言葉の壁を持つ要介護高齢者の文化に即した在宅等における医療サービス提供時の安全管理対策整備のための研究

文献情報

文献番号
202216009A
報告書区分
総括
研究課題名
言葉の壁を持つ要介護高齢者の文化に即した在宅等における医療サービス提供時の安全管理対策整備のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
22GA1004
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
上里 彰仁(国際医療福祉大学 医療福祉学部)
研究分担者(所属機関)
  • 丸谷 美紀(国立保健医療科学院)
  • 高岡 詠子(上智大学 理工学部)
  • 杉山 佳史(東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター臨床疫学研究部)
  • 藤川 君江(松本看護大学 看護学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学政策研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
1,520,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日本語非母語話者の高齢化に伴い、ニーズが高まっている介護サービスにおいては、未だ体制整備がなされていない。特に医療系訪問サービスにおいては侵襲性を有する処置等も居宅で行われることから、利用者側と提供者側の共通理解は不可欠であるが、サービス提供時の安全対策等の全国的な指針は示されていない。本研究は、日本語に対し言葉の壁を持つ要介護高齢者(外国人等高齢者)への医療系訪問サービスのマニュアルやツールの今後の整備に向け、訪問サービス提供時の課題やニーズを把握することを目的とする。
研究方法
全国の訪問看護事業所・在宅診療所・介護事業所への実態調査を通して、日本語に対し言葉の壁を持つ要介護高齢者へのサービスの現状、言葉の壁や文化の違いに起因するトラブル、ヒヤリハットや緊急・災害対応、感染症予防のためのコミュニケーションを調査し、その課題を明示する。実態調査は①まずインタビューにより予備調査を行い、②その結果を元にアンケートを作成して施行する。
結果と考察
外国人等高齢者への訪問サービス提供における課題の構造としては、根底は「文化・習慣の差」に基づく問題があり、それにより「医療的側面」「介護保険業務」の理解不足に起因する問題が生じており、相互理解を深めるための「言語コミュニケーションの問題」があることで「COVID-19、緊急時・災害対応関連」を含む「ヒヤリハット、安全対策」の問題が生じている。外国人等高齢者へ訪問サービスを提供する事業者のニーズは、利用者と家族に看護および介護業務を理解してもらうこと、利用者と家族に医療的側面(疾患、処置方法、自己管理等)を理解してもらうこと、コミュニケーションのツール、サービス提供者自身が対象者と家族の文化(世界観・健康観・生活習慣・制度への考え等)を理解すること、である。
結論
外国人等高齢者への訪問サービスにおいて、事業者は利用者の文化的背景や言葉の壁を考慮したサービス提供に苦慮する実態が明らかになった。外国人等高齢者に対応した安全な訪問サービスを提供するために、マニュアルの整備やツールの作成が求められる。

公開日・更新日

公開日
2023-06-05
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2023-06-05
更新日
2023-12-14

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202216009C

成果

専門的・学術的観点からの成果
外国人等高齢者への訪問サービス提供における課題の構造としては、根底に「文化・習慣の差」に基づく問題があり、それにより「医療的側面」「介護保険業務」の理解不足に起因する問題が生じており、相互理解を深めるための「言語コミュニケーションの問題」があることで「COVID-19、緊急時・災害対応関連」を含む「ヒヤリハット、安全対策」の問題が生じていることが明らかになった。
臨床的観点からの成果
外国人等高齢者へ訪問サービスを提供する事業者のニーズは、利用者と家族に看護および介護業務を理解してもらうこと、利用者と家族に医療的側面(疾患、処置方法、自己管理等)を理解してもらうこと、コミュニケーションのツール、サービス提供者自身が対象者と家族の文化(世界観・健康観・生活習慣・制度への考え等)を理解すること、を主体としていることが明らかなり、訪問の臨床現場で安全なサービスを提供するためには、これに答えるガイドラインやマニュアル、ツールの必要性が示唆された。
ガイドライン等の開発
2025年度は民間研究助成金を獲得したため、本研究のアウトプットとして、訪問の臨床現場で活用するツールを開発することとなった。
その他行政的観点からの成果
本研究により得られた、外国人等高齢者への訪問サービス提供時の課題やニーズに関する所見は、訪問事業者が安全なサービスを提供することを助けるガイドラインやマニュアル、ツールが今後作成される際に役立てられることが期待される。
その他のインパクト
関連学会において成果発表を行い、研究者や関係者と本テーマに関する問題を共有した。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
1件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
3件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2023-06-05
更新日
2025-05-30

収支報告書

文献番号
202216009Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
1,976,000円
(2)補助金確定額
1,976,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 80,290円
人件費・謝金 75,976円
旅費 78,680円
その他 1,254,732円
間接経費 456,000円
合計 1,945,678円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2023-06-06
更新日
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