医療安全支援センターの機能評価及び質改善のためのICTを用いた地域連携と情報収集の体制構築に関する研究

文献情報

文献番号
202222031A
報告書区分
総括
研究課題名
医療安全支援センターの機能評価及び質改善のためのICTを用いた地域連携と情報収集の体制構築に関する研究
課題番号
22IA1005
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
荒神 裕之(国立大学法人 山梨大学 大学院総合研究部医学域)
研究分担者(所属機関)
  • 松村 由美(京都大学医学研究科皮膚科学)
  • 菊池 宏幸(東京医科大学 公衆衛生学分野)
  • 天笠 志保(帝京大学 公衆衛生学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
5,542,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

概要版(繰越課題)
(1)当該研究の成果;支援センターに関する法制化以降、支援センター設置の経時的変化はこれまであまり検討されていなかったが、今回、全国の支援センターの設置状況について、平成18(2006)年から令和4(2022)年までの経年変化の検討を行い右肩上がりの増加を認めた。具体的には、2006年時点で全ての都道府県で設置済みであった一方、保健所設置市区における設置率については、56%から71%まで増加していた。この結果は、第81回日本公衆衛生学会総会で発表した。
 相談機能等の地域差については、令和2 (2020)年度都道府県単位での相談件数について、厚生労働省が同年に実施した「患者調査」の推計患者数で除することで県別の相談機能を指標化し、47都道府県での比較を可能にした。この結果、高知県、福島県、宮城県、東京都、千葉県のセンター機能が高い可能性が示唆された。そこで、これら支援センター機能が高いとみられる都道府県及び保健所設置市区に関し、任意の研究協力が得られた支援センターに関してフィールド調査を実施した。フィールド調査を通じて、各支援センターにおいて特色のある運営上の工夫が明らかになった一方で、支援センター運営上の課題に関して、相談対応者の数などの体制上の課題や、リピーター相談者への対応に伴う心理的、時間的負担の課題など、各支援センターに共通するとみられる内容も明らかとなった。また、ICTの利活用に関して、ハードウェアの整備や通信速度などのネットワーク環境、利用されているソフトウェアの多様性、セキュリティ上の障壁など、本研究を遂行していくにあたり、支障となりうる課題が複数、明らかとなった。
 総合支援事業により収集された教訓的事例の取りまとめを完了し、支援センターでの利活用に向けた準備を整えた。
(2)当該研究の利用上の効果;北海道(道庁及び札幌市)、宮城県(県庁及び仙台市)、東京都、高知県(県庁及び高知市)、横浜市、松本市の各支援センターのフィールド調査で得られた支援センターの運営上の工夫について、第8次医療計画の検討会資料に活用された。
(3)交付申請時の研究の概要との関連;本年度は、交付申請時の研究概要に示した内容に即して概ね結果が得られた。一方で、支援センター運営の参考にする見込みであったイギリスNHSにおけるPALS(Patient Advice and Liaison Service)運営に関する調査が新型コロナウイルス感染症まん延による影響を受けて遅延したほか、フィールド調査において支援センターにおけるICTの利活用推進に向けた課題が複数、明らかとなったことから、次年度以降に改めて本研究の推進に向けた方策を検討する必要がある。

公開日・更新日

公開日
2023-06-20
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2023-06-20
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202222031Z