未破裂脳動脈瘤の治療の評価技術の開発に関する研究

文献情報

文献番号
200918035A
報告書区分
総括
研究課題名
未破裂脳動脈瘤の治療の評価技術の開発に関する研究
課題番号
H21-臨床研究・一般-008
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
野崎 和彦(滋賀医科大学 医学部脳神経外科学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 中山 健夫(京都大学大学院 医学研究科)
  • 上島 弘嗣(滋賀医科大学 医学部)
  • 森田 明夫(NTT東日本関東病院 脳神経外科)
  • 宝金 清博(札幌医科大学)
  • 塩川 芳昭(杏林大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究・予防・治療技術開発研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
脳動脈瘤側、患者側、医療者側リスク情報整備を行い、現存治療法のリスクと効果の把握と新たな治療法の可能性を探ることを目的とする
研究方法
脳動脈瘤の危険因子情報、未破裂動脈瘤への予防的介入が対象者のQOLに与える影響に関する臨床研究(UCAS II)、医療者側の治療決定療の過程と現状、治療効果を解析する研究(u-TREAT)、現行の治療法以外の新たな治療法開発とその評価に向け非外科的治療法の可能性を探るための臨床研究を行い、薬物治療による脳動脈瘤のリスク軽減の可能性を証明する臨床研究(UCAS III)、特定動脈瘤に対する治療に関するRCT(UCAS IV)を計画・準備する。
結果と考察
全国31施設を参加施設として未破裂脳動脈瘤前向き生活の質(QOL)調査(UCAS II)を2006年1月より登録開始し、1000例の初期登録を完了している。2012年まで長期経過観察および生活の質・画像データの詳細な検討を行う予定である。至適治療法選択におけるばらつきを検討するために2005年に立ち上げたWeb site(u-TREAT)を、諸外国に展開し、本邦と諸外国における治療法選択と現状につき比較しながら解析を加える準備を行っている。新たな非外科的治療法の開発のため、症例・対照比較試験を遂行中である。DVD「未破裂脳動脈瘤の診断と治療」改訂版ver.3を作成しWeb公開する予定である。患者視点に立った治療説明ガイドラインの作成に向け、患者視点を反映した疾患説明書を作成した。
本研究では、大規模コホート研究による未破裂脳動脈瘤のリスク把握、現行治療の選択状況と有効性の検証、新たな非外科的治療法の開発のための臨床データ蓄積を行い、治療法選択に関するリスク情報整備と意思決定支援ツール作成を行い、新たな治療指針のための基盤作りを目指している。本研究成果は、脳卒中対策、生活習慣病対策に含まれ、脳動脈瘤患者側に直接還元され医療の適正化に貢献し脳卒中治療の向上につながり、他疾患における治療指針作成のための雛形になりうる。
結論
未破裂脳動脈瘤に対するリスク情報整備、新たな治療法開発、医師患者間のコニュニケーションの現場への適正情報提供、患者視点を取り入れた新たな未破裂脳動脈瘤の治療指針の基盤作り、治療選択の適正化と標準化が進むと思われる。

公開日・更新日

公開日
2011-05-31
更新日
-