現状の障害認定基準の課題の整理ならびに次期全国在宅障害児・者等実態調査の検討のための調査研究

文献情報

文献番号
202218049A
報告書区分
総括
研究課題名
現状の障害認定基準の課題の整理ならびに次期全国在宅障害児・者等実態調査の検討のための調査研究
課題番号
20GC2001
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
飛松 好子(国立障害者リハビリテーションセンター)
研究分担者(所属機関)
  • 岩谷 力(長野保健医療大学 保健科学部)
  • 江藤 文夫(国立障害者リハビリテーションセンター)
  • 伊藤 利之(横浜市リハビリテーション事業団)
  • 今橋 久美子(藤田 久美子)(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所 脳機能系障害研究部)
  • 清野 絵(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所・障害福祉研究部)
  • 齋藤 崇志(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所 障害福祉研究部 データ利活用障害福祉研究室)
  • 須田 隆文(国立大学法人浜松医科大学 医学部 内科学第二講座)
  • 三谷 絹子(獨協医科大学 医学部 内科学(血液・腫瘍)講座)
  • 正宗 淳(東北大学大学院医学系研究科)
  • 山崎 正志(国立大学法人 筑波大学 医学医療系)
  • 平井 豊博(国立大学法人京都大学 大学院医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
10,110,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、過去に実施された障害認定基準の見直しを体系的に整理し、今後の障害認定基準のあり方を明らかにすることを目的とする。また、障害認定基準の見直しの根拠となる障害福祉データの利活用を推進する。併せて、障害福祉制度および障害統計に関する国内外の動向を把握し、施策提言を行う。
研究方法
(1)身体障害認定基準に関する研究
現在、障害者総合支援法の対象となっている疾病のうち、対象要件(治療方法が確立していない・長期の療養を必要とする・診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっている)への適否の判定が保留されている6疾病について文献レビューを行い、検討に必要な事項を明らかにした。
(2)障害福祉制度・障害統計に関する研究
令和4年生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)の調査票について、本研究班で行ったプレ調査および国内外の動向調査を基に、改善すべき点を示した。
結果と考察
(1)身体障害認定基準に関する研究
6疾病(骨髄異形成症候群、骨髄線維症、ランゲルハンス細胞組織球症、慢性膵炎、汎発性特発性骨増殖症、肥満低換気症候群)について、先行研究および各関連学会ガイドライン等に基づき、障害者総合支援法の対象要件への適否の検討に必要な、疾病概要(原因、症状、治療法、予後等)を整理した。
(2)障害福祉制度・障害統計に関する研究
調査票の用語の定義の明確化、医療的ケアに関する設問の拡充、国際的に推奨されている設問の導入、就労と就学の状況に関する設問の拡充、支援者に関する設問の追加、障害福祉サービスの利用状況に関する設問の統合と簡素化、必要と感じる支援・就労における希望に関する設問を追加、マイナンバーカードの所持、災害への準備の状況、新型コロナウイルス感染症の流行による影響等に関する設問の追加等を提案した。
結論
(1)身体障害認定基準に関する研究
今回疾病概要をまとめた資料は、障害者総合支援法対象疾病について検討する際の根拠となるものである。
(2)障害福祉制度・障害統計に関する研究
本研究の成果を踏まえて、国が行う「令和4年に生活のしづらさなどに関する調査」に、新型コロナウイルス感染症の流行に関連した設問等、最新の施策に合わせて必要な調査事項が追加されるとともに、回収率の向上を図る観点、他の統計調査との整合性の確保する観点等から、全体の構成や各設問について、必要な合理化や簡素化が図られた。
第130回社会保障審議会障害者部会 (R4.5.27)において、令和4年生活のしづらさなどに関する調査の実施について議論が行われ、資料に本研究の成果を基に調査事項を修正した旨が記載された。

公開日・更新日

公開日
2023-09-28
更新日
2024-06-19

研究報告書(PDF)

