転移性骨腫瘍に対する経皮的ラジオ波凝固療法に関する研究

文献情報

文献番号
200918013A
報告書区分
総括
研究課題名
転移性骨腫瘍に対する経皮的ラジオ波凝固療法に関する研究
課題番号
H19-臨床試験・一般-021
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
荒井 保明(国立がんセンター中央病院 放射線診断部)
研究分担者(所属機関)
  • 中島 康雄(聖マリアンナ医科大学 放射線科)
  • 谷川 昇(関西医科大学枚方病院 放射線科)
  • 松枝 清(癌有明病院 画像診断部)
  • 稲葉 吉隆(愛知県がんセンター 放射線診断・IVR部)
  • 新槇 剛(静岡県立静岡がんセンター 画像診断科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究・予防・治療技術開発研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
9,096,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、転移性骨腫瘍に対する経皮的RFAの安全性ならびに臨床的有効性を多施設共同研究により評価することにある。
研究方法
本試験の概要は以下の如くで、主要評価項目を安全性の評価、副次的評価項目を臨床的有効性の評価、有害事象の発現頻度とし、症例選択規準は、①疼痛を主訴とする臨床症状を有する転移性骨腫瘍症例であり、かつ従来の局所治療法が適応とならないか奏効しなかった症例、あるいは鎮痛剤の増量でしか疼痛のコントロールができない症例。②対象病変が組織学的あるいは画像診断上、悪性であることが確認されている。③対象病変がCTあるいはMRIにより評価可能である。④主要臓器(骨髄、心、肝、肺、腎など)機能が保持されている症例。⑤P.S. (ECOG):0,1,2,3。⑥4週間以上の生存が見込める。⑦患者本人から文書による同意が得られている、の条件をすべて満たす症例としている。治療は、画像ガイド下に経皮的にラジオ波電極針を腫瘍に穿刺してラジオ波による凝固療法を施行し、評価方法は、有害事象はNCI-CTC Ver.により、有効性は薬物療法の影響を排除したVAS値の変化により評価した。JIVROSGに参加する24施設にて試験を遂行し、
予定登録数33例、登録期間48ヶ月、追跡期間登録終了後3ヶ月、総研究期間:51ヶ月としている。なお、倫理面への配慮として、ヘルシンキ宣言を遵守してプロトコールを作成し、施設倫理審査委員会の承認を必須にするとともに、試験中に発生した有害事象についても速やかに報告され、効果安全性評価委員会の評価を受けることとしている。加えて、被験者の個人情報についても万全の保護対策を講じている。
結果と考察
9例にて第Ⅰ相試験部分を終了した。重篤な有害事象の発現はなく、プロトコールに定めた規定に従って第Ⅱ相試験部分に移行して試験が継続された。この結果、本年度末までに予定症例数33例中30例が登録された。なお、臨床試験としての性格上、予定症例数登録完了以前の段階での有害事象以外についての集計・公表は好ましくないため、これを控えているが、平成22年中の症例登録完遂とデータ固定、解析完了が見込まれる。
結論
転移性骨腫瘍に対する経皮的RFAについての第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験(JIVROSG-0208)を継続して行い、予定症例数33例中30症例までが登録され、試験の平成22年内の完了が確実となった。

