ブロック拠点病院のない自治体における中核拠点病院の機能評価と体制整備のための研究~オール四国の体制の整備~

文献情報

文献番号
202220014A
報告書区分
総括
研究課題名
ブロック拠点病院のない自治体における中核拠点病院の機能評価と体制整備のための研究~オール四国の体制の整備~
課題番号
21HB1007
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
高田 清式(国立大学法人 愛媛大学 医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 武内 世生(高知大学 医学部附属病院 総合診療部)
  • 尾崎 修治(徳島県立中央病院 血液内科)
  • 今滝 修(香川大学 医学部)
  • 末盛 浩一郎(愛媛大学大学院医学系研究科)
  • 井門 敬子(社会医療法人 仁友会 南松山病院)
  • 若松 綾(愛媛大学医学部附属病院 看護部)
  • 中村 美保(高知大学医学部附属病院)
  • 小野 恵子(愛媛大学医学部附属病院 総合診療サポートセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策政策研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
6,579,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
四国地区は近年HIV・エイズ患者の増加が著しく、かつ高齢化率が32.2~35.9%であり、長期療養が必要な例が多く、施設への紹介・受け入れが難渋している。この背景のもと、各県の研究分担者と連携して四国内の病院・施設との連携整備、さらには県・市の保健行政との連携も踏まえ、ブロック拠点病院が存在しない四国地区全体の診療体制の充実を図りたい。
研究方法
【研究1】拠点病院を中心とした教育講演、意見交換、研修教材の作製
意見交換を図るために各ネットワーク会議や講演会を開催し、意見交換を行う。研修教材も作成する。
【研究2】四国の高齢者施設におけるHIV感染症等に関する研修会と実態調査
高齢者施設から現場の福祉・介護担当者に参加いただき研修会を開催する(知識啓蒙とHIV感染者を支援する自覚を促す目的)。
【研究3】福祉療養施設への出張研修、意見交換
 介護・受け入れを推進するため療養型病院や福祉施設へ直接出張講義を行う。医師・看護師・薬剤師・MSW等のHIV診療チームとして出張講義をし、HIV感染者の福祉・介護に関し調査する。
【研究4】地域で実践的なポケット版小冊子の作製
積極的に円滑な介護をしてもらう目的で、実用的なHIVに関するポケット小冊子を作製する。
【研究5】在宅介護職の実施研修
HIV患者の介護を円滑にしてもらうため、在宅介護職の各看護師に実施研修を行う。
結果と考察
【研究1】
愛媛県の行政の協力を得てHIV診療ネットワーク会議(県全域の各拠点病院が参加)を令和5年2月22日にWEB会議で行い、HIV感染者の現況報告、各拠点病院のアンケート集計、当院のHIV診療の現況などの話題提供・意見交換を行った。高知県では「県HIV感染症研修会」を、令和5年2月11日に開催した(高知県の現状と治療薬について看護師と薬剤師が報告。兵庫医科大学病院澤田暁宏先生による「HIV感染症とCOVID-19について」の講演)。また、四国内の意見交換目的で、令和5年2月5日に四国地区エイズ診療中核拠点病院HIV担当看護師連絡会をWEB会議にて行い4県7名の看護師(他に医師2名)が参加し、各病院の実情や行政との連携に関して討議した。同日午後に四国地区エイズ診療中核拠点病院HIV診療医師研修会を開催し各地区から計3例(外国籍のAIDSと癌の合併例、HIV-2症例、非結核性抗酸菌とCMV感染の難治例等)を提示し、照屋勝治先生(国立国際医療研究センター)にも参加・コメントしてもらい、四国の医師9名と他に看護師(午前から継続参加)、薬剤師、MSWも参加のもと合同で症例の討議を行った。「在宅介護に役立つ薬の情報~抗HIV薬の基礎知識~」を作製し県内の各介護施設および全国の中核拠点病院に配布した。
【研究2】
介護保険サービス従事者を対象に松山保健所とエイズ対策セミナー「介護保険サービスに役立つ感染症の話題」を令和5年2月10日に開催した。なお内容に基づいた冊子を作成し(講演内容を補足する目的)各高齢者施設に配布し最先端のHIV感染症の知識の啓蒙を行った。
【研究3】
 高知県ではは訪問支援の形で、HIV患者を受け入れている施設に対し、障害施設では3~4か月に1回多職種カンファレンスを開催し(入所中の状況や退所に向けての課題等を検討)、地域医療機関へは2週間に1回訪問し、必要な支援(治療、病室訪問、心理士との面談、HAND検査、在宅療養支援等)を実施した。
【研究4】
 愛媛および四国での実用的な(最新の愛媛や四国の現況や針刺し事故時の感染予防内服薬を配備している病院名など具体的に刷り入れた)HIVに関するポケット冊子(携帯できるように18x10cm大で三つ折り)を作製し県内および四国の主なHIV診療施設に配布した(安心して介護ができるように、針刺し事故後の感染確率や高齢化が進み全国で50歳以上のHIV感染者が35%を占めているグラフも紹介し、高齢化対応の四国地方での必要性を強調)。
【研究5】
 愛媛県内の在宅介護職の看護師2名に令和4年10月24日に当院のHIV患者の実地研修(外来、病棟)と講義・討議を実施した。(3回予定したが新型コロナウイルス蔓延にて1回のみ実施)。高知県では、2施設3名の訪問看護師が参加し実地研修を行った。
結論
ブロック拠点病院がない地域において、HIV診療体制整備のために高齢介護施設の介護・福祉担当者への講演・資料配布、受け入れ先への出張講義、ポケット版小冊子の配布等を行い、介護のための知識・経験を共有できた。高齢化社会に向かい介護・療養が必要なHIV感染・エイズの増加に対応するため、診療体制の整備は、特にブロック拠点病院が身近に存在しない四国においては拠点病院間のみならず介護・福祉施設との福祉連携の充実が不可欠であり、研究を継続し地方のモデルという点でもさらに向上に努めたい。

公開日・更新日

公開日
2024-04-01
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2024-04-01
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202220014Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
8,552,000円
(2)補助金確定額
8,552,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 611,052円
人件費・謝金 2,405,392円
旅費 698,660円
その他 2,863,896円
間接経費 1,973,000円
合計 8,552,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2024-04-01
更新日
-