認知症の本人の自己対処および生活支援に関する研究

文献情報

文献番号
200922012A
報告書区分
総括
研究課題名
認知症の本人の自己対処および生活支援に関する研究
課題番号
H21-認知症・一般-004
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
永田 久美子(社会福祉法人浴風会 認知症介護研究・研修東京センター 研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 遠藤 英俊(国立長寿医療研究センター 内科総合診療部長)
  • 三浦 研(大阪市立大学大学院 生活科学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 認知症対策総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
6,661,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
認知症の本人が有する力を活かして自己対処していくための支援のあり方を確立することをめざして、平成21年度は、本人自身からみた生活上の課題と自己対処、求められている支援内容に関する把握と整理を行う。
研究方法
以下の2調査を実施し、質的データの抽出・分類整理を行う。1)文献・資料等調査:関連する国内外の学術論文、書籍、手記、ブログ、映像などをの収集・分析。2)当事者調査:認知症の本人・家族・ケア関係者15組を対象に、継続的な参与参与観察調査および聴き取り調査を行う。
結果と考察
1)文献・資料等調査を通じて、認知症の発症から中期段階までの経過にそって、本人の視点からみた生活課題と自己対処、求めている支援の具体的な内容が把握・整理され、生活課題リストや自己対処・自己対処支援の標準ツールを開発していくいための基礎資料データをうることができた。
2)当事者調査を通じて、認知症の軽度、中程度、重度レベルの本人が、本人なりのユニークな生活課題を有していること、それらに対し自分なりの工夫や努力をしながら暮らしの場面に対応しようとしていることが多様にあることが確認された。家族やケア関係者が気づいていない点ならびに本人が求めている支援と家族やケア関係者の関わりがずれている点も明らかになった。具体的場面・内容にそって整理・分類を行うとともに1)の知見と照合・統合を行い、本人の自己対処に関する基礎的な情報データベースを作成することができた。
結論
認知症の本人は、周囲がとらえている以上に多面的な生活上の課題を有し、認知症のレベルによらず自己対処をおこなっている実態と支援における課題が明らかになった。今年度の基礎的情報データベースをもとに、平成22年度は生活課題リスト作りや自己対処およびその支援策の標準ツールの開発を進める。

公開日・更新日

公開日
2010-05-31
更新日
-