小児気管支喘息重症発作に対するイソプロテレノール持続吸入療法の検討:サルブタモール持続吸入療法を対照とした多施設共同盲検ランダム化比較試験

文献情報

文献番号
200918021A
報告書区分
総括
研究課題名
小児気管支喘息重症発作に対するイソプロテレノール持続吸入療法の検討:サルブタモール持続吸入療法を対照とした多施設共同盲検ランダム化比較試験
課題番号
H20-臨床研究・一般-010
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
勝沼 俊雄(東京慈恵会医科大学 小児科)
研究分担者(所属機関)
  • 中村秀文(国立成育医療センター 治験管理室)
  • 大矢幸弘(国立成育医療センター アレルギー科)
  • 藤澤隆夫(国立病院機構三重病院 臨床研究部)
  • 足立雄一(富山大学医学部 小児科)
  • 橋本光司(日本大学附属練馬光が丘病院 小児科)
  • 北林耐(昭和大学医学部 小児科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究・予防・治療技術開発研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
34,510,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
小児気管支喘息重症発作患者を対象とした二重盲検ランダム化比較試験により、イソプロテレノール持続吸入療法(ICIT)とサルブタモール持続吸入療法(SAL)を比較し、以下の仮説を検証する。仮説:「気管支喘息重症発作に対する発作改善効果はICITがSALを上回る」
研究方法
プロトコルを完成させ、対象患者登録を開始する。データセンターに収集される症例報告書データに基づき中央モニタリングを実施し、データの品質管理を行う。
結果と考察
以下に、平成21年度の研究実施内容を概説する。
1)本試験は二重盲検下に実施されるが、プラセボ・ダミー作製と配布を平成21年に終えた。
2)主要評価項目であるmPIスコアの信頼性評価を行なった。mPISは(1)心拍数、(2)呼吸数、(3)SpO2、(4)喘鳴、(5)呼気延長、(6)補助筋使用の6項目より成るが(4)(5)(6)は主観的評価であるためバラツキが生じうる。このためmPIS習得のための視聴覚教材を独自に作製し教育を施した結果、本研究導入に当たっての妥当性が示された。
3)登録、割付け、症例報告はweb(UMIN)を介して行うこととし、システムを完成させた。
4)安全評価のための薬物血中濃度測定方法(委託)の妥当性を検証した。
5)エントリーを開始するもパンデミックA(H1N1)2009インフルエンザの大流行時期と重なったため、組み入れの暫時停止を余儀なくされた。
6)研究推進の効率アップに向けた取り組みを行い、喘息発作入院数の多い大学病院関連施設に加入して頂いた(宮城県立こども病院、埼玉医科大学、東京女子医科大学八千代医療センター、岐阜大学、獨協医科大学、同愛記念病院)。これによりエントリー効率は3倍増することが期待される。
結論
2009年10月にプロトコル最終版と研究準備を完成させ、11月から研究を始めることができた。研究開始の遅れを勘案し、確実な研究推進を実現するため、臨床現場の実態調査と参加施設の拡充を行った。この結果、2010年度中の目標症例数到達は可能と考えられた。

公開日・更新日

公開日
2011-05-31
更新日
-