文献情報
文献番号
202218001A
報告書区分
総括
研究課題名
高次脳機能障害の障害特性に応じた支援者養成研修カリキュラム及びテキストの開発のための研究
課題番号
20GC1008
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
深津 玲子(国立障害者リハビリテーションセンター 病院)
研究分担者(所属機関)
- 立石 雅子(一般社団法人日本言語聴覚士協会)
- 浦上 裕子(国立障害者リハビリテーションセンター病院 第一診療部 精神科(研究所併任))
- 今橋 久美子(藤田 久美子)(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所 脳機能系障害研究部)
- 渡邉 修(東京慈恵会医科大学 リハビリテーション医学講座)
- 鈴木 匡子(東北大学 大学院医学系研究科高次機能障害学)
- 上田 敬太(京都大学医学部附属病院精神科神経科)
- 青木 美和子(札幌国際大学人文学部心理学科)
- 廣瀬 綾奈(帝京平成大学 健康メディカル学部言語聴覚学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
8,350,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
高次脳機能障害の支援については、障害福祉制度の整備は進んだが、同障害の特性に応じた支援が現場で十分行われているとは言えない。この課題に対応するため、申請者は平成30、令和元年度厚労科研を用いて「高次脳機能障害の障害特性に応じた支援マニュアルの開発研究」を実施し、その一環として、支援の実態調査及び分析を行った。結果障害福祉サービス現場の支援者養成が喫緊の課題であることが明らかとなった。本研究は、高次脳機能障害者に対する支援者養成研修のカリキュラムとテキストを同時開発し、同障害者への適切な支援につなげることを目的とする。高次脳機能障害に対応可能な支援者を増やすことで、同障害者が住み慣れた地域で生活を営める体制整備の推進を図る。
研究方法
1)先行する各種養成研修について情報収集および分析を行う。2)1)を参考に基礎編および実践編カリキュラムを作成する。3)カリキュラムに沿って、テキストとシラバスを作成する。4)試行研修を繰り返し、受講者アンケート等の結果に基づいてカリキュラムおよびテキストを修正する。研修テキストには、個人が特定されるデータは使用しない。演習で使用する事例は架空事例とする。テキストはパワーポイントを用いたスライド版とスライドに音声を録音した動画版、および開催機関向け指導要領を作成する。
結果と考察
令和2,3年度に1)先行する養成研修の情報収集と分析、2)研修会基礎編および実践編カリキュラム作成、3)基礎編および実践編テキスト作成を実施した。
令和4年度は、前年度までのテキストの改修を主とした、3)基礎編および実践編テキスト作成:基礎編の講義9講座は、障害定義、診断評価、医学的リハビリテーション、失語症とコミュニケーション支援、制度利用、相談支援、生活訓練、復職・就労移行支援、生活と支援の実際、演習4講座は、診断・評価体験、事例を通じた相談支援、生活訓練の実際、復職・就労移行支援(グループワーク)で各担当者が執筆し、研修会試用後に改訂。実践編の講義9講座は、地域の支援体制、発達障害・認知症との共通点と相違点、小児期における支援、長期経過とフォローアップ、チームアプローチの重要性、家族支援・当事者家族会の活動、コミュニケーション支援、支援の実践的な枠組みと記録、自動車運転再開支援、演習2講座は、障害特性の理解と対応方法(ロールプレー)、障害特性の理解とアセスメント(モデル事例)である。支援体制、発達障害・認知症との共通点と相違点、小児期における支援、長期経過とフォローアップ、多職種連携、家族支援・当事者家族会の活動、地域生活支援の実際、支援の実践的な枠組みと記録、自動車運転再開支援、演習2講座は、ロールプレイを取り入れた障害特性の理解と対応、アセスメントと計画、である。テキストは高次脳機能障害の専門家である研究班員が分担執筆し、スライド原稿、スライドに音声を録音した動画版、に加えて講義上の注意点を記載した開催機関向け研修指導要領を作成し、各地で開催される研修会が質的に大きな差が出ないことを目指した。
4)モデル研修および受講者アンケート:令和4年度は11回(所沢市、名古屋市、岡山市、高松市、長野市、宮崎市、さいたま市、岩手県、和歌山市、廿日市、東京都)で試行研修を実施した。研修会は自治体あるいは関係機関が主催し、研究カリキュラムの一部あるいは全部が実施され、テキストのスライド版あるいは動画版が使用された。アンケート調査(複数回答)では①講演等ですぐに活用できる(225人)、②すぐに活用の機会はないが、今後機会があれば役立つと思う(298人)、③自分の不足している知識を補うことができた(367人)、④役立たない(1人)、⑤どれも当てはまらない(4人)、⑥その他(4人)であった。
令和4年度は、前年度までのテキストの改修を主とした、3)基礎編および実践編テキスト作成:基礎編の講義9講座は、障害定義、診断評価、医学的リハビリテーション、失語症とコミュニケーション支援、制度利用、相談支援、生活訓練、復職・就労移行支援、生活と支援の実際、演習4講座は、診断・評価体験、事例を通じた相談支援、生活訓練の実際、復職・就労移行支援(グループワーク)で各担当者が執筆し、研修会試用後に改訂。実践編の講義9講座は、地域の支援体制、発達障害・認知症との共通点と相違点、小児期における支援、長期経過とフォローアップ、チームアプローチの重要性、家族支援・当事者家族会の活動、コミュニケーション支援、支援の実践的な枠組みと記録、自動車運転再開支援、演習2講座は、障害特性の理解と対応方法(ロールプレー)、障害特性の理解とアセスメント(モデル事例)である。支援体制、発達障害・認知症との共通点と相違点、小児期における支援、長期経過とフォローアップ、多職種連携、家族支援・当事者家族会の活動、地域生活支援の実際、支援の実践的な枠組みと記録、自動車運転再開支援、演習2講座は、ロールプレイを取り入れた障害特性の理解と対応、アセスメントと計画、である。テキストは高次脳機能障害の専門家である研究班員が分担執筆し、スライド原稿、スライドに音声を録音した動画版、に加えて講義上の注意点を記載した開催機関向け研修指導要領を作成し、各地で開催される研修会が質的に大きな差が出ないことを目指した。
4)モデル研修および受講者アンケート:令和4年度は11回(所沢市、名古屋市、岡山市、高松市、長野市、宮崎市、さいたま市、岩手県、和歌山市、廿日市、東京都)で試行研修を実施した。研修会は自治体あるいは関係機関が主催し、研究カリキュラムの一部あるいは全部が実施され、テキストのスライド版あるいは動画版が使用された。アンケート調査(複数回答)では①講演等ですぐに活用できる(225人)、②すぐに活用の機会はないが、今後機会があれば役立つと思う(298人)、③自分の不足している知識を補うことができた(367人)、④役立たない(1人)、⑤どれも当てはまらない(4人)、⑥その他(4人)であった。
結論
これまでも高次脳機能障害に関する研修会は様々開催されているが、当研究では先行する養成研修を改めて整理し、基礎と実践という2段階の研修を新規構成し、カリキュラムとテキストを同時開発した。また高次脳機能障害の専門家が分担し、スライド原稿、スライドに音声を録音した動画版、講義上の注意点を記載した共催機関向け研修指導要領を作成し、各地で開催される研修会に質的に大きな差が出ないことを目指した。高次脳機能障害者支援に必要な知識を普及することにより、支援者のすそ野が広がり、住み慣れた場所での生活が可能な社会へ進む一助となると考える。
公開日・更新日
公開日
2023-06-06
更新日
2023-06-20