精神科医療機関における包括的支援マネジメントの普及に向けた精神保健医療福祉に関わるサービスの提供体制構築に資する研究

文献情報

文献番号
202218030A
報告書区分
総括
研究課題名
精神科医療機関における包括的支援マネジメントの普及に向けた精神保健医療福祉に関わるサービスの提供体制構築に資する研究
課題番号
22GC1003
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
山口 創生(国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所地域精神保健・法制度研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 吉田 光爾(東洋大学 ライフデザイン学部生活支援学科生活支援学専攻)
  • 岡村 泰(地方独立行政法人 東京都立病院機構 東京都立松沢病院 精神科)
  • 佐藤 さやか(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 地域・司法精神医療研究部)
  • 藤井 千代(国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
10,385,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班の目的は、包括的支援マネジメントの普及に向けて、入院ケースマネジメントや外来のケースマネジメントあるいは医福連携に関する実態を検証する調査や研修などに取り組むことである。
研究方法
「精神科退院時共同指導料」と「療養生活継続支援加算」や医福連携に関する実態把握については、全国の精神科医療機関を対象とした横断調査を実施した。また、「療養生活継続支援加算」の使用状況については、診療所を対象にした縦断調査を行った。入院ケースマネジメントについては、1精神科病院では前向き調査の研究計画を作成し、リクルートなどを行った。もう一つの精神科医療機関では後ろ向き調査を実施し、そのデータを分析した。医福連携については、2023年度の調査項目を設けるために、先行研究レビューやパイロット調査を行った。
結果と考察
外来ケースマネジメントに関する新診療報酬「精神科退院時共同指導料」と「療養生活継続支援加算」を算定する機関は未だ少なく、周知の問題や加算要件、診療報酬点数が問題として認識されていた。また、特に診療所では加算の算定状況や医福連携の状況にバラツキあった。一方で、精神保健福祉士の配置する診療所の縦断調査では、「療養生活継続支援加算」を用いたケースマネジメントで適切な多機関連携が図られていた。さらに、入院ケースマネジメントの後ろ向き調査の結果から、入院ケースマネジメントは重篤な悪化を伴う再入院率の低下と関連している可能性があった。加えて、障害福祉サービス事業を対象とした調査に向けて、22項目の調査項目を設けた。
結論
本年度の調査結果から、包括的支援マネジメント、特に外来ケースマネジメントに関する2つの診療診療報酬「精神科退院時共同指導料」と「療養生活継続支援加算」は未だ普及していないことが明らかになった。一方で、精神保健福祉士の配置する診療所では、「療養生活継続支援加算」を用いたケースマネジメントで適切な多機関連携が図られており、ケースマネジメント担当者の確保が大きな課題になると考えられる。さらに、入院ケースマネジメントは、重篤な悪化を伴う再入院率の低下と関連している可能性があり、入院時から退院を見据えた多職種ケア・多機関連携の重要性が示唆された。これらのデータは来年度以降の調査設計にいかされる予定である。また、地域包括ケアにおける包括的支援マネジメントの実装という点で、入院ケアと地域ケアの双方における制度の検討の際に、有用なデータになると予想される。

公開日・更新日

公開日
2023-09-19
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2023-09-19
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202218030Z