公開日・更新日

公開日
2011-05-31
更新日
-

文献情報

文献番号
200918013B
報告書区分
総合
研究課題名
転移性骨腫瘍に対する経皮的ラジオ波凝固療法に関する研究
課題番号
H19-臨床試験・一般-021
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
荒井 保明(国立がんセンター中央病院 放射線診断部)
研究分担者(所属機関)
  • 中島 康雄(聖マリアンナ医科大学 放射線科)
  • 谷川 昇(関西医科大学枚方病院 放射線科)
  • 松枝 清(癌有明病院 画像診断部)
  • 稲葉 吉隆(愛知県がんセンター 放射線診断・IVR部)
  • 新槇 剛(静岡県立静岡がんセンター 画像診断科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究・予防・治療技術開発研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、転移性骨腫瘍に対する経皮的RFAの安全性ならびに臨床的有効性を多施設共同研究により評価することにある。
研究方法
本試験の概要は以下の如くで、主要評価項目を安全性の評価、副次的評価項目を臨床的有効性の評価、有害事象の発現頻度とし、症例選択規準は、①疼痛を主訴とする臨床症状を有する転移性骨腫瘍症例であり、かつ従来の局所治療法が適応とならないか奏効しなかった症例、あるいは鎮痛剤の増量でしか疼痛のコントロールができない症例。②対象病変が組織学的あるいは画像診断上、悪性であることが確認されている。③対象病変がCTあるいはMRIにより評価可能である。④主要臓器(骨髄、心、肝、肺、腎など)機能が保持されている症例。⑤P.S. (ECOG):0,1,2,3。⑥4週間以上の生存が見込める。⑦患者本人から文書による同意が得られている、の条件をすべて満たす症例としている。治療は、画像ガイド下に経皮的にラジオ波電極針を腫瘍に穿刺してラジオ波による凝固療法を施行し、評価方法は、有害事象はNCI-CTC Ver.により、有効性は薬物療法の影響を排除したVAS値の変化により評価した。JIVROSGに参加する24施設にて試験を遂行し、
予定登録数33例、登録期間48ヶ月、追跡期間登録終了後3ヶ月、総研究期間:51ヶ月としている。なお、倫理面への配慮として、ヘルシンキ宣言を遵守してプロトコールを作成し、施設倫理審査委員会の承認を必須にするとともに、試験中に発生した有害事象についても速やかに報告され、効果安全性評価委員会の評価を受けることとしている。加えて、被験者の個人情報についても万全の保護対策を講じている。
結果と考察
9例にて第Ⅰ相試験部分を終了し、重篤な有害事象の発現はなく、プロトコールに定めた規定に従って第Ⅱ相試験部分に移行して試験が継続された。この結果、平成21年度末までに予定症例数33例中30例が登録された。なお、臨床試験としての性格上、予定症例数登録完了以前の段階での有害事象以外についての集計・公表は好ましくないため、これを控えているが、平成22年中の症例登録完遂とデータ固定、解析完了が見込まれている。
結論
転移性骨腫瘍に対する経皮的RFAについての第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験(JIVROSG-0208)を継続して行い、予定症例数33例中30症例が登録され、平成22年内の試験完了が確実となった。

公開日・更新日

公開日
2011-05-31
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200918013C

成果

専門的・学術的観点からの成果
有痛性転移性骨腫瘍に対する経皮的ラジオ波凝固療法は、すでに欧米の一部では日常診療に用いられている。しかし、その安全性と臨床的有効性を前向きの多施設共同研究により評価した研究はこれまでにない。この点で、本研究は極めて独創的なものであり、加えて本研究により示されるデータは、現時点で最もエビデンスレベルの高いデータと言える。このため、本研究結果は、今後の有痛性転移性骨腫瘍に対する治療法の発達に大きく寄与するものと思われる。
臨床的観点からの成果
有痛性転移性骨腫瘍に対する治療法は放射線照射と薬物療法が主体であるが、これらの治療にて病巣や疼痛が完全にできる訳ではなく、無効あるいは再発例に対してはた対症療法としての緩和的薬物治療で対処せざるを得ないのが現状である。これに対し、経皮的RFA療法は機序の異なる全く新しい治療法であり、本研究によりこの新しい治療法に関する詳細なデータが得られ臨床導入に図られれば、有痛性転移性骨腫瘍を扱う臨床現場に大きな変化をもたらす可能性がある。
ガイドライン等の開発
特になし。
その他行政的観点からの成果
本研究は高度医療評価制度の一環として行なわれており、適切な結果が得られた場合にはラジオ波凝固療法針の適応拡大を図るための企業からの申請資料に使用される予定である。この高度医療評価制度から薬事承認(その後は保険収載あるいは先進医療に移行)に繋げるという方法はデバイス・ラグを解消する上で重要な施策である。本研究はその一旦を担い、かつ症例登録も終了間近であるため、本制度の普及に大きく寄与したものと考えられる。
その他のインパクト
特になし。

発表件数

原著論文(和文)
7件
原著論文(英文等)
57件
その他論文(和文)
6件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-05-26
更新日
2015-06-18