長時間労働を行う医師の健康確保の手法等に関する研究

文献情報

文献番号
202222042A
報告書区分
総括
研究課題名
長時間労働を行う医師の健康確保の手法等に関する研究
課題番号
20IA2004
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
谷川 武(順天堂大学 大学院 医学研究科公衆衛生学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 中野 博(国立病院機構福岡病院呼吸器科)
  • 和田 裕雄(順天堂大学 大学院医学研究科公衆衛生学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
1,724,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
長時間労働を行う医師の健康確保を目的に、「令和元年度厚生労働科学研究 医師の専門性を考慮した勤務実態を踏まえた需給等に関する研究」において、「長時間労働の医師への健康確保措置に関するマニュアル」が作成された。同マニュアルでは、慢性の睡眠不足および疲労の客観的評価を行うことが推奨し、その一手法として、精神運動覚醒テスト(psychomotor vigilance test, PVT)の活用を提案している。本研究では、オンライン客観的評価システムを作成し、その社会実装について検証を行った。
研究方法
オンライン客観的評価システムを作成した。このシステムを用いて、個人レベルの疲労あるいはうつ症状客観的に評価できるかどうかを検討した(2020年度)。小児のコホートで、複数同時進行での対応可能性を含めてオンライン客観的評価システムの社会実装可能性につき検討した(2021年度)。さらに、実際に某大学病院で勤務する医師を対象として、最終的な社会実装の可能性について検証を行った(2022年度)。
結果と考察
2020年度の研究結果より、オンライン客観的評価システム・テスト版を用いて、個人レベルの疲労あるいはうつ症状を客観的に評価できる可能性が示された(N=8)。2021年度の研究結果より、小児のコホート(N=2,055)で、複数同時進行の環境でもオンライン客観的評価システムが作動することが示された。さらに、2022年度の研究結果より、実際に某大学病院で勤務する医師(N=396)では、本システムにより仕事の負担度等を示すことが可能であることが示された。
結論
2024年度から施行される医師の働き方改革関連制度への活用が可能と考えられた。

公開日・更新日

公開日
2023-06-15
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2023-06-15
更新日
2023-07-21

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202222042B
報告書区分
総合
研究課題名
長時間労働を行う医師の健康確保の手法等に関する研究
課題番号
20IA2004
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
谷川 武(順天堂大学 大学院 医学研究科公衆衛生学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 中野 博(国立病院機構福岡病院呼吸器科)
  • 和田 裕雄(順天堂大学 大学院医学研究科公衆衛生学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
長時間労働を行う医師の健康確保を目的に、「令和元年度厚生労働科学研究 医師の専門性を考慮した勤務実態を踏まえた需給等に関する研究」において、「長時間労働の医師への健康確保措置に関するマニュアル」が作成された。同マニュアルでは、慢性の睡眠不足および疲労の客観的評価を行うことが推奨し、その一手法として、精神運動覚醒テスト(psychomotor vigilance test, PVT)の活用を提案している。本研究では、オンライン客観的評価システムを作成し、その社会実装について検証を行った。
研究方法
オンライン客観的評価システムを作成した。このシステムを用いて、個人レベルの疲労あるいはうつ症状客観的に評価できるかどうかを検討した(2020年度)。小児のコホートで、複数同時進行での対応可能性を含めてオンライン客観的評価システムの社会実装可能性につき検討した(2021年度)。さらに、実際に某大学病院で勤務する医師を対象として、最終的な社会実装の可能性について検証を行った(2022年度)。
結果と考察
2020年度の研究結果より、オンライン客観的評価システム・テスト版を用いて、個人レベルの疲労あるいはうつ症状を客観的に評価できる可能性が示された(N=8)。2021年度の研究結果より、小児のコホート(N=2,055)で、複数同時進行の環境でもオンライン客観的評価システムが作動することが示された。さらに、2022年度の研究結果より、実際に某大学病院で勤務する医師(N=396)では、本システムにより仕事の負担度等を示すことが可能であることが示された。
結論
2024年度から施行される医師の働き方改革関連制度への活用が可能と考えられた。

公開日・更新日

公開日
2023-06-19
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202222042C

成果

専門的・学術的観点からの成果
従来は、慢性の疲労および睡眠不足を自記式質問紙で調査していた。しかし、医師の働き方改革における「長時間労働の医師への健康確保措置」では、個人レベルでの介入が前提となる。そこで、「長時間労働の医師への健康確保措置に関するマニュアル」では、客観的な評価手法の導入を推奨しており、その一つが精神運動覚醒テスト(psychomotor vigilance test, PVT)である。本研究はPVTを疫学レベルの研究に活用可能性を示した専門的・学術的観点からも有意義な結果が得られたと考えられる。
臨床的観点からの成果
本研究では、長時間労働の医師が実施可能なオンラインPVTの開発を行い、①オリジナルのPVTとの比較 ②2,000名を超す集団におけるPVTを用いた調査 ③実際に某大学病院の勤務医(n=400)を対象にPVTを用いた調査を実施 することを通じて、その社会実装可能性を検証した。本研究は、PVTが心理学的健康と関連することを示しており、臨床各領域での活用可能性が示唆された。
ガイドライン等の開発
令和6年施行の医師の働き方改革における「長時間労働の医師への健康確保措置」の目的で、「長時間労働の医師への健康確保措置に関するマニュアル」および同改訂版が作成された。いずれも、客観的な評価手法の導入が推奨されている。本研究では、その一つである精神運動覚醒テスト(psychomotor vigilance test, PVT)のエビデンスを提供した。
その他行政的観点からの成果
本研究では、オンラインPVTの開発を行い、長時間労働の医師が実施可能かつ社会実装の可能性について検証を行った。令和6年施行の医師の働き方改革における「長時間労働の医師への健康確保措置に関するマニュアル」および同改訂版でのPVTに関するエビデンスが得られた。
その他のインパクト
第95回日本産業衛生学会(2022年5月26日、高知)にてシンポジウム「医師の働き方改革―面接指導実施医師に求められる役割―」を開催し、「過重労働・睡眠負債の健康影響」と題して、本研究調査について紹介・議論を行った。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
1件
第95回日本産業衛生学会(2022年5月26日、高知)
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
1件
講演1件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2023-06-22
更新日
-

収支報告書

文献番号
202222042Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
2,240,000円
(2)補助金確定額
1,724,000円
差引額 [(1)-(2)]
516,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 400,000円
人件費・謝金 1,000,000円
旅費 200,000円
その他 124,000円
間接経費 516,000円
合計 2,240,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2023-07-20
更新日
-