小児から若年成人での生物学的製剤の適正使用に関するエビデンスの創出

文献情報

文献番号
202213003A
報告書区分
総括
研究課題名
小児から若年成人での生物学的製剤の適正使用に関するエビデンスの創出
課題番号
21FE1001
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
滝沢 琢己(国立大学法人 群馬大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 藤澤 隆夫(独立行政法人国立病院機構三重病院 臨床研究部)
  • 足立 雄一(富山大学 学術研究部医学系小児科学)
  • 長瀬 洋之(帝京大学 医学部 内科学講座 呼吸器・アレルギー学)
  • 植木 重治(秋田大学 大学院医学系研究科総合診療・検査診断学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫・アレルギー疾患政策研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
6,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
高用量吸入ステロイド薬でもコントロール困難な重症喘息は、重大な疾病負担であり、多くの医療資源を消費する。これに対して、生物学的製剤が保険適用され、難治性喘息の患者にとっての福音となりつつある。しかしながら、エビデンスは未だ十分でなく、明確な層別化指標がないこと、投与開始後の中止時期が不明であること、移行期医療の時期の適正使用の指針がないこと、喘息長期予後への影響が不明であること、などの課題が残る。
 本研究では、これらの課題にアプローチするために、重症喘息の新たな治療手段となった生物学的製剤の有効かつ適正な使用について、ライフスパンを通しての指針を確立することを目的とする。とくに、長期予後改善のために重要である小児期から成人期前半にフォーカスする。
研究方法
① 日本小児アレルギー学会と日本アレルギー学会と連携、全国のアレルギー疾患医療拠点病院の協力を得て、小児期から若年成人期の重症喘息患者をデータベースに登録、生物学的製剤の使用実績データを解析する。第一段階では横断的解析を行うが、レジストリーとして確立して、今後の長期観察に備える。
② これまで知られていないライフスパンを通してのエビデンスについてシステマティックレビューを行い、上記横断的研究結果と合わせて、ガイドライン改訂に資する。
③ さらに、患者が抱える問題をPatient Reported Outcomeとして現実の生活から収集して、真の患者の立場に立った治療指針に活かす。
結果と考察
①に関して、小児から若年成人喘息における生物学的製剤使用の実態調査をACAGIスタディ: Asthma of Children, Adolescents, and Young adults using Biologics Studyと称して研究計画書の作成し、令和4年7月15日に群馬大学人を対象とする医学系研究倫理審査委員会で承認された(IRB2022-011)。並行してEDCを構築し、また患者が直接入力する患者アンケート用のフォームを作成した。前年度、小児アレルギー学会ならびに呼吸器学会会員を対象として実施したアンケート調査に基づいて参加可能施設を募り、現在までに成人診療科(呼吸器内科)9施設、小児科17施設の参加を得ている。これまでEDCを通じて、医師による登録142件、患者アンケートの回答111件となっている。②に関しては、生物学的製剤に関連するクリニカルクエスチョンの候補を挙げ、システマチィックレビューを準備中である。③に関しては、ACAGIスタディの研究の一部として、患者への聞き取り内容を整理し、Googleフォームを使用した入力フォームを作成し、上述のように111件の回答を得た。
結論
生物学的製剤を使用する小児から若年成人喘息患者の後方視的調査を開始した。医療情報と患者の主観的評価を並行して収集しており、生物学的製剤の総合的な評価が明らかにされることが期待される。

公開日・更新日

公開日
2023-12-18
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2023-12-18
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202213003Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
7,500,000円
(2)補助金確定額
7,405,067円
差引額 [(1)-(2)]
94,933円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,431,531円
人件費・謝金 3,066,282円
旅費 155,590円
その他 251,664円
間接経費 1,500,000円
合計 7,405,067円

備考

備考
臨床研究は年度を超えて続いており、十分な登録があったが、令和4年度の支出では謝金等が間に合わず執行できなかったため、94933円の残余金が生じた。

公開日・更新日

公開日
2023-12-18
更新日
-