総括研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2023-09-28
更新日
2024-06-19

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202218049B
報告書区分
総合
研究課題名
現状の障害認定基準の課題の整理ならびに次期全国在宅障害児・者等実態調査の検討のための調査研究
課題番号
20GC2001
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
飛松 好子(国立障害者リハビリテーションセンター)
研究分担者(所属機関)
  • 岩谷 力(長野保健医療大学 保健科学部)
  • 江藤 文夫(国立障害者リハビリテーションセンター)
  • 伊藤 利之(横浜市リハビリテーション事業団)
  • 北村 弥生(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所 障害福祉研究部)
  • 今橋 久美子(藤田 久美子)(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所 脳機能系障害研究部)
  • 清野 絵(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所・障害福祉研究部)
  • 森尾 友宏(国立大学法人 東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 発生発達病態学分野)
  • 齋藤 崇志(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所 障害福祉研究部 データ利活用障害福祉研究室)
  • 須田 隆文(国立大学法人浜松医科大学 医学部 内科学第二講座)
  • 三谷 絹子(獨協医科大学 医学部 内科学(血液・腫瘍)講座)
  • 正宗 淳(東北大学大学院医学系研究科)
  • 山崎 正志(国立大学法人 筑波大学 医学医療系)
  • 平井 豊博(国立大学法人京都大学 大学院医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 身体障害者福祉法では身体障害の基準が定められており、また、その施行規則では身体障害の等級の基準が定められている。しかし、身体障害の程度と、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス以外のサービスのニーズは必ずしも一致していない、身体障害の程度を評価する基準が必ずしも整合的でない、などの意見がある。
 そこで、平成11年から身体障害者認定のあり方に関する研究が始まり、その時期に課題になった認定のあり方について、研究班の素案が厚生労働省の検討会で審議とりまとめられ、疾病・障害認定審査会(身体障害認定分科会)において承認を得てきた。これまで、心臓機能障害、肢体不自由(人工関節)、肝臓機能障害、聴覚障害、消化機能障害、原発性免疫不全症候群、ぼうこう直腸機能障害、1型糖尿病、失語症について個別に検討されてきた。これらの見直しの背景には、国内外における障害の概念あるいは疾病構造の変化があり、データに裏付けられた根拠を示す必要性も高まっている。
 本研究では、これまでに実施された身体障害者認定基準の見直しの経緯を体系的に整理することにより、今後の身体障害者認定基準の見直しのあり方を明らかにすること、また、見直しの根拠となる障害福祉データの利活用を推進し、障害福祉制度および障害福祉データに関する国内外の動向を把握することを目的とした。
研究方法
 本研究は1)身体障害認定基準に関する研究と、2)障害福祉制度・障害統計に関する研究から成る。
 1)では、これまで行われた身体障害認定基準改正等の経緯及び、障害者総合支援法の対象となっている疾病のうち、対象要件への適否の判定が保留されている6疾病について、先行研究及び各関連学会ガイドライン等に基づき、障害者総合支援法の対象要件への適否の検討に必要な、疾病概要を整理した。
 2)では、令和4年生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)に向けて、モデル地域(長野県飯山市)において、プレ調査を試行し、調査方法、調査票の設計、項目設定等について課題を明らかにした。プレ調査の結果及び国内外の動向調査を基に、本調査おいて改善すべき点を示した。
結果と考察
1)身体障害認定基準
心臓機能障害・肢体不自由:医学・医療技術の進歩により、日常生活活動の制限の程度が改善する可能性があることを踏まえ、ペースメーカ植え込みから一定期間後に再認定を行うこととなった。また、人工骨頭又は人工関節については、置換術後の経過が安定した時点の機能障害の程度により判定することとなった。
聴覚障害:詐聴や機能性難聴が疑われる場合、他覚的聴力検査を実施するとともに、聴覚障害に係る指定医の専門性の向上を図ることとなった。
肝臓機能障害:日常生活の制限が長期間続いている実態にあわせて認定基準を緩和し、対象を拡大した。
じん臓機能障害:既存の指標に加え、臨床的に有用な検査を指標として追加した。
視覚障害:両眼の視力の和ではなく、良い方の眼の視力で認定すること、新しい計測機器による認定基準を新たに設けることとなった。
6疾病(骨髄異形成症候群、骨髄線維症、ランゲルハンス細胞組織球症、慢性膵炎、汎発性特発性骨増殖症、肥満低換気症候群):先行研究および各関連学会ガイドライン等に基づき、障害者総合支援法の対象要件への適否の検討に必要な、疾病概要(原因、症状、治療法、予後等)を整理した。
2)障害福祉制度・障害統計
令和4年生活のしづらさなどに関する調査について、調査票の用語の定義の明確化、医療的ケアに関する設問の拡充、国際的に推奨されている設問の導入、就労と就学の状況に関する設問の拡充、支援者に関する設問の追加、障害福祉サービスの利用状況に関する設問の統合と簡素化、必要と感じる支援・就労における希望に関する設問を追加、マイナンバーカードの所持、災害への準備の状況、新型コロナウイルス感染症の流行による影響等に関する設問の追加等を提案した。
結論
1)身体障害認定基準:医学的側面と社会的側面の双方を考慮し、その時代の要請にかなう身体障害認定基準を設定していく努力を続けていくことが肝要と考える。また、今回疾病概要をまとめた資料は、障害者総合支援法対象疾病について検討する際の根拠となるものである。
2)障害福祉制度・障害統計:令和4年生活のしづらさなどに関する調査実施に向けて改善策を示した。今後は調査票の集計及び公表に向けたとりまとめ方法の検討が課題である。

