文献情報
文献番号
200923008A
報告書区分
総括
研究課題名
重症新生児に対する療養・療育環境の拡充に関する総合研究
課題番号
H20-子ども・一般-001
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
田村 正徳(埼玉医科大学 総合医療センター 小児科)
研究分担者(所属機関)
- 楠田聡(東京女子医科大学母子総合医療センター)
- 茨聡(鹿児島市立病院)
- 板橋家頭夫(昭和大学医学部小児科)
- 杉本健郎(すぎもとボーン・クリニーク)
- 前田浩利(医療法人千葉健愛会あおぞら診療所新松戸)
- 飯田浩一(大分県立病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
13,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
コーディネーターを介して、地域小児救急中核病院が増悪時の一時的緊急入院を分担し,病状が落ち着けば療育施設や在宅医療支援診療所や訪問看護師の協力を得てケアホームや在宅医療へ戻る循環型の支援システムモデルを提言する。
研究方法
A.NICU長期入院児の動態調査
B.NICUと在宅医療・療育施設の中間小児科施設の実態調査と移行推進策の研究
C.療育施設を対象とした受け入れ阻害要因の解析と解決策に関する研究
D.NICU長期入院児の在宅医療の課題と普及法に関する研究
E.コーディネーターの有効活用の実態調査とコーディネーター養成プログラムを作成
B.NICUと在宅医療・療育施設の中間小児科施設の実態調査と移行推進策の研究
C.療育施設を対象とした受け入れ阻害要因の解析と解決策に関する研究
D.NICU長期入院児の在宅医療の課題と普及法に関する研究
E.コーディネーターの有効活用の実態調査とコーディネーター養成プログラムを作成
結果と考察
A.NICU長期入院児の動態は1)全国での年間発生数は約210例と推計され(2.1例/出生1万)、2)2年後には13.0%に減少。3) 年間約100-120例が新生児医療施設から移行できず、長期入院を続けると推測された。4)基礎疾患が新生児仮死である症例が新生児医療施設内に留まる傾向が強い。医学的には在宅人工呼吸が可能な患者が在宅医療に移行できない理由としては、家庭的要因が半数以上を占める。保護者は、在宅医療に対する負担の大きさや不安が強い。
B.小児科学会認定指導医のいる地域小児中核病院の約1/3は“中間施設候補”と考えられ、他の約1/3は条件次第でなりうると判明した。地域格差が大きく、昨今の産科の救急患者受け入れ拒否の地域格差の遠因が示唆された。
C. 療育施設では、入所者の高齢化と超重症児など濃厚医療が必要な入所児が増加している。乳幼児の受け入れには、看護師・医師不足の改善、医療器材などのハード面の改善、診療報酬などの改善、家族の理解などが必要とされた。
D.全国の在宅療養支援診療所で小児の在宅医療を10人以上おこなっているのは31箇所にすぎず小児科医の在宅医療参入の政策誘導が必要である。NICU長期入院児の在宅医療に向けたスタッフと家族の意識付けのガイドライン案と医療職への医療的ケア研修にむけての入門編テキストと在宅医療支援マニュアルと栄養管理マニュアル案を作成した。こうした情報提供・収集・交換のために会員制Website http://www.happy-at-home.jpを開設した。
E.平成21年度でNICU入院児支援コーディネーターを配置しているのは3県であった。
B.小児科学会認定指導医のいる地域小児中核病院の約1/3は“中間施設候補”と考えられ、他の約1/3は条件次第でなりうると判明した。地域格差が大きく、昨今の産科の救急患者受け入れ拒否の地域格差の遠因が示唆された。
C. 療育施設では、入所者の高齢化と超重症児など濃厚医療が必要な入所児が増加している。乳幼児の受け入れには、看護師・医師不足の改善、医療器材などのハード面の改善、診療報酬などの改善、家族の理解などが必要とされた。
D.全国の在宅療養支援診療所で小児の在宅医療を10人以上おこなっているのは31箇所にすぎず小児科医の在宅医療参入の政策誘導が必要である。NICU長期入院児の在宅医療に向けたスタッフと家族の意識付けのガイドライン案と医療職への医療的ケア研修にむけての入門編テキストと在宅医療支援マニュアルと栄養管理マニュアル案を作成した。こうした情報提供・収集・交換のために会員制Website http://www.happy-at-home.jpを開設した。
E.平成21年度でNICU入院児支援コーディネーターを配置しているのは3県であった。
結論
NICU長期入院児の動態や療育施設と中間施設候補と在宅医療支援体制の問題点と潜在的な社会資源を明らかにした。今後はこれらの社会資源の拡大と有効活用の方策を明確にする必要がある。
公開日・更新日
公開日
2010-05-31
更新日
-