精神保健医療従事者による、新型コロナウイルス感染症や自然災害等に起因した心のケアに対する心理的アセスメント及び応急処置介入方法の適切な提供体制の構築と、それに伴うメンタルヘルスの維持向上に資する研究

文献情報

文献番号
202218022A
報告書区分
総括
研究課題名
精神保健医療従事者による、新型コロナウイルス感染症や自然災害等に起因した心のケアに対する心理的アセスメント及び応急処置介入方法の適切な提供体制の構築と、それに伴うメンタルヘルスの維持向上に資する研究
課題番号
21GC1014
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
中尾 智博(九州大学大学院医学研究院 精神病態医学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 村山 桂太郎(九州大学病院)
  • 高橋 晶(筑波大学 医学医療系 災害・地域精神医学)
  • 萱間 真美(国立研究開発法人国立国際医療研究センター 国立看護大学校)
  • 西 大輔(東京大学大学院医学系研究科 精神保健学分野)
  • 堀之内 徹(北海道大学大学院医学研究院 神経病態学講座 精神医学教室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
6,924,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我々の研究組織は令和2年度厚生労働行政推進調査事業費補助金を得て、精神保健医療従事者による、新型コロナウイルス感染症に起因した心のケア(心理的アセスメントや心理的介入技法)の実態把握と課題抽出を実施し、本邦の状況に対応した「新型コロナウイルス流行下におけるメンタルヘルス問題への対応マニュアル」(以下、「マニュアル令和2年度版」と略)を作成した。
本研究の目的は上記の「マニュアル令和2年度版」の効果検証と整備を行うことであった。
研究方法
令和3年度は、新型コロナウイルス感染症や自然災害に起因した心のケアに対する国内外の文献のレビューや情報収集を行い、上記標準的マニュアルの整備を進めた。マニュアル令和2年度版を使用するためのWeb研修会を開催し全国の精神保健福祉センターや医療機関にマニュアル令和2年度版の周知を図るのと同時にRAPID-PFAに関するアンケート調査を実施した。
令和4年度は令和3年度と同様にWeb研修会を「看護職のメンタルヘルスweb事業」の相談員を対象に開催し、RAPID-PFAに関するアンケート調査を実施した。加えてリモート相談に関する文献調査ならびにリモート支援を実施している相談員に対してヒアリングを実施した。
結果と考察
「マニュアル令和2年度版」を相談員が用いることで、相談員自身が自分の対応について自信を持って対応できることが、 相談員へのアンケート調査から示唆された。リモートによるメンタルヘルス支援への需要は、より一層増しており、その質の確保が重要になっていることが示唆された。
結論
今後も社会情勢の変化をマニュアルに反映するために継続してマニュアルを改訂していく必要があると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2023-08-14
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2023-08-14
更新日
2024-05-13

