食物経口負荷試験の標準的施行方法の確立と普及を目指す研究

文献情報

文献番号
202213004A
報告書区分
総括
研究課題名
食物経口負荷試験の標準的施行方法の確立と普及を目指す研究
課題番号
21FE1002
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
海老澤 元宏(国立病院機構相模原病院 臨床研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 伊藤 浩明(あいち小児保健医療総合センター 総合診療科部)
  • 緒方 美佳(国立病院機構熊本医療センター 小児科)
  • 岡藤 郁夫(神戸市立医療センター中央市民病院 小児科)
  • 小池 由美(長野県立こども病院 アレルギー科)
  • 鈴木 慎太郎(昭和大学 医学部内科学講座呼吸器・アレルギー内科学部門)
  • 長尾 みづほ(独立行政法人国立病院機構三重病院 臨床研究部)
  • 福家 辰樹(国立研究開発法人国立成育医療研究センター アレルギーセンター 総合アレルギー科)
  • 福冨 友馬(国立病院機構相模原病院 臨床研究センター)
  • 三浦 克志(宮城県立こども病院 アレルギー科)
  • 矢上 晶子(冨高 晶子)(藤田医科大学 医学部総合アレルギー科)
  • 佐藤 さくら(国立病院機構相模原病院臨床研究センター 病態総合研究部)
  • 柳田 紀之(国立病院機構相模原病院臨床研究センター)
  • 高橋 亨平(独立行政法人国立病院機構相模原病院 小児科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫・アレルギー疾患政策研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
7,702,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究課題では食物経口負荷試験(負荷試験;OFC)のより安全な標準的施行方法を確立し、医師向け診療サポートアプリケーション(アプリ)を開発・実用化することにより食物アレルギー診療の質の向上を目指す。
研究方法
研究課題1:医師向け診療サポートアプリ開発・実用化
スマートフォン(iOS・Android)で動作するアプリおよびパーソナルコンピュータ上のWebブラウザで動作するOFCの結果予測が可能なアプリを開発し、実用化することを目的とした。
研究課題2:共通プロトコールを用いた負荷試験の検討
加熱全卵粉末とサツマイモ粉から作成された定型負荷食を用いた鶏卵OFCの実効性と安全性を検証することを目的とした。研究協力施設を9施設に増やし、登録症例は501例となった。
研究課題3:成人食物アレルギー診療の実態調査
成人の食物アレルギー診療の実態を「見える化」し、今後の課題を明らかにした上で、格差改善を図ることを目的とした。今年度は、昨年度に実施した本調査結果をもとに成人食物アレルギー診療に関する提言作成のための追加解析を実施した。
研究課題4:「食物経口負荷試験の手引き」及び「食物アレルギーの診療の手引き」等の改訂
「食物経口負荷試験の手引き」、「食物アレルギーの診療の手引き」、「食物アレルギーの栄養食事指導の手引き」を改訂し、一般に広く公開することを目的とした。
研究課題5:アニサキス等の食物関連アレルギーに関する調査
アニサキスアレルギーに罹患した国民の特徴とアンメッットニーズの探索、及びアニサキス等の食物関連アレルギーの臨床的特徴を明らかにし、診断・管理の向上を目指すことを目的とした。今年度は一般市民を対象にwebアンケート調査を実施した。
研究課題6:ナッツ類アレルギーの発症及び予後に関する研究
ナッツ類(クルミ、カシューナッツ)アレルギー患者の発症時の臨床的な特徴および予後を明らかにすることを目的とした。即時型クルミアレルギー(366例)またはカシューナッツアレルギー(222例)の臨床情報を集積した。
結果と考察
研究課題1:医師向け診療サポートアプリ開発・実用化
今年度は鶏卵・牛乳(2022年9月~11月)、その他(2022年1月~2022年12月)に実施したOFC症例の臨床データ(738例)を用い、昨年度作成した初期予測モデルの妥当性を検証した。
研究課題2:共通プロトコールを用いた負荷試験の検討
全量摂取した490例中81例(17%)が陽性と判定され、10例(2%)はアナフィラキシーを呈したが治療により改善した。以上から、定型負荷試験食を用いたOFCは比較的安全に施行できることが明らかになった。
研究課題3:成人食物アレルギー診療の実態調査
解析結果から、成人食物アレルギーの診療体制は十分に整備されていないこと、成人食物アレルギー患者には小児期発症例も多く、その多くは小児科でフォローされていることが明らかになった。小児科以外の診療科における食物アレルギー患者の診療体制の整備、および成人の食物アレルギーに対するOFC実施体制の整備が必要と考えられた。
研究課題4:「食物経口負荷試験の手引き」及び「食物アレルギーの診療の手引き」等の改訂
今年度は「食物アレルギーの栄養食事指導の手引き」を改訂し、「食物アレルギーの栄養食事指導の手引き2022」としてweb上に公開した。
研究課題5:アニサキス等の食物関連アレルギーに関する調査
魚介類を摂取後に何らかのアレルギー症状を呈した集団(2,537例)中、アニサキスアレルギーと診断された/疑われた者が27.9%に認められ、これらの人は魚介類を生食する頻度、調理師や水産業者など魚介類を取り扱う頻度が多い職種に従事していることを明らかにした。
研究課題6:ナッツ類アレルギーの発症及び予後に関する研究
小児のクルミまたはカシューナッツアレルギーは幼児期の発症が最も多く、発症時はアナフィラキシーもしばしば認めることが明らかになった。
結論
2023年度の予定として、各課題の研究計画に沿って遂行する予定である。得られた研究成果をもとに「食物経口負荷試験の手引き」、及び「食物アレルギーの診療の手引き」を改訂し、一般公開する予定である。また、成人食物アレルギー診療に関する提言もまとめる予定である。

公開日・更新日

公開日
2023-12-18
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2023-12-18
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202213004Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
9,512,000円
(2)補助金確定額
9,512,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 713,642円
人件費・謝金 5,029,200円
旅費 54,022円
その他 1,905,136円
間接経費 1,810,000円
合計 9,512,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2023-12-25
更新日
-