文献情報
文献番号
200923006A
報告書区分
総括
研究課題名
タンデムマス等の新技術を導入した新しい新生児マススクリーニング体制の確立に関する研究
課題番号
H19-子ども・一般-006
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
山口 清次(国立大学法人島根大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 重松 陽介(国立大学法人福井大学 医学部)
- 原田 正平(国立成育医療センター研究所 成育政策科学研究部)
- 大日 康史(国立感染症研究所 感染症情報センター)
- 加藤 忠明(国立成育医療センター研究所 成育政策科学研究部)
- 高田 哲(神戸大学大学院 保健学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
14,850,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
タンデムマスや聴覚スクリーニングなどの新しいスクリーニング技術を導入して、わが国の新生児マススクリーニングを効率化するための提言をすること。
研究方法
タンデムマスによる新生児スクリーニングのパイロット研究を進め、診療支援体制、検査施設の適正配置等の体制整備の研究、費用対効果の検討、および聴覚スクリーニングの体制整備と社会啓発について検討した。
結果と考察
1)タンデムマス検査施設が前年よりも1ヶ所増えて7施設がパイロット研究に参加した。平成21年に本研究班で22.8万人の新生児をタンデムマスで検査した。これは全国の出生数107万の約1/5にあたる。タンデムマス検査をしている自治体としていない自治体の格差に配慮する必要がある。
2)VLCAD欠損症症例を対象に血液ろ紙と血清のデータを経時的に比較検討したところ、再検する時には血液ろ紙よりも血清分析の方が好ましいデータを示した。
3)新たに加わる対象疾患について発症してから初めて診断された患者とスクリーニングで発見された患者の予後を比較検討したところ、新生児スクリーニングの効果は明らかであった。
4)対象疾患の確定診断のための遺伝子診断体制の試みとして立ち上げたNPO法人が軌道に乗りつつある。また簡便な酵素活性測定法も対象疾患を拡大しつつある。検査法・治療法の有効性・安全性の確認が必要である。
5)タンデムマス・スクリーニングの意義を社会啓発するために、主に自治体に向けた「タンデムマスQ&A」を刊行した。
6)ムコ多糖症スクリーニング技術が確立され、小規模であるがパイロットスタディーを開始した。現時点では本スクリーニングの費用対効果は良いとはいえない。実施については、将来別の観点から判断されるべきである。
7)検査施設をタンデムマス1台あたり年間3万検体以上検査できるように配置すれば、現行のガスリー検査等の費用が不要となるため、増分は1,000円以内ですむと試算された。検査施設の集約化が重要である。
8)聴覚スクリーニングの社会啓発を目的として、医療、教育関係者、家族を対象に「赤ちゃん、聴こえているかな?」を刊行した。
2)VLCAD欠損症症例を対象に血液ろ紙と血清のデータを経時的に比較検討したところ、再検する時には血液ろ紙よりも血清分析の方が好ましいデータを示した。
3)新たに加わる対象疾患について発症してから初めて診断された患者とスクリーニングで発見された患者の予後を比較検討したところ、新生児スクリーニングの効果は明らかであった。
4)対象疾患の確定診断のための遺伝子診断体制の試みとして立ち上げたNPO法人が軌道に乗りつつある。また簡便な酵素活性測定法も対象疾患を拡大しつつある。検査法・治療法の有効性・安全性の確認が必要である。
5)タンデムマス・スクリーニングの意義を社会啓発するために、主に自治体に向けた「タンデムマスQ&A」を刊行した。
6)ムコ多糖症スクリーニング技術が確立され、小規模であるがパイロットスタディーを開始した。現時点では本スクリーニングの費用対効果は良いとはいえない。実施については、将来別の観点から判断されるべきである。
7)検査施設をタンデムマス1台あたり年間3万検体以上検査できるように配置すれば、現行のガスリー検査等の費用が不要となるため、増分は1,000円以内ですむと試算された。検査施設の集約化が重要である。
8)聴覚スクリーニングの社会啓発を目的として、医療、教育関係者、家族を対象に「赤ちゃん、聴こえているかな?」を刊行した。
結論
研究班の最終年度にあたり、スクリーニングで発見された患児の適切な診療、療育体制について充実を図った。研究成果をもとに社会啓発を目的として、「タンデムマスQ&A」および「赤ちゃん、聴こえているかな?」を刊行した。
公開日・更新日
公開日
2010-06-01
更新日
-