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202218022B
報告書区分
総合
研究課題名
精神保健医療従事者による、新型コロナウイルス感染症や自然災害等に起因した心のケアに対する心理的アセスメント及び応急処置介入方法の適切な提供体制の構築と、それに伴うメンタルヘルスの維持向上に資する研究
課題番号
21GC1014
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
中尾 智博(九州大学大学院医学研究院 精神病態医学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 村山 桂太郎(九州大学病院)
  • 高橋 晶(筑波大学 医学医療系 災害・地域精神医学)
  • 萱間 真美(国立研究開発法人国立国際医療研究センター 国立看護大学校)
  • 西 大輔(東京大学大学院医学系研究科 精神保健学分野)
  • 堀之内 徹(北海道大学大学院医学研究院 神経病態学講座 精神医学教室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我々の研究組織は令和2年度厚生労働行政推進調査事業費補助金を得て、精神保健医療従事者による、新型コロナウイルス感染症に起因した心のケアの実態把握と課題抽出を実施し、令和3年3月には、本邦の状況に対応した標準的マニュアル(以下、マニュアル令和2年度版)を作成し、普及のための今後の方策に関した政策的提言を行った。本研究の目的は上記のマニュアル令和2年度版の効果検証と整備を行うことであった。
研究方法
新型コロナウイルス感染症や自然災害に対応した精神保健医療従事者のための心理的初期介入技法の効果検証およびメンタルヘルス・トリアージや心理アセスメントの利便さや問題点の抽出として「『新型コロナウイルス流行下におけるメンタルヘルス問題への対応マニュアル』使用するための研修会」の受講者を対象者とし、研修会の直前、直後、6ヶ月後に電気通信回線を通じたテレビ電話(Zoom)上でアンケートによる調査を行った。
リモートによるメンタルヘルス支援の文献検討および支援の提供者へのヒアリングを実施した。
結果と考察
マニュアル令和2年度版を使用するためのweb研修会を3回実施した。対象者は、応急的遠隔対応型メンタルヘルスケアシステムの相談員、全国の精神保健福祉センターの相談員、看護職のメンタルヘルスweb事業の相談員であった。参加者の総数は77名であり、マニュアルの効果検証研究に参加した者は48名であった。研修会の前後と6ヶ月後にアンケート調査を実施した。2つの事例問題に対する自身の対応への自信の強さは、研修会直前と比較して6ヶ月後は有意に上昇を認め、研修会直後との比較では6ヶ月後は有意差を認めなかった。直接対面以外(オンラインによる相談)を実施している者は34名中20名であった。研修会以降にマニュアルを使用して相談業務をおこなった者は34名中12名であった。マニュアルの項目で最も参考頻度が高かった項目は、「メンタルヘルストリアージ」であり、次いで、「メンタルヘルスを維持するための予防的な取り組み」であった。
【考察】マニュアル令和2年度版を使用するための研修会に参加することで、参加者は心理的トリアージの正確さや相談者に対する対応への自信が増し、その効果は6ヶ月経過した後も維持されていることが示唆された。このことは相談員のメンタルヘルスの維持向上に寄与する可能性が示唆された。マニュアル令和2年度版で最も参考にした項目はオンラインによるメンタルヘルス相談や、メンタルヘルス・トリアージ(スクリーニング)、メンタルヘルスを維持するための予防的な取り組みであった。文献検討および相談員へのヒアリングから、リモートによるメンタルヘルス支援への需要は、より一層増しており、その質の確保が重要になっていることが示唆された。
結論
マニュアル令和2年度版を使用することで、メンタルヘルス相談員自身の対処への自信が高まった。今後も社会情勢の変化をマニュアルに反映するために継続してマニュアルを改訂していく必要がある。

公開日・更新日

公開日
2023-08-14
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2023-08-14
更新日
2024-05-13

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202218022C

成果

専門的・学術的観点からの成果
新しいPFAを実装した心理的応急処置のマニュアルを開発し、その効果検証を実施した。相談員がこのマニュアルを使用することで自身の対応に関する自信が高まることが明らかになった。
臨床的観点からの成果
マニュアル令和4年度版を相談員が使用することで、相談員のメンタルヘルスの維持向上に寄与することができると考えられた。またメンタルヘルスに関して相談者にとっても標準的な心理的トリアージを受けることになり、国民のメンタルヘルスの維持向上に寄与するものである。
ガイドライン等の開発
該当無し。
その他行政的観点からの成果
該当無し。
その他のインパクト
マニュアル令和4年度版は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)における研究でもメンタルヘルス相談員に利用されている。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
12件
その他論文(和文)
15件
その他論文(英文等)
12件
学会発表(国内学会)
19件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
1件
全国の精神保健福祉センターならびに精神科医療機関にマニュアル令和4年度版を送付し、災害時の心理的応急措置の標準的対応を提示した。
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2023-06-20
更新日
-

収支報告書

文献番号
202218022Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
9,000,000円
(2)補助金確定額
9,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,465,454円
人件費・謝金 1,203,902円
旅費 1,226,080円
その他 1,936,564円
間接経費 2,076,000円
合計 8,908,000円

備考

備考
新型コロナウイルス感染症拡大予防のため、旅費の支出が予定よりも少なかったため。

公開日・更新日

公開日
2024-03-27
更新日
-