文献情報
文献番号
200918031A
報告書区分
総括
研究課題名
脳梗塞急性期におけるミノサイクリンの脳保護作用についての臨床研究に対するプロトコール作成研究
課題番号
H21-臨床研究・一般-004
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
高橋 毅(国立病院機構熊本医療センター 救命救急部)
研究分担者(所属機関)
- 棚橋紀夫(埼玉医科大学国際医療センター 神経内科)
- 山脇健盛(広島大学大学院 脳神経内科)
- 星野晴彦(慶應義塾大学 神経内科)
- 宮下光太郎(国立循環器病センター 内科脳血管部門)
- 平野照之(熊本大学大学院医学薬学研究部 神経内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究・予防・治療技術開発研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
6,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
30年以上も前から日本で抗生剤として使用されている第2世代テトラサイクリンであるミノサイクリンに、最近になって神経保護作用が認められることが明らかとなりました。脳卒中動物実験でも脳梗塞領域を著しく減少させることが証明されており、海外での研究では、実際の脳梗塞患者の急性期に5日間内服してもらうだけで、みるみる神経症状は回復し、1ヶ月後に日常生活に戻れた割合は、内服しなかった群が5%以下であったのに比べ、ミノサイクリンを内服した群は40%にも達するという驚くべき結果出て、世界の一流医学雑誌に紹介されました。
現在この薬はほとんどの病院に抗生剤として置いてあるが、脳梗塞の薬としての認可が無いために脳梗塞の患者さんを目の前にして使いたいのに使えない状態であります。
そこで、この薬を少しでも早く日本で使用できるように、私たち研究班が準備を行いました。
現在この薬はほとんどの病院に抗生剤として置いてあるが、脳梗塞の薬としての認可が無いために脳梗塞の患者さんを目の前にして使いたいのに使えない状態であります。
そこで、この薬を少しでも早く日本で使用できるように、私たち研究班が準備を行いました。
研究方法
この薬が、実際に日本人でも同様の効果が認められるのか日本で臨床研究を行い調べる必要があります。そこでまず私たちは脳卒中の専門家を集め、臨床研究を行うための計画を立案する研究班を立ち上げました。
その研究班で3年間の詳細な研究計画書を作成し、患者様のケースカードを作成し、臨床研究の保険契約を行いました。そして全国で16施設の脳卒中専門病院を選定し2010年4月より臨床研究を開始できるように各病院で倫理委員会の承認をいただきました。
研究の内容は、脳梗塞急性期の患者様を2つのグループに分け、片方のグループにはミノサイクリンを5日間内服していただきます。そして、3ヶ月後の症状の回復の程度を両グループで比較を行います。
その研究班で3年間の詳細な研究計画書を作成し、患者様のケースカードを作成し、臨床研究の保険契約を行いました。そして全国で16施設の脳卒中専門病院を選定し2010年4月より臨床研究を開始できるように各病院で倫理委員会の承認をいただきました。
研究の内容は、脳梗塞急性期の患者様を2つのグループに分け、片方のグループにはミノサイクリンを5日間内服していただきます。そして、3ヶ月後の症状の回復の程度を両グループで比較を行います。
結果と考察
2010年4月より全国一斉にこの研究を開始する予定でした。
2010年3月4日に厚生労働省により、この研究に対する評価委員会が開催されました。しかしながら、残念なことにこの臨床研究は採択されず、実施することはできませんでした。
本来ならば、今日からでも脳卒中の患者様に使ってあげたい薬であり大変残念です。
評価委員会の時に、この研究についての説明を口頭で行ったのですが、評価委員の方々が12名中3名しか出席しておられず、この研究の重要性を伝えることができなかったことが残念でなりません。
2010年3月4日に厚生労働省により、この研究に対する評価委員会が開催されました。しかしながら、残念なことにこの臨床研究は採択されず、実施することはできませんでした。
本来ならば、今日からでも脳卒中の患者様に使ってあげたい薬であり大変残念です。
評価委員会の時に、この研究についての説明を口頭で行ったのですが、評価委員の方々が12名中3名しか出席しておられず、この研究の重要性を伝えることができなかったことが残念でなりません。
結論
毎日毎日脳卒中で倒れておられる患者様のためにも、一日でも早くこの薬を脳卒中治療薬として使用できるように厚生労働省にお願いしたい。
公開日・更新日
公開日
2011-05-31
更新日
-