真のニーズに基づく支援機器の開発・事業化を実現するための出口・普及を想定した支援ネットワークモデル構築のための研究

文献情報

文献番号
202218035A
報告書区分
総括
研究課題名
真のニーズに基づく支援機器の開発・事業化を実現するための出口・普及を想定した支援ネットワークモデル構築のための研究
課題番号
22GC1008
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
八木 雅和((一般社団法人)臨床医工情報学コンソーシアム関西 人材育成 プロジェクト企画)
研究分担者(所属機関)
  • 桝田 浩禎(大阪大学 大学院医学系研究科 心臓血管外科)
  • 浅川 育世(茨城県立医療大学 保健医療学部 理学療法学科)
  • 西嶋 一智(宮城県 リハビリテーション支援センター)
  • 上野 高義(大阪大学大学院医学系研究科 保健学専攻看護実践開発科学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
11,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、過去のデザイン思考等を基にした調査研究等の成果を踏まえ、一連の開発・事業化プロセスとしてガイドラインを作成し、それに基づいて効率的に開発支援を行うことが可能なネットワークモデルを構築することを目的とする。具体的には、事例等を併せて提示することにより①開発フェーズのどのタイミングでどのような観点で調査・検証・改善を行えばよいのか、②誰にアクセスすればよいのか等に関して参考となるガイドラインを作成する。また、開発・事業化プロセスをもとに、国内外の支援機器開発・事業化支援に利用可能なリソースを洗い出し、効率的な開発支援を行うことができるネットワークモデルを構築する。
研究方法
1)開発支援ネットワークモデル構築の観点で、先行研究の成果をもとに課題を整理する。整理した課題について、有識者ヒアリングを実施、その結果を検証して、焦点を当てるべきポイントを選択・明確化することで、ガイドライン第一案の構成を作成する。ガイドライン第一案は、以下2)の結果を踏まえ、ブラッシュアップし完成させる。
2)ガイドライン第一案の構成に基づき、国内外の支援機器開発企業等を対象に、アンケート調査及びヒアリングを行う。調査においては、海外の開発事例に関する有識者ヒアリング及び支援機器開発企業にアンケート調査を行う。
3)ガイドライン第一案の構成に基づき、支援に活用可能な国内外の社会的資源に関して整理する。
4)ガイドライン第一案を作成する。
結果と考察
1)ガイドライン作成に向けた開発支援ネットワークモデル構築の観点で、先行研究の結果を整理・課題を抽出し、幅広い視点で国内外の有識者にヒアリングを実施し、課題の妥当性の検証を行なった。国内外における支援機器開発・事業化に関する課題、考え方、および、開発支援ネットワーク構築に向けた留意点について、幅広いさまざまな意見が得られ、それらの結果を踏まえ、ガイドライン第一案の構成を作成した。
2)国内支援機器開発企業を対象に、現状の開発・事業化における課題、対処方法、および支援活用状況に関するアンケート調査を実施した。結果、概ねどの企業も外部有識者の支援を受けていた。企業が支援を受ける課題は、開発プロセスにおけるビジネス実装に対する課題が多く、またその課題に対する支援への要望が多かった。支援結果には満足しており、支援先との距離は問わず国外にも支援の要望があることがわかった。アメリカ福祉機器メーカー2社に、インタビュー調査を行った。回答者は、自社製品のプロジェクトマネジメント、研究開発、マーケティング、営業に幅広く携わる者であった。利用者が入手できる方法は、両社とも自己負担で購入する製品で、製品開発に成功し開発プロセスにおいて期待していた成果が得られていた。
アメリカ現地でのヒアリングでは、スタンフォードバイオデザインの教員や、研究協力者と支援機器に関する規制上の取り扱い、事業化に向けた考え方、海外展開する際のバリューチェーン構築に関する考え方について、議論を行った。また、大手メーカーからスタンフォード大学附属病院へ現場観察目的で出向している日本人、アメリカで創業した日本人を紹介してもらいヒアリングを実施した。さらに、アメリカにおける支援機器給付サービスであるDMEについて情報を入手し、実際に、DMEの制度を使用する施設にも出向いた。取扱店、インフラを具体的に視察することで、機器により達成する目標や支援機器に求められる要件に関する情報を得た。
3)リハビリテーション科専門医研究指定施設にアンケート調査を、支援機器開発の支援実績のある市の更生相談所及び更生相談所と連携しコミュニケーション機器等の開発等行う組織のエンジニアにヒアリング調査を行った。開発側から支援側へ開発プロセスにおけるニーズの発掘フェーズに支援が求められることが多く、現場の支援側の意見が開発側へ十分にFeedbackされていない可能性が考えられ、相互間のコミュニケーションが十分に行われていない可能性が考えられた。また、支援を行うにあたり、担当部署および人員は決まっているが、その方略(コスト、期間など)までは議論されておらず、支援機器開発における開発側とその支援側とのコミュニケーション方法を拡充構築するためのソフト面、ハード面の開発をサポートする必要性が考えられた。
4)上記、(1)から(3)の結果を踏まえ、ガイドライン第一案を作成した。
結論
先行研究の成果を整理・分析して課題に関する仮説を立て、有識者、国内外の開発者に対するヒアリング、アンケートなどにより検証を行い、次年度に実施する更なる詳細な調査、ならびに支援機器ネットワークモデルの構築を効率的に進めるための知見を得た。

公開日・更新日

公開日
-
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2024-03-28
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202218035Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
14,500,000円
(2)補助金確定額
12,385,043円
差引額 [(1)-(2)]
2,114,957円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 3,305,166円
人件費・謝金 1,436,104円
旅費 895,248円
その他 3,890,438円
間接経費 2,858,087円
合計 12,385,043円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2024-03-27
更新日
-