下肢静脈瘤に対する血管内レーザー治療の適正出力に関して

文献情報

文献番号
200918005A
報告書区分
総括
研究課題名
下肢静脈瘤に対する血管内レーザー治療の適正出力に関して
課題番号
H19-臨床試験・一般-012
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
笹栗 志朗(高知大学 教育研究部医療学系 外科学(外科2)講座)
研究分担者(所属機関)
  • 川田 通広(高知大学 教育研究部医療学系 外科学(外科2)講座)
  • 加賀谷 正(新東京病院 一般外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究・予防・治療技術開発研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
2,035,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
臨床における下肢静脈瘤治療における局所麻酔下レーザー治療の安全性および有効性を検討する。また、下肢静脈瘤血管内レーザー治療法の精度を向上させるために、必要な因子の抽出、および問題点の把握を行い、シミュレーションモデルに必要な血管内血液流体変化における必要な情報の検索を行い、レーザー波長変化を考慮に入れた下肢静脈瘤血管内レーザー治療焼灼モデルを作成、より確実な焼灼プロトコールの確立を行うことを目的とした。
研究方法
レーザープローブオリンパス社製DM-4065、市販のカテーテル、穿刺針、ガイドワイヤ等およびオリンパス社製医用半導体レーザー装置UDL-15(いずれも先進医療として使用許可済)を使用し、シミュレーションモデルを使った焼灼実験を行い、EVLTにおけるレーザー先端のCarbonCapの重要性、EVLT時のCarbonCap発育ならびにEVLTにおけるレーザー焼灼引き抜き適性速度についての検討を行った。それと同時に的確条件で選出された症例30例を登録後、術後成績を検討した(下肢静脈瘤治療に対する血管内レーザー治療法使用確認試験)。
結果と考察
下肢静脈瘤血管内レーザー治療焼灼モデルに対する焼灼実験では、レザー先端部のCarbonCapは、レーザー光出力開始より数秒以内から反応し始め、レーザー光の強さに応じて早く増大する傾向にあった。EVLTでは十数秒かかる為、治療のほとんどがこのcarbon capによる熱出力によるものであり、容易に剥がれ落ちる可能性があると考えられ、CarbonCapはEVLTにおいて非常に重要な役割を果たしていると結論付けることが出来た。また使用確認試験では、登録全30例が重篤な合併症や非閉塞・再疎通もなく良好な結果を得た。
結論
本研究ならびに使用確認試験において、下肢静脈瘤レーザー治療は安全で有効な治療方法であり、レーザー治療成績向上に向けてUDL-15は治療機器焼灼性能評価の基準となりうる。

公開日・更新日

公開日
2011-05-31
更新日
-

文献情報

文献番号
200918005B
報告書区分
総合
研究課題名
下肢静脈瘤に対する血管内レーザー治療の適正出力に関して
課題番号
H19-臨床試験・一般-012
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
笹栗 志朗(高知大学 教育研究部医療学系 外科学(外科2)講座)
研究分担者(所属機関)
  • 川田 通広(高知大学 教育研究部医療学系 外科学(外科2)講座 )
  • 加賀谷 正(新東京病院 一般外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究・予防・治療技術開発研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
下肢静脈瘤治療は抜去術から始まり、現在ではさまざまな治療方法が開発されてきている。本研究では、使用確認試験と同時進行し下肢静脈瘤血管内レーザー治療法の安全性と有効性について検討する。さらにレーザー治療手技においても、治療成績の向上のため、安全かつ確実な治療手技にするために必要な因子の抽出、および問題点の把握を行い、レーザー波長変化を考慮に入れた下肢静脈瘤血管内レーザー治療焼灼モデルを作成し、より確実な焼灼プロトコールを解明することを目的とした。
研究方法
レーザープローブオリンパス社製DM-4065、市販のカテーテル、穿刺針、ガイドワイヤ等およびオリンパス社製医用半導体レーザー装置(いずれも先進医療として使用許可済)を使用し、ファイバー先端周囲の温度変化、EVLTにおけるレーザー先端のCarbonCapの重要性等について、またEVLTにおけるレーザー焼灼引き抜き適性速度についてもモデルを作成し、実験・検討を行った。
同時に実施した使用確認試験では、有効性および安全性の確認やレーザー出力による熱量およびCC 変化量についての相関の有無を検討した。
結果と考察
下肢静脈瘤血管内レーザー治療焼灼モデルを使った実験において、ファイバー先端周囲の温度変化やcarbon capの特徴とその役割について解明することにより、より効率的なプロトコールの開発が可能となり、安全かつ確実な焼灼方法の確立につながった。また使用確認試験では、全例TLA麻酔下にて治療を実施した結果、重篤な合併症は0/30例(0%)、術後早期の非閉塞0/30例(0%)、再疎通例0/30例(0%)と非常に良好な結果を得た。
結論
これまでの研究結果ならびに使用確認試験において、下肢静脈瘤レーザー治療は安全で有効な治療方法であり、今後、レーザー治療成績向上に向けてUDL-15は治療機器焼灼性能評価の基準となりうる。

公開日・更新日

公開日
2011-05-31
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2011-01-04
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200918005C

成果

専門的・学術的観点からの成果
高度先進医療における臨床試験でも安全性および有効性は十分に確保されていた。今回の使用確認試験でも短期間ではあるが、さらなる安全が確かめられたことで、先進医療からさらに一歩進んで保険診療での治療が可能となれば、より多くの施設でも積極的に行える術式になると考えられる。
臨床的観点からの成果
全国的に下肢静脈瘤レーザー治療の保険収載されることが第一条件となるが、なかでも静脈壁の完全焼灼が可能となれば根治性の面でも静脈抜去術と同等となり、より多くの患者がその恩恵を受けられるようになると考えられる。
伏在静脈抜去術と治療効果は同等となり、より多くの患者がその恩恵を受けられるようになると考えられる。
ガイドライン等の開発
既知の技術であるため、特記すべきことなし。
その他行政的観点からの成果
現在、保険収載にむけて検討段階であるため、特記すべきことなし。
その他のインパクト
学会内での発表にとどまるため、特記すべきことなし。

発表件数

原著論文(和文)
1件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
4件
学会発表(国際学会等)
3件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-05-26
更新日
-