法制化後の小児慢性特定疾患治療研究事業の登録・管理・評価・情報提供に関する研究

文献情報

文献番号
200923002A
報告書区分
総括
研究課題名
法制化後の小児慢性特定疾患治療研究事業の登録・管理・評価・情報提供に関する研究
課題番号
H19-子ども・一般-002
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
藤本 純一郎(国立成育医療センター 研究所)
研究分担者(所属機関)
-
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
19,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

文献情報

文献番号
200923002B
報告書区分
総合
研究課題名
法制化後の小児慢性特定疾患治療研究事業の登録・管理・評価・情報提供に関する研究
課題番号
H19-子ども・一般-002
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
藤本 純一郎(国立成育医療センター 研究所)
研究分担者(所属機関)
-
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

行政効果報告

文献番号
200923002C

成果

専門的・学術的観点からの成果
延べ110万人以上の電子データを国立成育医療センターのサーバー内で縦断的に蓄積することにより、データ入力時の重複症例など入力ミスを発見したり、各地域での転出入症例を把握・連結したり、一部の疾患群では非継続症例を把握して経過や転帰を調査した。悪性新生物では、予後改善に伴い、不妊症や二次がん等の早期発見のための長期診療継続の必要性、また、患者が多数の施設に少人数ずつ分散している問題点を解析した。慢性腎疾患では、ネフローゼ症候群の肥満の問題点を分析し、また、推定糸球体濾過量を算出して腎機能と比較した。
臨床的観点からの成果
若年性特発性関節炎(JIA)の7病型を本邦で初めて明らかにし、生物学的製剤の適応や安全性の確立への資料を提供した。2型糖尿病の問題点を分析した。先天性代謝異常では、新生児マススクリーニング(MS)での患児数と比較し、MSで発見されない病型の可能性を指摘した。新生児MSで発見された症例に関して今後の追跡調査のあり方を検討し、また、MS以外で発見された対象疾患の調査により今後の改善点等を解析した。今後のより良い登録のあり方として、インターネットを利活用した登録システムの開発を検討した。

ガイドライン等の開発
小慢事業の今後の見直しに備えて各種の資料を作成した。成長ホルモン療法後の身長増加率や成人身長を明らかにし、小慢事業による給付の妥当性を評価する資料を提供した。FDAによる警告を受けて開催された医薬品医療機械総合機構での11月2日の安全部会専門協議会において、本邦のJIAにおける生物学的製剤の悪性疾患やMASの発生状況を報告し、本邦では添付書改訂は不要である結論を得た。「病気の児童生徒への特別支援教育-病気の子どもの理解のために」を全国特別支援学校病弱教育校長会と共同作成、公表した。
その他行政的観点からの成果
年度ごと、都道府県等ごとに性別、年齢階級別の全国の小慢事業登録数を報告した。厚生労働省や地方自治体からの小慢事業に関する各種の問い合わせに回答し、また、登録ソフトのインストールや動作の不具合に関して実施主体をサポートした。新たに中核市となり、実施主体となった自治体に配布する登録ソフトを厚生労働省を通じて適宜提供した。保健所等から患児家族へ配布できる小慢事業をわかりやすく説明するパンフレットを作成した。日本全国の慢性疾患児の状況を把握、解析し、医療現場や行政、また社会に情報提供を行った。

その他のインパクト
保育系、福祉系、看護系などの一般の大学・短期大学・専門学校の教科書・参考書の中に研究成果を適宜取り入れ、小児の慢性疾患の現状を幅広く伝えた。また、従来に比べればはるかに長期生存が可能になったものの各種の問題をかかえながら生活している慢性疾患児の状況に関して、統計資料等に基づきながら社会に情報提供することによって、社会全体での支援体制作りの資料とした。小児慢性特定疾患の統計情報はインターネット等で公開しており、ことに稀少疾患の患児家族からのアクセスは比較的多い。

発表件数

原著論文(和文)
5件
原著論文(英文等)
16件
その他論文(和文)
47件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
61件
学会発表(国際学会等)
17件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
10件
その他成果(普及・啓発活動)
999件
パンフレット等:3、講演等:14 ホームページ:1259

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Gu YH, Harada S, Kato T,et al.
Increased Incidence of Extrathyroidal Congenital Malformations in Japanese Patients with Congenital Hypothyroidism and Their Relationship with Down Syndrome and Other Factors.
THYROID , 19 (8) , 869-879  (2009)
原著論文2
Kasahara M, Nakagawa A, Matsui A,et al.
Living Donor Liver Transplantation for Congenital Absence of Portal Vein with Situs Inversus.
Liver Transplantation , 15 (11) , 1641-1643  (2009)
原著論文3
Nakajima M, Yamada M, Ariga T,et al.
Possible application of flow cytometry for evaluation of the structure and functional status of WASP in peripheral blood mononuclear cells.
Eur J Haematol , 87 , 223-230  (2009)
原著論文4
Morinishi Y, Imai K, Ariga T,et al.
Identification of severe combined immunodeficiency by T-cell receptor excision circles quantification using neonatal Guthrie cards.
J Pedatr , 155 , 829-833  (2009)
原著論文5
Minegishi Y, Kawamura N, Ariga T,et al
Molecular explanation for the contradiction between systemic Th17 defect and localized bacterial infection in hyper-IgE syndrome.
J Exp Med , 206 , 1291-1301  (2009)
原著論文6
Toita N, Kawamura N, Ariga T,et al.
A five-year old boy with unicentric Castleman’s disease affecting the mesentery: Utility of serum IL-6 level and 18F-FDG PET for diagnosis.
J Pediatr Hematol Oncol , 31 , 6936-6950  (2009)
原著論文7
Shirkoohi R, Endo R, Ariga T,et al.
Antibodies against structural and nonstructural proteins of human bocavirus in human sera.
Clin Vaccine Immunol , 17 , 190-193  (2010)
原著論文8
Maekawa K, Kawamura N, Ariga T,et al.
X-linked agammaglobulinemia in a 10-year-old boy with a novel non-invariant splice-site mutation in Btk gene.
Blood Cell Mol Dis  (2010)
原著論文9
加藤忠明、原田正平、掛江直子、他
小児慢性特定疾患治療研究事業に再登録されなかった慢性腎疾患患児の経過
小児保健研究 , 68 (4) , 489-492  (2009)
原著論文10
加藤忠明、原田正平、掛江直子、他
小児慢性特定疾患治療研究事業に再登録されなかった慢性呼吸器疾患患児の経過
小児保健研究 , 68 (5) , 595-598  (2009)
原著論文11
武井修治
小児における生物学的製剤の現状と将来像
アレルギー・免疫 , 178 (2) , 172-179  (2010)
原著論文12
武井修治
若年性特発性関節炎に対する生物学的製剤の展開
日本小児科学会雑誌 , 113 (10) , 1538-1544  (2009)
原著論文13
乾あやの, 位田 忍, 松井 陽, 他
本邦における小児期の劇症肝不全
日本腹部救急医学会雑誌 , 29 (4) , 583-589  (2009)

公開日・更新日

公開日
2015-06-11
更新日
-