公開日・更新日

公開日
2023-09-28
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202218049C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本研究で行った疾病概要の整理は、血液・腫瘍内科学、消化器病態学、整形外科学、呼吸器内科学、リハビリテーション医学、公衆衛生学、社会福祉学等の分野横断型の取り組みであり、複数の学術領域から日常生活の制限に対応する指標を多角的にとらえ、支援施策の推進に資するものである。
臨床的観点からの成果
疾病概要をまとめた資料は、障害者総合支援法対象疾病について検討する際の根拠となるものである。また、本研究の成果を踏まえて「令和4年に生活のしづらさなどに関する調査」に、新型コロナウイルス感染症の流行に関連した設問等、最新の施策に合わせて必要な調査事項が追加されるとともに、回収率の向上を図る観点、他の統計調査との整合性の確保する観点等から、全体の構成や各設問について、必要な合理化や簡素化が図られた。
ガイドライン等の開発
これまで行われた身体障害:心臓機能障害(ペースメーカ等植え込み者)、肢体不自由(人工関節等置換者)、聴覚障害、肝臓機能障害、じん臓機能障害、視覚障害の認定基準改正等について、各検討会で用いられた資料および通知改正等を収集し、改正までの経緯、見直しの方向性、改正点を整理した。
その他行政的観点からの成果
第130回社会保障審議会障害者部会 (R4.5.27)において、令和4年生活のしづらさなどに関する調査の実施について議論が行われ、資料に本研究の成果を基に調査事項を修正した旨が記載された。
その他のインパクト
特記なし

発表件数

原著論文(和文)
4件
原著論文(英文等)
73件
その他論文(和文)
3件
その他論文(英文等)
1件
学会発表(国内学会)
125件
学会発表(国際学会等)
10件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2023-08-02
更新日
2024-03-26

収支報告書

文献番号
202218049Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
10,110,000円
(2)補助金確定額
8,410,000円
差引額 [(1)-(2)]
1,700,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 6,250,677円
人件費・謝金 988,600円
旅費 459,340円
その他 711,383円
間接経費 0円
合計 8,410,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2024-02-08
更新日
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