステムの不備が明確化。拠点病院事業のシステム構築への有効性を検証する必要あり。連携研究ではそれぞれの実態が明確化。連携ツールが開発され、一部マニュアル原案完成。有効性の検討が必要。ステークホルダー分析の有用性が示された。専門家育成に関し、研修の有効性が提示された。常設として定着させる必要がある。e-learning構築したが、有効性の検討が必要。各種病態への診療標準化のためのガイドライン等の案が提示された。その有効性を検討して完成が必要。
結論
子どもの心の診療のシステムの問題が明らかになった。連携実態が明らかになり、そのためのツールが開発され、一部のマニュアルの原案が出来た。医師への有効な研修が明らかになり、e-learningが構築された。各種病態への診療標準化のためのガイドライン等の原案が提示され完成に向かっている。

公開日・更新日

公開日
2010-06-04
更新日
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