良質な精神保健医療福祉の提供体制構築を目指したモニタリング研究

文献情報

文献番号
202218056A
報告書区分
総括
研究課題名
良質な精神保健医療福祉の提供体制構築を目指したモニタリング研究
課題番号
22GC2004
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
西 大輔(東京大学大学院医学系研究科 精神保健学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 立森 久照(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター病院 臨床研究・教育研修部門情報管理・解析部)
  • 福田 正人(国立大学法人 群馬大学 大学院医学系研究科)
  • 高瀬 顕功(大正大学 社会共生学部)
  • 吉田 光爾(東洋大学 ライフデザイン学部)
  • 瀬戸 秀文(福岡県立精神医療センター太宰府病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
34,167,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は精神科と他の診療科との連携、地域の多様な生活支援との連携による良質かつ適切な精神医療の持続的な確保のための要件を明らかにすることである。また、その促進を図るモニタリングの体制と、今後の医療計画および障害福祉計画に資する指標を提案することを目的とした。
研究方法
医療計画に資する指標と基準病床算定式の提案については、班会議での議論や各領域の専門家からの意見、他の分担研究と密接に連携をしながら検討をおこなった。また、新規算定式における、認知症患者とそれ以外の患者の将来推計における調整パラメータを検討した。
630調査は、各都道府県・政令指定都市に各集計データの活用状況及び調査対象定義に関する自治体事前アンケートを実施して各自治体ニーズの把握を行い、その結果を踏まえて項目整理と調査フォームの最適化を行い、調査を開始した。
重症度研究については、昨年度の研究で実施したフィージビリティスタディの結果を対象として、項目の縮約や評価の簡便化を行うことができるかを検討する再解析を行い、昨年度に作成した重症度評価の尺度と手引きの案について、臨床現場で利用可能な案の作成について検討を行った。
NDB分析については、NDBデータを用いて第7次医療計画および第8次医療計画指標を算出するために、匿名レセプト情報等第三者提供窓口への相談を経て利用申請を行い、データを受領するための手続きを行った。
ReMHRADは各分担研究と連携をして、経年データの表示機能や第8次医療計画指標や「にも包括」における自治体状況の表示機能の設計等を検討し、データを反映するための準備を行った。
措置入院患者コホートについては、病状や状態の変化、提供された医療等のサービス、また退院後の転帰に関する前向きコホート調査を引き続き実施し結果の分析を行った。
結果と考察
医療計画指標については、ストラクチャとプロセスを4領域に整理し、第7次医療計画の各疾患、各領域の指標は、『診療機能』の中に包括して配置した。また、いくつかの新たな指標を追加案として提案し、特に保健福祉領域の指標の充実を図った。基準病床算定式については、認知症患者とそれ以外の患者の将来推計における調整パラメータ(m及びd)を検討し、2029年の人口あたりの慢性期の推定入院患者数(X)と一定の水準(A)を比較しパラメータと案をまとめた。また、病床利用率について提案を行った。
令和4年度630調査については、都道府県・政令指定都市への本調査前に行ったアンケート結果を参考に、調査対象施設の定義をより明確化した。また昨年度までの調査結果を踏まえ項目の最適化を行った。また12月末までに調査票の回収が終了し、年度内に精神病床を有する医療機関の集計結果を公表した。
重症度研究については、昨年度の研究で実施したフィージビリティスタディの結果にもとづいて、臨床現場で利用可能な案の作成を行った。その結果に基づき再検討を行い、最終的に精神科医療ニーズ7項目と精神科心理社会的支援ニーズ7項目の合計14項目に縮約することができた。
NDB分析については、大正大学が提供申出者となった、2021年5月診療分までのデータの利用申出について、2021年10月29日に承諾通知を得たものについてコードリスト整備を行った。さらに、2022年12月診療分までデータの利用申出について2022年10月28日に承諾通知を得て倫理審査委員会の承諾を得た。また、NCNPが提供申出者となり,2023年5月診療分までのデータの利用申出を行った。
ReMHRADは各分担研究と連携をして、経年データの表示機能や第8次医療計画指標や「にも包括」における自治体状況の表示機能の設計等を検討し、データを反映するための準備を行った。また本田班(「地域特性に応じた発達障害児の多領域連携における支援体制整備に向けた研究」)と連携し、発達障害における地域リソースの表示に関する検討を行った。
措置入院者の前向きコホート研究については、調査期間内に登録された措置入院患者523例のうち、退院2年後495例の回答を受けており、退院2年後の治療継続状況ならびに生存状況について、解析を行う予定である。
結論
第7次医療計画の指標ならびに基準病床算定式について再検討と議論を経て、第8次医療計画に向けての指標、算定式の提言することができた。また各分担研究においても、3年計画の1年目の研究として今後各研究課題を遂行するための基盤を整備し、次年度以降の準備を行った。

公開日・更新日

公開日
2023-10-09
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し
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公開日・更新日

公開日
2023-10-09
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202218056Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
38,050,000円
(2)補助金確定額
38,050,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 131,890円
人件費・謝金 1,416,904円
旅費 924円
その他 30,117,282円
間接経費 6,383,000円
合計 38,050,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2024-01-18
更新日
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