テーラーメード型運動器デバイスの技術開発および探索的臨床応用研究

文献情報

文献番号
200917012A
報告書区分
総括
研究課題名
テーラーメード型運動器デバイスの技術開発および探索的臨床応用研究
課題番号
H21-トランス・一般-003
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
中村 孝志(京都大学 大学院医学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 藤林 俊介(京都大学 大学院医学研究科 )
  • 竹本 充(京都大学 大学院医学研究科 )
  • 中山 富貴(京都大学 大学院医学研究科)
  • 松下 富春(中部大学 生命健康科学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(基礎研究成果の臨床応用推進研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
われわれの開発した技術は高性能レーザーを用いてチタン粉末を溶融し(選択的レーザー溶融法、Selective laser melting法、以下SLM)、三次元的構造を自由に造形する高速プロトタイピング技術である。患者の病変部のCTデータを画像解析し、外部形状および内部の微細構造を三次元CADにてデザインし、SLMにてテーラーメードデバイスを造形する。顔面骨や骨盤、脊柱などの大きな骨欠損をミクロン単位の微細な骨構造まで正確に再現し、さらにチタン表面を化学処理により骨と直接結合する材料に改変する。本プロジェクトでは生体材料開発におけるこのような基礎研究の成果を迅速に臨床現場に応用することを目的とする。
研究方法
本研究は以下の年次計画に従って遂行されるものである。
年次計画
・テーラーメードデバイスの造形技術の確立(平成21-22年度)
・臨床試験プロトコルの作成と学内の倫理委員会からの承認(平成21-22年度)
・臨床試験の開始と臨床評価(平成22-23年度)
結果と考察
本年度は動物実験による基礎的データの収集及び、強度試験、精度評価やSLM造形パラメーターの最適化、表面化学処理技術の効率化を行った。疲労強度の改善、処理時間のさらなる短縮、画像処理技術の効率化など、次年度以降にも継続する課題は残っているものの、全体として本年度の研究目標は十分に達成できたと考えられる。また、研究を進める過程で、Bionic社及び愛媛大学医学部口腔外科が新たに研究体制に加わり、歯科口腔外科分野での臨床応用をすすめる新体制となった。
結論
平成21年度はほぼ計画通りに研究を進めることができた。動物実験、強度試験、精度評価、造形パラメーターの最適化、表面化学処理技術の高精度化及び効率化を行った。並行して進めた疾病動物治療や、手術シミュレーションを通して、臨床試験における問題点や課題を明らかにし、臨床試験プロトコルの作成を行った。平成22年度以降の臨床試験開始に向けての準備は整ったといえる。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-