文献情報
文献番号
200921038A
報告書区分
総括
研究課題名
「骨粗鬆症椎体骨折に対する低侵襲治療法の開発」
研究課題名(英字)
-
課題番号
H21-長寿・一般-008
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
四宮 謙一(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科整形外科学)
研究分担者(所属機関)
- 永田 見生(久留米大学医学部 整形外科)
- 市村 正一(杏林大学医学部 整形外科)
- 徳橋 泰明(日本大学医学部整形外科学系 整形外科学分野)
- 武政 龍一(高知大学医学部 整形外科)
- 大川 淳(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科整形外科学)
- 千葉 一裕(慶応義塾大学医学部 整形外科)
- 中村 博亮(大阪市立大学大学院医学研究科 整形外科学教室)
- 戸川 大輔(函館中央病院 脊椎センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
27,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
骨粗鬆症椎体骨折は要介護状態の原因として最も頻度が高い運動器疾患の一つである。その大きな原因は①早期診断が的確でない、②適切な保存的治療がおこなわれていない、③最初から手術的治療を行うべきであった、などが考えられる。そこで本研究の目的は、保存的治療法の適応基準設定と安全で低侵襲な手術法を開発することにより、寝たきり状態の撲滅を目指すものである。
研究方法
1)保存的療法の有効性
日整会プロジェクト研究結果より保存的治療法に抵抗して偽関節へと移行する症例の解析を行っている。治療成績には画像、骨代謝マーカーや自覚的評価も加味した多方面から評価する。本研究により椎体骨折の予後をより正確に予測でき、早期手術療法の適応についても有益な情報が得られると考えている。
2)各種低侵襲性手術法の開発
①内視鏡によるリン酸カルシウムセメント(CPC)注入②バルーンカイフォプラスティー後のCPC注入③経皮的CPC注入④ハイドロキシアパタイト挿入⑤バルーンカイフォプラスティー後の骨セメント注入、を行っており、各方法の有効性、適応症例について検討を行っている。
その他、手術に使用される骨補てん材の有効性評価についても基礎的な研究を行っている。
日整会プロジェクト研究結果より保存的治療法に抵抗して偽関節へと移行する症例の解析を行っている。治療成績には画像、骨代謝マーカーや自覚的評価も加味した多方面から評価する。本研究により椎体骨折の予後をより正確に予測でき、早期手術療法の適応についても有益な情報が得られると考えている。
2)各種低侵襲性手術法の開発
①内視鏡によるリン酸カルシウムセメント(CPC)注入②バルーンカイフォプラスティー後のCPC注入③経皮的CPC注入④ハイドロキシアパタイト挿入⑤バルーンカイフォプラスティー後の骨セメント注入、を行っており、各方法の有効性、適応症例について検討を行っている。
その他、手術に使用される骨補てん材の有効性評価についても基礎的な研究を行っている。
結果と考察
骨粗鬆症は不適切な治療により要介護状態になる危険性の高い疾患である。そのため早期診断と適切な保存療法を確立し、その一方で手術適応が選択されるべき症例を早期に診断できることが望まれる。保存療法は治療法にかかわらず約80%に変形が起こり、脊柱変形の予後は受診後最初の4週以内に起こる変形の程度で決まる。できるだけ厳重な外固定により変形を最小化できると考えられる。また対象が高齢者であることを考慮すると、手術侵襲はできるだけ軽微でしかも有効であることが望ましい。本研究の成果として、骨粗鬆症椎体骨折に対する適切な保存的治療、低侵襲手術による臥床期間の短縮、運動機能の低下の防止と再獲得、痴呆防止などが実現できると考えている。
結論
骨粗鬆性椎体骨折症例に対する保存的治療の基本的な治療体系がパイロットスタディーにより解明されつつある。初年度であり、手術症例が未だ少数であるので、各種低侵襲手術の適応症例がいまだ明らかではないが、少数例ではあるが有効であることが証明されてきた。
公開日・更新日
公開日
2010-05-25
更新日
-