文献情報
文献番号
202218045A
報告書区分
総括
研究課題名
企業等で雇用されている間における就労継続支援等の適正な実施プロセスについての研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
22GC1018
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
若林 功(常磐大学 人間科学部)
研究分担者(所属機関)
- 八重田 淳(筑波大学 人間系)
- 前原 和明(秋田大学 教育文化学部)
- 山口 明乙香(山口 明日香)(高松大学 発達科学部)
- 後藤 由紀子(筑波技術大学 産業技術学部)
- 富田 文子(埼玉県立大学 保健医療福祉学部)
- 長谷川 珠子(福島大学 行政政策学類)
- 野崎 智仁(国際医療福祉大学 保健医療学部作業療法学科)
- 永野 仁美(上智大学 法学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
6,850,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
企業等で雇用されている間における就労系障害福祉サービスの利用(以下、一時利用)についてニーズがあることが、2021年12月「障害者総合支援法改正法施行後3年の見直しについて(中間整理)」や2021年6月「障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会報告書」で指摘された。この一時利用については、自治体の判断等により実施されている事例が散見されるものの、その実態は十分には把握されていない。加えて、一時利用を活用するうえでは、就労アセスメントとの関係や、就労継続支援等から雇用につなげるための仕組みとの関係の検討が必要と考えられるが、これまで十分にこれらの観点から一時利用は検討されてきていない。そこで、本研究では①予備的検討(一時利用に関する法的問題点についての検討を含む)を行ったうえで、②市町村への量的調査、③障害福祉サービス事業所、企業への聴き取り調査を行う。そして、④就労系障害福祉サービスから雇用への移行、就職後のステップアップ、復職、福祉的就労への移行等における課題点や支援ノウハウ・雇用管理ノウハウの整理を行い、さらに⑤実施手引きとして取りまとめを行うことを目的とした。
研究方法
令和4年度では主に①予備的検討、②一時利用に関する法的問題点についての検討、③全国の市町村への量的調査、④市町村、障害福祉サービス事業所、企業への予備的聴き取り調査を行った。①については、研究者間での検討、研究協力者(本研究に最も関連の深い先行研究の担当者及び就労移行支援事業所で一般企業に在籍し休職中の利用者の復職支援を行っている担当者)からのヒアリングを行った。②については、文献や判例を基に法学的観点からの検討を行った。③については、2023年3月に全国の市区町村1741か所に郵送調査を行った。④については、予備的に障害福祉サービス事業所、企業、市町村に、一時利用や一時利用に類似した形態での就労支援の実際、支給決定の実際について、聴き取り調査を行った。
結果と考察
1.予備的検討
本研究では、
・就労継続支援等から一般企業へ徐々に移行し、一般企業での就業時間を延長していく「時間延長」
・一般企業就労中に休職し就労継続支援等を活用し一般企業への復職を目指す「復職」
を、本研究での主な検討ポイントとすることとなった。
また、本研究に最も関連性の高い先行研究の研究実施者よりヒアリングを行い一時利用の実態について理解を深めた。さらに、この先行研究に参画し、かつ本研究の研究協力者である就労移行支援事業所所属の専門家からもヒアリングを行い実践の状況について確認し、本研究参加研究者とも意見交換を行った。
2.法的観点からの一時利用の検討
本研究の法学を専門とする分担研究者及び研究協力者が、一時利用についての法的観点からの検討を行った。観点は「既存の休職制度の法的位置づけの確認と、一時利用と既存の休職制度との関係を考察した場合に生じうる法的問題」「一時利用と兼業・二重就業に関する労働法上の問題の関係」「一時利用と社会保険・労働保険の適用関係」であった。それぞれについて、検討課題があることを確認した。
3.量的調査
一時利用に関しての支給決定の実態を把握するため、全国の自治体に2023年3月に郵送調査を行った。質問項目は令和2~令和4年12月分までの、就労移行支援、就労継続支援A、就労継続支援Bの支給決定件数や、そのうちの一時利用の支給決定件数、一時利用に関する支給決定基準の有無等であった。この調査に関しては、現在分析中であり、今後、学会等で結果について報告することする。
4.質的調査
研究代表者及び分担研究者で予備的に質的調査(聴き取り調査)を行った。研究代表者は、市町村担当者に、一般就労中における福祉的就労の利用について、そのようなケースがあるのか等について予備的調査を行い、障害福祉課という課レベル等で支給決定しているなどの実態があること等が把握された。また研究分担者でも、予備的に一時利用に関するニーズについて障害福祉サービス事業所への聴き取りにより把握し、症状や生活状況の変化に合わせた併用へのニーズ,雇用率達成には到達していないものの雇用契約締結時から労働時間の拡大へのニーズ,加齢や対象者のモチベーション低下に伴うフェードアウトへのニーズがあることが把握された。
本研究では、
・就労継続支援等から一般企業へ徐々に移行し、一般企業での就業時間を延長していく「時間延長」
・一般企業就労中に休職し就労継続支援等を活用し一般企業への復職を目指す「復職」
を、本研究での主な検討ポイントとすることとなった。
また、本研究に最も関連性の高い先行研究の研究実施者よりヒアリングを行い一時利用の実態について理解を深めた。さらに、この先行研究に参画し、かつ本研究の研究協力者である就労移行支援事業所所属の専門家からもヒアリングを行い実践の状況について確認し、本研究参加研究者とも意見交換を行った。
2.法的観点からの一時利用の検討
本研究の法学を専門とする分担研究者及び研究協力者が、一時利用についての法的観点からの検討を行った。観点は「既存の休職制度の法的位置づけの確認と、一時利用と既存の休職制度との関係を考察した場合に生じうる法的問題」「一時利用と兼業・二重就業に関する労働法上の問題の関係」「一時利用と社会保険・労働保険の適用関係」であった。それぞれについて、検討課題があることを確認した。
3.量的調査
一時利用に関しての支給決定の実態を把握するため、全国の自治体に2023年3月に郵送調査を行った。質問項目は令和2~令和4年12月分までの、就労移行支援、就労継続支援A、就労継続支援Bの支給決定件数や、そのうちの一時利用の支給決定件数、一時利用に関する支給決定基準の有無等であった。この調査に関しては、現在分析中であり、今後、学会等で結果について報告することする。
4.質的調査
研究代表者及び分担研究者で予備的に質的調査(聴き取り調査)を行った。研究代表者は、市町村担当者に、一般就労中における福祉的就労の利用について、そのようなケースがあるのか等について予備的調査を行い、障害福祉課という課レベル等で支給決定しているなどの実態があること等が把握された。また研究分担者でも、予備的に一時利用に関するニーズについて障害福祉サービス事業所への聴き取りにより把握し、症状や生活状況の変化に合わせた併用へのニーズ,雇用率達成には到達していないものの雇用契約締結時から労働時間の拡大へのニーズ,加齢や対象者のモチベーション低下に伴うフェードアウトへのニーズがあることが把握された。
結論
令和4年度での成果は以下の通りである。①本研究で特に扱うべき一時利用に関するトピックを明確化した、②休職の規定や兼業等について法律的観点から検討する必要性があることを示した、③市区町村を対象とした量的調査では市区町村による一時利用に関する支給決定の現況が把握された(就労移行およびB型が多いこと等)、④予備的質的調査からは、現在の状況から、一時利用に関するニーズの存在や、運用方法にばらつきがあること等が示された。
公開日・更新日
公開日
2025-05-30
更新日
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