関節リウマチ診療ガイドライン改訂による医療水準の向上に関する研究

文献情報

文献番号
202213007A
報告書区分
総括
研究課題名
関節リウマチ診療ガイドライン改訂による医療水準の向上に関する研究
課題番号
22FE1002
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
針谷 正祥(東京女子医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 杉原 毅彦(聖マリアンナ医科大学 医学部)
  • 金子 佳代子(国立成育医療研究センター 周産期・母性診療センター母性内科)
  • 金子 祐子(慶應義塾大学 医学部)
  • 田中 榮一(東京女子医科大学 医学部)
  • 宮前 多佳子(東京女子医科大学 医学部)
  • 岸本 暢将(杏林大学 医学部)
  • 河野 正孝(京都府立医科大学大学院 医学研究科 )
  • 小嶋 雅代(名古屋市立大学 医学研究科)
  • 平田 信太郎(広島大学 病院)
  • 森信 暁雄(京都大学 大学院医学研究科)
  • 森 雅亮(国立大学法人東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
  • 川人 豊(京都府立医科大学大学院医学研究科 免疫内科学)
  • 小嶋 俊久(国立病院機構名古屋医療センター 統括診療部)
  • 亀田 秀人(東邦大学 医学部 内科学教室 膠原病学分野 (医療センター大橋病院 膠原病リウマチ科))
  • 中島 亜矢子(三重大学 医学部附属病院)
  • 房間 美恵(宝塚大学 看護学部)
  • 後藤 美賀子(国立成育医療研究センター 妊娠と薬情報センター)
  • 岡本 奈美(大阪医科大学 小児科学教室)
  • 矢嶋 宣幸(昭和大学 医学部内科学講座リウマチ膠原病内科学部門)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫・アレルギー疾患政策研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
3,077,000円
研究者交替、所属機関変更
所属機関異動 研究分担者 小嶋 雅代 異動前:国立研湯開発法人国立長寿医療研究センター  異動後:名古屋市立大学医学研究科(令和4年6月1日~) 研究分担者 小嶋 俊久 異動前:名古屋大学・大学院医学系研究科 異動後:国立病院機構名古屋医療センター 統括診療部     (令和4年7月1日~)

研究報告書(概要版)

研究目的
RA全体の治療方針は、研究代表者が中心となって作成した日本リウマチ学会(JCR)関節リウマチ診療ガイドライン2020(RA-CPG2020)に記載され、55の推奨が提示されている。これらの推奨は2012年から2019年に発表された臨床試験結果を基に作成されており、臨床試験から通常除外される妊婦・授乳婦、成人移行期の関節型若年性特発性関節炎(JIA)の診療については解説形式で記載された。また高齢者については臨床試験のサブ解析データを基に3個の推奨のみが作成された。
本研究課題では、RA患者のライフステージに応じて治療を適切に実施し、疾患の重症化・難治化を未然に防止するためのガイドライン改訂を目指す。そのために、 (1) RAにおけるMTX皮下注製剤、生物学的製剤、JAK阻害薬、バイオ後続品の2019年以降のエビデンスを収集し、それ以前のエビデンスと統合し、システマティックレビュー(SR)を行う、(2)SR、ナラティブレビュー等の手法を用いて、①RA、JIAの妊婦・授乳婦、②成人移行期のJIA、③高齢RAにおける治療に関するエビデンスを収集・解析する、これらの結果を踏まえてRA-CPG2024改訂案を作成することを目的とした。
研究方法
今回のRA-CPG改訂においても、2020版と同様にGRADE (Grading of Recommendations, Assessment, Development and Evaluation)法に沿ったCPGを作成する方針とした。ガイドライン作成組織として、統括委員会、SRチーム、ガイドラインパネル会議を設置、また、妊婦・授乳婦担当、成人後の関節型JIA担当、高齢者担当を指名した。
統括委員会では、ガイドライン作成の基本方針を検討し、クリニカルクエッションの設定およびガイドラインスコープの作成を実施した。
日本リウマチ学会を通じてSRチームメンバーの公募を行い、質の高いSRを遂行可能な人材育成を目的として、実際のCQを用いたSR勉強会を行った。文献検索、Risk of Bias評価、メタ解析の合計3回の勉強会をコクランジャパンの支援のもと実施した。
研究の実施に当たっては、JCRの関連する委員会から当研究班に委員を推薦して頂いた。日本リウマチ友の会に患者代表の参加を依頼した。また、関連する公的研究班と連携し、研究を進めた。
結果と考察
2022年4月に統括委員会を設置し、研究代表者が委員長に就任して、ガイドライン改訂準備を開始した。統括委員会で作成手順およびスケジュールの決定、利益相反管理方針の決定、作成組織の編成、スコープ作成、CQ決定を行い、並行してSRチームの公募、選考を実施した。
以下の3つの重要臨床課題を設定した。
重要臨床課題1:小児期、成人移行期、成人、高齢者、妊娠周産期のライフステージ別に対応可能な改訂ガイドライン作成し、さらなる予後の改善をめざす。
重要臨床課題2:JAK阻害薬を含めた新規薬剤と医療経済を考慮した薬物療法(バイオシミラー)の推奨をアップデートし、リスクベネフィットのバランスを考慮した薬物治療の指針を示す。
重要臨床課題3:手術・リハビリテーション治療は、重要な臨床課題であるが、2020版以降でのエビデンスに大きな変化はないため今回の改訂には含めず、次のガイドライン作成時にアップデートを検討する。
第1回班会議を7月22日に開催し、研究分担者、研究協力者とガイドライン改訂計画を共有した。8月7日、11月6日、2月12日にSR勉強会を開催し、SRを進めた。この間、研究分担者はSRチームを適宜サポートした。第2回班会議を2023年1月14日に開催し、進捗状況報告および今後の予定を共有した。2023年3月までにSRがほぼ完了した。2023年度でのパネル会議に向けて、パネル会議メンバーを対象としたEvidence to Decision Tableの作成講習会を開催した。
SRチーム、パネル会議、妊婦・授乳婦、成人後の関節型JIA、高齢者の担当者の個別の研究結果については、各分担研究報告書を参照のこと。
RA-CPG2020ではSRをパネル会議メンバーが兼務したが、今回はSRチームを公募することにより、分業が可能となった。SRチーム公募は研究代表者が難治性血管炎に関する調査研究班で実施したシステムを本研究課題にも採用したものである。SRを担当する若手人材育成には非常に有効なシステムであり、SRチームの中から今後のガイドラインンパネルとなり得る人材が出てくることが期待される。
結論
RA-CPG2024改訂版の作成のための、2023年度のパネル会議開催準備がほぼ整った。

公開日・更新日

公開日
2023-12-18
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2023-12-18
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202213007Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
4,000,000円
(2)補助金確定額
4,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,847,994円
人件費・謝金 160,172円
旅費 313,460円
その他 755,374円
間接経費 923,000円
合計 4,000,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2023-12-18
更新日
-