消化器外科手術における合成吸収糸使用の手術部位感染抑制効果に関する多施設共同並行群間無作為化比較試験

文献情報

文献番号
200918017A
報告書区分
総括
研究課題名
消化器外科手術における合成吸収糸使用の手術部位感染抑制効果に関する多施設共同並行群間無作為化比較試験
課題番号
H20-臨床研究・一般-006
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
前原 喜彦(九州大学大学院 消化器・総合外科(第二外科))
研究分担者(所属機関)
  • 土岐 祐一郎(大阪大学 消化器外科)
  • 掛地 吉弘(九州大学 消化器・総合外科)
  • 鴻江 俊治(福岡歯科大学 外科)
  • 國土 典宏(東京大学 肝胆膵・移植外科)
  • 小林 道也(高知大学 医療管理学)
  • 澤 芳樹(大阪大学 心臓血管・呼吸器外科)
  • 高山 忠利(日本大学 消化器外科)
  • 武冨 紹信(九州大学 消化器・総合外科)
  • 夏越 祥次(鹿児島大学 消化器外科)
  • 馬場 秀夫(熊本大学 消化器外科)
  • 黒木 保(長崎大学 移植・消化器外科)
  • 吉田 和弘(岐阜大学 腫瘍外科)
  • 赤澤 宏平(新潟大学 医療情報部)
  • 竹内 正弘(北里大学 臨床統計部門)
  • 山中 竹春(九州がんセンター 臨床研究部)
  • 山本 雅一(東京女子医科大学 消化器外科)
  • 上坂 克彦(静岡県立静岡がんセンター 肝胆膵外科)
  • 上本 伸二(京都大学 肝胆膵・移植外科)
  • 山上 裕機(和歌山県立医科大学 外科学第2講座)
  • 島田 光生(徳島大学 消化器・移植外科学)
  • 寺島 雅典(静岡県立静岡がんセンター 胃外科)
  • 江見 泰徳(九州大学 がん先端医療応用学講座)
  • 小菅 智男(国立がんセンター中央病院 肝胆膵外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究・予防・治療技術開発研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
38,546,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1) CDCにより推奨されている周術期の患者管理を行い、消化器手術の腹腔内での絹糸使用群と全合成吸収糸使用群のSSI発生率を比較し、合成吸収糸使用の有効性を検討する。
2) 腹腔内感染発症例において、絹糸使用群と合成吸収糸使用群の治癒期間について比較検討する。
腹腔内での吸収糸・非吸収糸の使用とSSIに関するmega-RCTは存在せず、どの種類の消化器手術で吸収糸使用がどれくらい有用なのか、本臨床試験で明らかにする意義は大きい。
上部消化管、下部消化管、肝、膵の臓器別に吸収糸群、非吸収糸群について目標症例数を設定し、2年間の症例登録期間を経てSSI発生率を比較する。effect size(2群間の治療効果の差)を推定し、将来の大規模臨床第Ⅲ相試験を実施するために臨床第Ⅱ相試験を行う。
研究方法
研究計画および方法
1) 多施設共同並行群間無作為化比較試験
2) 試験材料:滅菌済み手術用絹糸、合成吸収性縫合糸(Polyglactin910,Polydioxanone)
3) 対象疾患:本研究の対象疾患は、以下の通りとする。
胃部分切除術:胃全摘術
合成吸収糸群135例、絹糸群135例
結腸・直腸切除術:
合成吸収糸群135例、絹糸群135例
肝切除手術:
合成吸収糸群160例、絹糸群160例
膵頭十二指腸切除手術:
合成吸収糸群145例、絹糸群145例
5) 評価項目
主要評価項目:手術部位感染(SSI)の総発生率
副次評価項目:部位別(表層、深部、臓器体腔)感染発生率、SSI発生後治癒確認までの期間術後在院日数
結果と考察
平成21年2月16日から症例登録、試験治療を開始した。平成22年3月10日現在、胃:271例、大腸228例、肝臓:337例、膵臓:247例、合計1083例が登録された。大腸が登録の進捗が遅いために、平成21年8月研究協力施設を募集し、17施設の参加を得て、順調に登録が進んだ。胃、肝臓は症例登録を終了し、試験観察期間も全症例で終了している。現在、この2臓器に関して、症例報告データを集計し、データマネジメント作業の上、データ固定を目指している。大腸、膵臓に関しても、平成22年6月には、登録終了予定である。臓器別で進捗に差が出るが、研究予定期間の3年以内に最終解析結果を出せる進捗状況である。

結論
臓器別で進捗に差が出るが、研究予定期間の3年以内に最終解析結果を出せる進捗状況である。

公開日・更新日

公開日
2011-05-31
更新日
-