文献情報
文献番号
200918029A
報告書区分
総括
研究課題名
新規診断神経膠芽腫に対する硼素中性子捕捉療法を中心とした治療プロトコール確立に関する研究
課題番号
H21-臨床研究・一般-002
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
宮武 伸一(大阪医科大学 医学部、外科学講座、脳神経外科学教室)
研究分担者(所属機関)
- 小野 公二(京都大学原子炉実験所 粒子線医学センター)
- 切畑 光統(大阪府立大学 農学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究・予防・治療技術開発研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
9,990,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
新規診断神経膠芽腫の標準治療は手術による可及的摘出後に、X線による60Gyの外照射とアルキル化剤であるテモダール(TMZ)の経口投与による化学療法の併用治療が近年、確立されている。しかしながら、この治療を行っても患者の生存期間はおよそ1年であり、満足すべき成績ではない。この疾患群の治療成績を向上させるため、細胞生物学的に腫瘍細胞のみを標的化しうる粒子線治療である、硼素中性子捕捉療法と24GyのX
線外照射およびTMZの投与を組み合わせたプロトコルを作成し、これを実施するためのCase Report Form (CRF)も合わせて作成し、この臨床試験の実施を計画している。
線外照射およびTMZの投与を組み合わせたプロトコルを作成し、これを実施するためのCase Report Form (CRF)も合わせて作成し、この臨床試験の実施を計画している。
研究方法
平成22年再開予定の京都大学原子炉(KUR)および日本原子力機構研究4号炉(JRR4)を使用し、新規診断膠芽腫に対してBNCT plus X線分割照射(XRT)plus TMZによる化学療法併用の多施設共同第二相臨床試験のプロトコルを作成する。
結果と考察
プロトコルの骨子は、診断確定後の新規診断膠芽腫に対して、BNCT plus XRT plus chemotherapy の治療効果を検討解析することにある。腫瘍の再発は腫瘍底部からが多く、放射線壊死の発生は脳表からが多いことを考慮し、適当な線量のX線 外照射を3層に分けてgradient をかけて照射する。すなわち、BNCTの中性子照射方向に直交する対向2門照射とし、GTV (術前腫瘍造影域)plus 2.5cmをclinical target volume (CTV)として設定し、脳表より、CTV最深部までを3層に分けた上multi-leaf collimator を使用して、上記線量をhalf-field technique を用いて照射する。プロトコルの作成そのものや、症例のCRF作成、登録、統計解析等は臨床研究情報センター(TRI)に業務委託した。
統計学的考察を加え、必要症例数は本試験で必要な症例数は42例となる。10%弱の不適格例を見込んで、45例を目標症例数とした。
統計学的考察を加え、必要症例数は本試験で必要な症例数は42例となる。10%弱の不適格例を見込んで、45例を目標症例数とした。
結論
2010年度よりこのプロトコルを用いた臨床試験を開始したい。
公開日・更新日
公開日
2011-05-31
更新日
-